大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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大峰正楓の小説・日々の出来事・日々の恐怖

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A,日々の出来事

☆( 1年間366日分の日々の出来事  )

B,日々の恐怖

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C,奇妙小説

☆(  しづめばこ P574 )                          

しづめばこ 4月30日 P428

2016-04-30 20:31:08 | C,しづめばこ


しづめばこ 4月30日 P428  、大峰正楓の小説書庫で再開しました。


小説“しづめばこ”は読み易いようにbook形式になっています。
下記のリンクに入ってください。
小説“しづめばこ”




大峰正楓の小説書庫です。
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日々の恐怖 4月29日 恐怖の遠泳実習

2016-04-29 19:57:29 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月29日 恐怖の遠泳実習



 うちの高校は体育系で、高校二年生の夏には遠泳実習という行事がある。
もちろん生徒にとっては苦痛極まりない行事で、毎年、2年生に成る生徒は愚痴をこぼしていた。
なんせ沖まで行って4、5時間泳がなきゃいけない。
体力の限界が来て溺れる生徒は毎年数人はいる。
ヘタすりゃ死ぬかもしれない。
 そして、俺たちも2年生になり、遠泳実習を行う季節がやって来た。
実習の日が近づくにつれ、みんな溜め息が多くなってくる。
 しかし、そんな俺たちに朗報が舞い込んできた。
毎年遠泳実習を行う海岸に、巨大なサメが出没したとのことだ。
このニュースを聞き、生徒の誰もが“遠泳実習中止”という言葉を脳裏に過ぎった。
予想通り急遽、特別ホームルームが行われることになった。
 教室で先生を待つ俺たち。 
その間、

「 俺たちってツイテル!」

や、

「 サメ様ありがとう!」

などの言葉が教室で飛び交っていた。
 そして、先生がやって来た。
教室のドアを開け、静かにツカツカと歩き、教卓の前にヤツは立った。
みんながヤツの第一声であろう、

「 今年の遠泳実習は中止です!」

という言葉を待ち、ゴクリ、唾を飲んだ。 
 そして、ヤツは口を開いた。

「 え~、今からサメの退治方法を教えます。」

生徒の誰もが一斉に机ごとコケた。
その瞬間、教室は揺れていたに違いない。
 俺はこの先、一生忘れないだろう。
先生様のあの冷静な口調と、ドリフターズ並にみんなが一斉にズッコケた光景、そしてサメの退治方法を。



  サメの退治方法


 俺が授業で習ったのは、サメって獲物に喰らいつくとき、一回沈んで、物凄い勢いで水面に向かって泳ぎ、その勢いで獲物を下から押し上げるようにかぶりつく。
先生様は、サメが下から来るその瞬間に出っ張ってる所をカウンターで殴れと言った。
無茶苦茶なことを言う先生様だった。











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日々の恐怖 4月28日 ヤバかった話

2016-04-28 20:39:13 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月28日 ヤバかった話



 私が12歳のときの話です。
イトコ(男、当時18歳で、どうしようもない不良だった)がケンカして帰ってきたらしく、深夜か明け方に玄関先でものすごく叫んでた。

“ また暴れてるのかな・・・?”

と思ったけど、いつもとセリフが違うし、家族の声が聞こえないから不思議に思って(いつもは悲鳴とか静止の声がする)、部屋からでて階段おりてみると、下の廊下でお腹おさえて動かなくなって呻いてるイトコを、囲むようにして叔父さん叔母さんと祖父母がじーーーっと見ていた。
けど、誰も声もかけないし、看病もしてなかった。

“ 見ちゃいけないものを見た。”

という気が一杯ではあったが、子供心に、

“ 声かけなきゃヤバそう・・・。”

とも思い、嘘臭かったと思うけど、

「 おにーちゃん、おにーちゃん病気なの?」

と馬鹿みたいに泣きながら駆け寄った。
 叔父さんとお爺ちゃんはぼーっとしてたまま、おばあちゃんが、

「 救急車呼んであるから心配しないで寝なさい。」

と言い、叔母さんも、

「 お父さん、保険証用意して。」

とか言い出して、叔父さんが、

「 もう一度、救急に電話する。」

とか言って電話に行きました。
 でもって私が結婚するとき、イトコに、

「 お兄ちゃんあの時ヤバかったよね。」

と言ったら、

「 うん、結婚祝い何でも買ってやる、何ほしい?」

と言ったので、

「 全自動洗濯機。」

と言ったら、イトコは乾燥機もつけて凄く高い全自動洗濯機を買ってくれました。
 いま思うと、やっぱ、見殺しにしようと思ってたんじゃないかと・・・。
イトコは内臓が一部破けていて、ものすごい手術したそうです。
1ヶ月以上入院して留年してました。












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日々の恐怖 4月27日 行方不明

2016-04-27 19:21:29 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月27日 行方不明



 私(40歳)が小学校の時に起こった話です。
ある遠足の時とその後の出来事です。
とある山で林間学校があったんですが、事前の注意にこういうものがありました。

“ 途中で神社の近くで休憩を取るが、そこの小石、落ち葉一枚持って帰ってはいけない。”

先生が言うには、

“ 大変霊験あらたかな神社なのですが、そこの神様は大変独占欲が強く、自分の敷地から何かを持ち出した人間には必ず祟る。”

というものでした。
 黙っていれば良いものを、そんなことを吹き込んだので、当日の宿舎での夜、我がクラスの各部屋では、その神社から持ってきた物の品評会でした。
 そんな中、石や葉っぱに混じって“石のこけし”みたいなものを持ってきたヤツがいました。
特に霊感など無い私ですが、それを見た瞬間何かゾクゾクするような悪寒を覚えました。
 “境内の小さい祠の脇に立てかけてあった”と言うその“石こけし”を持ってきたヤツは、みんなに、

「 アホ!やりすぎじゃボケ!」

とか罵られ、逆上したのか、

「 お前らも同罪じゃ!」

と言うなり先生の部屋へ駆け込み、みんなが神社から色々持ってきたことをぶちまけやがりました。
 信じてたのかどうなのかはわかりませんが、先生はみんなを集め、

「 アホかお前ら、祟られてもしらんぞ!
俺が返しといたるから全部出せ!」

と怒って、持っていたビニール袋に回収した小石や葉っぱを入れました。
もちろん“石こけし”も。
 とは言うものの、その神社は宿舎からバスで1時間以上離れており、翌日の日程は全然違う場所への移動です。
 私たちは、

“ あれ、いつ返すつもりやろ・・・?”

とか思いましたが、翌日の先生の荷物を何となく確認したところ、それらしい袋はありませんでした。(あるいはカバンの中か・・・?)
 そして何事もなく林間は終わりました。
先生があの神社に返しにいく時間はもちろんありませんでした。
 次の日曜日明けから、私たちの担任は行方不明になりました。
しばらくは警察がうろちょろしたり、それらしい雰囲気でしたが、結局、臨時でわがクラスの担任になってくれていた先生が、そのまま正担任になりました。
 嫉妬の神様か、石のこけしか、北の金さんか・・・。
とにかく、30年近くたった今も全く手がかり無しらしいです。










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日々の恐怖 4月26日 ノブ

2016-04-27 11:41:49 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月26日 ノブ



 小学6年の頃新築の家に引っ越して、初めて一人部屋を与えてもらったんだけれど、引っ越して一年経たない頃から、昼夜に関わらず棚上の物が勝手に落ちる、部屋の電気が突然点くなど、おかしなことが起こり始めた。
 極めつけは、夜中妙な物音で目を覚ますと、寝ているベッドの対面にある部屋のドアノブが、

“ ガチャガチャ・・・、ガチャガチャッ・・・。”

と鳴っていたことです。
 そのうちそのドアがゆっくりと開いていくのですよ、

“ ギィー・・・。”

って音がして。
 ガクブルになって布団かぶって無理やり寝てたんだけど、子供だから好奇心もかなりある。

“ 誰かいるのか・・・?”

物凄い心臓の音を自分で聞きながら、布団の隙間から覗いてみると、ドアは開いているものの誰もいない。
 次の日、親に部屋に来たかと聞いても来てないと言う。
そのドアノブガチャガチャ&ドア開放はそれから一週間近く続くようになり、寝不足にもなっていて、親は信じてくれないし、ノブガチャの見えない存在にかなり頭にきていた。
 ある日、やはり夜中2~3時ごろノブガチャが来たので、寝不足がピークに達した自分は、ドアが開くのと同時にドアの前まで行って思い切り叫んだ。

「 開 け た ら 閉 め ろ や ! ! 」

その後、起きてきた親にチョトしかられた。
 でも、怒鳴った次の日からドアガチャだけになり、そのうちそれも無くなりました。
少しは、ごめんねと思ってくれたのかな?


 高校まではその部屋を使っていたけど、就職のため家を出ることになり、2、3年家に帰らなかったんです。
 ある年、夏期休暇を利用して実家に帰ると、私の部屋はお札で封印されていました。
話によると、寺の坊さんに、

「 ここは人の住んでいい部屋じゃない!」

と言われたそうで、

“ うそーん!(´Д`;”

私がいない間にあの部屋で何があったのか、親からは話してもらえません。









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日々の恐怖 4月25日 髪を燃やす女

2016-04-25 19:37:23 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月25日 髪を燃やす女



 東京在住のSさんから話を聞く機会がありました。

『 今は京王線、禁煙になってるじゃないですか。
まだ禁煙になってなかった頃の話なんですけれど、府中駅の近くに当時働いていて、残業やらなんやらで終電に乗ることになったんですよ。
 喫煙場所でタバコを吸おうとライターを取り出したら、25歳ぐらいの女の人がスタスタ歩いてきて、俺のことをじっと見つめてくるんです。

“ なんだよ!”

って思ってたら、

「 ライターを貸していただけますか?」

って聞かれました。

“ ああ、なんだ・・・。”

って思ってライターを手渡したら、その女はニッコリ笑って、俺のことを見つめたまんま突然自分の髪の毛を燃やしはじめて、びっくりした俺は、

「 やめなさい!」

って、大声でライターを取り上げようとしました。
 そしたら、その女はライターを線路にぶんなげて、ケラケラ笑いながらライターの後を追って線路の中へ!
 何がなんだかわからず、あっけにとられ、そこで終電のアナウンス。
われに返った俺は、

「 おい!あがってこい!」

って大声で叫んで、線路をのぞきました。
そしたら、その女がホームの下のくぼみ(避難所?)からにょきっと頭だけ出して、仰向けみたいな感じでこっちを見て笑ってる。
すんげーびっくりして、俺はシリモチついた。
 電車が入ってくる。

“ やべぇ、あの女死んじゃうよ!”

って焦ってまわりをみたら、他の人はそしらぬ顔で携帯をいじってる。
 で、はっとした。
ホームの下のくぼみって、人が一人入って仰向けになって頭だけだせるぐらいのスペースは無い。
夢でも見たかと思ったんだけど、俺のポケットからはライターが無くなってたんだよなぁ・・・・。』










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日々の恐怖 4月24日 鏡横の張り紙

2016-04-24 19:51:53 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月24日 鏡横の張り紙



 東京在住Kさんの話です。
私が交通事故で入院したときの話です。
 一人でトイレにも行けるようになったある夜、用を足していると壁に、

『 気分が悪くなったら 押してください 』

の紙の横にボタンがありました。
香りでも出るのかなと、ボタンを押しました。
 そのボタンはナースコールでした。
あわてて病室に戻りました。
 看護婦さんが急いで走ってきて、トイレ・各病室を確認していました。
私は寝たふりを決め、静かにしていました。
 トイレ前にいる数人の看護婦さんの会話が聞こえました。

「 また?」
「 マジ・・・。」
「 何回目?」
「 やっぱ・・・。」
「 どうする?」

など、意味ありげの会話でした。
 翌朝、トイレに行き、当然ボタンは押さず、洗面台で手を洗っていました。
鏡の横に昨日まで無い、

『 きれいに使いましょう 』

との張り紙があり、なんとなく張り紙の裏を見たところ、御札が張ってありました。









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日々の恐怖 4月23日 図書館で勉強

2016-04-23 18:50:34 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月23日 図書館で勉強



 東京在住の医師Dさんの話です。
俺ね、医学部目指して浪人してた頃、予備校帰りに近くの図書館で時々勉強してたの。
そうしたら、周りは司法の勉強してる人ばかりだった。
 で、ある時気付いたんだけどさ、ああいう人達って座る席がほぼ決まってるんだよね。
俺がたまに常連さんの席に間違って座るとジロッて睨まれた。
そのうち自分の席(末席)が決まって落ち着いたけどね。
 その中に一人の綺麗な女の人がいて、思えばその人を中心に、何らかの力学で野郎の席が決まっていた風だった。
 翌年、運良く俺は地方の医学部受かって都落ちした。
そんな図書館でのことなどすっかり忘れて、6年の歳月が過ぎた。
で、久しぶりにその図書館を訪れて、末席に行って、

“ ああ、昔、ここで勉強したんだなァ・・・。”

って懐かしんで腰掛けて、周り見回して俺は驚愕したね。
何と、その女の人を中心に、ほぼ6年前と同じ面子がまだ司法の勉強してやがんの。
 その女の人は、ちょっとだけ老けてた。
周りの野郎は、かなり逝ってた。
ハゲてるやつもいた。












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日々の恐怖 4月22日 徳のある子

2016-04-22 19:12:10 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月22日 徳のある子



 従姉の息子がお寺の敷地内にある保育園に通ってたんだけど、本堂とかも保育園スペースの一部みたいになってて、園児が上がることが多かった。
 そしたら、

「 あのね、まんまんさん(仏壇とかご本尊の方言幼児語)のところに白い女の人がおってんよ。
園長先生(住職)がお線香あげちゃったらね、ぐるぐる辺りをまわってるの。
お経上げてる間ずっとなんよ。」

って怖がって登園拒否始めた。
 従姉一家もなんじゃそらと思いつつ、環境も変わったしストレスかしらねって、保育園通いをしばらく休ませてた。
 実はそこの家は商売をしてて、近くのSAの食堂に食材を卸してたんだけど、家の中にずっといるのもアレだしと、ある日その子を配達に連れてったら、

「 いやあああああっ!!」

道の途中で、とある木を指差していきなり泣き出した。

「 何もおらんじゃろうが?」

って従姉ダンナが言っても、泣き喚くばかりでどうしようもない。
仕方がないので、配達もそこそこに別の道を通って帰ったそうだ。
 後日、その木で首吊りがあったのが判明したんだけど、田舎だったのでなかなかわからなかったみたい。
 そんなことが続いたので、とあるお寺の管長さんに見て頂いたら、

「 ああ、その白い女の人はお経やお線香にすがりにきたんでしょう。
そんなに悪いものじゃないけど、見えてるこの子がすがられるとよくないから・・・。」

と言われ、お守りを渡された。

「 15歳になるまで気をつけてあげて下さい。
大きな事故があったところや幽霊が出ると言われるような所には行かない、行かせない。
その気になれば、この子は徳があり宗教をひらけるくらいの力はあるんですが、普通の人生を送る方がよっぽど幸せですからね。」

とも言われたらしいその子も、この前15歳になった。
 もうヘンなものは見えてない。
しかし、どう見ても徳があるとも思えない。











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日々の恐怖 4月21日 夢見

2016-04-21 19:45:27 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月21日 夢見



 東北在住のKさんの話です。
私の夫の母が数年前に急死した時の話です。
 誰も思いもかけなかった死だったから、悲しいと言うよりも大慌てだった。
夫とその兄も、葬儀の準備、呆然としている父の世話、押し寄せて来る親戚の相手と、悲しんでいるヒマもないほど慌ただしかった。
 葬儀もなんとか無事済ませ、夫と私は家に帰ってきて、しみじみと亡き母の事を語っていたところ、夫が言い出した。

「 通夜の夜、うとうとしてたら、母ちゃんが夢に出てきてさ、

『 どうして死んじゃったんだよ?』

って言ったら、

『 死んでないよ、ちょっと旅行に出ただけだよ。』

って言ってた。
 旅行の好きな母ちゃんだったから、忙しい、忙しいばかり言わないで、もっといろいろどこか連れて行ってあげれば良かった・・・・。」・・・・涙。

 四十九日、法要も無事済んで、親戚連中も帰り、夫と私、兄夫婦、父の5人でお茶を飲んでいたところ、ふいに兄が言い出した。

「 通夜の夜、母ちゃんの夢見たよ。
なんか、旅行へ行くって言ってた。」

夫が、

「 俺もその夢見た!
兄貴も見たのか!
えっと・・・、父ちゃん、何か見なかったか?」

と聞くと、父は、

「 俺ぁ、いったん寝付いだら、カミナリ落ちてもわがんねぇし・・・。」

・・・そういう問題、・・・なのかな?











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日々の恐怖 4月20日 黒い髪の毛

2016-04-20 19:20:40 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月20日 黒い髪の毛



 神奈川在住のMさんの話です。
この前、母が独身時代の日記を読み返しているとき、

「 あ~、また思い出しちゃった・・・。」

と言って話してくれた話です。
 東京に住んでいた頃、誰でも知っている大手のスーパーでの出来事です。
用を足したくなり、そのスーパーのトイレに入ったそうです。
そのトイレはよくあるドアの下に隙間があるタイプでなく、下にドアや壁がぴったりとついている個室だったそうです。
 和式のトイレで壁に向かって用を足していると、ふと何故だか、

“ この隙間のないところから髪の毛が出てきたら怖いなあ・・・。”

と思ったようです。
 そして少し上のほうに目をやって再び下に目を向けると、幅20センチほどの真っ黒い髪の毛が隙間のない壁の下から、ズルズルと伸びてきたのです。
恐ろしく長い髪でどんどんどんどん音もなくこっちに向かってきて、母はびっくりして慌てて個室を飛び出したそうです。
その時のことは、今思い出しても鳥肌が立つと言っていました。
 どうして、突然、“この隙間のないところから髪の毛が出てきたら怖いなあ”と思ったのかは分かりません。
それで、思ってしまったから実際に出て来てしまったとか、これって察知したんでしょうかね?
それとも、わざわざ最も厭だなァとイメージした形をとったということなんでしょうかね?
どっちにしても怖い話だったです。










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日々の恐怖 4月19日 石を投げる(2)

2016-04-19 19:43:36 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月19日 石を投げる(2)



 俺が小学生のときの話なんだけど、友達の家の近くに池があった。
直径3mか5mくらいの、まあるくて小さな池だった。
その池の周りをぐるりとなんかしめ縄みたいな縄で囲んであったし、すぐそばにちっさい祠とかあったから、たぶん神様の池とかだったんだろう。
 そのときは同い年の子3人と、いっこ上の子1人とで遊んでいた。
いっこ上の子の名前がH君、同い年のこの中の一人の名前がKくん。
何でそんなことしたのかよく覚えていないけど、なんか自然な話の流れで、H君がその池の中に子供の頭くらいの大きさの石を投げ込んだ。
 どっぼーんと大きな音がした。
それとほとんど同時に、Kくんが勢いよく倒れた。
頭から大量の血を出していて、その近くに少し血のついた石が落ちていた。
たった今投げ込んだ石と同じような大きさと形をしていた。
 その場にいた全員が何が起こったのか全く解らなかった。
俺は倒れてるKくんを暫くじっと見つめていた。
もう一人の同い年の子も崩れるように倒れこんだ。(後で解った事だが、大量の血を見て貧血で倒れたそうだ。)
 俺はそれを見て我に返って、H君を見た。
H君はまだほうけている。
 俺は走って友達の家に行き大人の人を呼んできた。
その後のことは実はあんまり記憶にない。
確か大人の人に、じっとしてなさいとか何とか言われて、じっとしてた気がする。
 救急車が来てKくんが運ばれていったのを見届けてから、すぐに俺は高熱を出した。
2日くらい経って大分熱もさがったころ警察の人が来ていろいろ聞かれた、
Kくんは頭蓋骨がわれていて相当やばかったらしいが、たまたま運ばれた病院に凄い先生がいて助かったそうだ。









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日々の恐怖 4月18日 石を投げる(1)

2016-04-18 18:10:29 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月18日 石を投げる(1)



 最初に、何歳の頃だったのか忘れてしまった幼い日の出来事からです。
山や田んぼには、神様が住んでいるという話を聞いた事がありますか?
私の生まれた町では、お百姓さん達からそんな話を聞かされて育ちました。
 ある日、私は幼馴染A君と2人で、彼の家の近所の神社の裏手の田んぼのあぜで遊んでいました。
親からは、

「 明るいうちに、帰っておいで。」

ときつく言われてはいましたが、楽しい時間はあっという間に過ぎ、あたりが薄暗くなってきてしまった時、それは起こりました。
 苗の植えられている田の水面が鏡のように調い輝いて、その中では、怒り心配している私とA君の母親と、近所に住んでいる同級生の母親が映っていたのです。
3人の母親の会話まで聞こえた記憶があります。
 早く帰らないと酷く怒られると思った我々は、急いでA君の家の前まで駆けて行きました。
そこには、水面に映ったのと同じ服装、構図の母親たちの姿がありましたが、なぜか不思議には思いませんでした。
 その後か先かは忘れましたが、田んぼに石を投げ込む遊びをした事があります。
まだ苗の植わっていない田んぼは見晴らしが良く、大きな石を投げ込むと爆発するように泥と水飛沫を上げる事から、爆弾投げと呼ばれていました。
 その年、私の家の前の田は神田(その田の収穫から、神社に一束の稲穂をお供えする)となっており、お神酒と、注連縄で飾られていました。
 私たちはいつもの年のように、大きな掴み易い丸めの石を選んで投げ込む事にしました。
まるで注連縄がプロレスのリングのようで、幼い心に特別な思いを抱かせたのでしょうか、
私は石垣に隠しておいた、模様の入ったお気に入りの宝物の石を投げる事にしました。
 石の大きさは、多分大人の握りこぶし位だったと思います。
私は一番乗りで石を投げ、石は放物線を描いて水面へ。
 大きな水飛沫が上がった時、私は頭に強い衝撃を受けて、意識を失いました。
目が覚めると、そこには母と、友人達、そして近所の医院のお爺ちゃん先生が覗き込んでいました。

「 この石が頭にぶつかったんだよ。」

と聞かされて、先生が見せてくれた石は、確かに自分が投げ込んだはずの宝物の石だったのです。
 周りにその事を訴えると、皆、急に押し黙り、その後両親に連れられて神社と田んぼに、お供えをしに行った記憶があります。









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日々の恐怖 4月17日 雷

2016-04-17 22:50:32 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月17日 雷



 引越し屋で働いてるんだけど、取り壊し予定の家の玄関から家具を運び出すのに四苦八苦していると、客(家の住人で70代近い爺さん、一人暮らし)が、道路に面している通路の突き当りの土壁を指差し、

「 この壁がなければ家具の出し入れもしやすいでしょう、ここ、壁薄いし・・・。」

その突然の申し出に、

「 いや何とかしますから・・・。」

と断ったのだが、爺さんは、

「 いいから、いいから・・・。」

と、カケヤやバールを持って来てガンガン土壁を壊し始めた。
 放置して作業する訳も行かず様子を見ていると、爺さんが、

「 あ・・・・・!?」

と声をあげた。
 見ると、壊れ掛けた土壁の隙間に大量の紙が詰まっている。
爺さんがそれを引っ張り出すと、梵語らしきもの(漢字じゃなかった)がびっしりと書かれたA5サイズくらいの紙が十数枚あった。
 それに驚いた爺さんが血相変えて家の中をひっくり返し始めると、梵語みたいな文字の紙が家(木造平屋建て)の見えない場所から出るわ出るわ。
畳の裏、天井裏、縁側の床板の裏、一枚一枚全て手書きで、全て微妙に違う文字が書いてあった。
 奇妙なのは、一昨年に工事したと言う真新しい玄関前の側溝のコンクリ蓋の裏にも貼ってあった。
 さらに、紙には明らかに古いものとそうでないものが混ざっていたし、

「 前に見たときは、こんな物は貼ってなかったんだけどねぇ・・・。」

と爺さんが首をかしげるような場所にもいくつか見つかった。
 こちらとしては、爺さんの相手をしていると仕事が終わらないので、怪訝な顔の爺さんを無視し、大急ぎで玄関から荷物をトラックに積み込んだ。
家自体は20年くらい前に空家だったのをそのまま買い取ったらしいから、前の住人の情報は皆無だったようだ。
 そして、とどめは引越し先の新築の平屋建てに、俺たちのトラックが到着する直前に雷が直撃していた。
被害はそれほどでも無かったようで、無事、爺さんはそのまま入居した。
 自分の貧弱な想像力で考えると、
あの家にまつわる何かを封じている何者かが、家を手放した後も住人に気付かれないようアフターケアをしていたのでは?
あの落雷で、新しい家にその何かも引っ越ししたのか?
まあ、この程度が限界でした。
とにかく不気味な経験であったことは確かです。










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日々の恐怖 4月16日 人形と森

2016-04-16 19:47:19 | B,日々の恐怖



  日々の恐怖 4月16日 人形と森



 これは七つ下の弟がやっとまともな話ができるようになった幼い頃のことです。
当時、母と弟が寝る部屋には、亡くなった祖母の作った日本人形が男女一体ずつ飾ってありました。
 ある日、母、病気で学校を休んでた俺、弟の三人でお昼のオカルト番組、“あなたの知らない世界”を見ておりました。
そのあらすじは、

『 娘がゴミ捨て場で人形を拾ってきたところ、家族に反対され、元のゴミ捨て場に戻しに行きました。
しかし、いつのまにか、人形が家に戻ってきていました。
気味悪くなった娘は、さらに遠いところに人形を捨てに行きました。
その後、一家の主人が行方不明になり、死体で発見されました。
その遺留品には、なんとその人形が含まれておりました。』

というものでした。
 退屈だった俺はその再現フィルムを見ながら、

「 うちにもあんな人形あるよね~。」

なんて弟を怖がらせようとからかってました。
 するとまだ三歳にも満たない弟が、ケロリとした顔で、

「 うちの女の子の方のお人形も、夜になったらたまに首だけこっち向けて見てる。」

と主張するのです。
 まだそんな冗談を言えるような年齢ではない、と思われるので、さっきの再現フィルムと現実がごっちゃになっちゃったのかな、と思って聞いていましたが、

「 こんど人形が動いてるところを見たら教えるように。」

と指令しておきました。
 そんなことも忘れた頃、弟が、

「 人形が動いたよ。」

と言い出しました。
 詳しく話を聞いてみると、夜に母と並んで寝ていたところ、足元の方の壁の真中辺りに例のお人形がガラスケースから出て来て、自分を誘うように立っていたそうです。
そして、そのお人形の立つ壁の背景には、なぜか森が広がっていたそうです。
 弟によると、

「 とっても楽しそうな気がしたので、行こうかと思ったけど、夜はちゃんと寝てないとママに怒られそうなので、ついて行くのをやめた。」

とのことでした。
 人形の後ろに森なんてのは、幼い弟の作り話としては出来過ぎなのがちょっと怖かったんですが、今の弟はそんなことはすっかり忘れてしまっています。
果たして弟は、兄を怖がらせるために怪談を創作するほど賢いウソつき二歳児だったのでしょうか。
そのお人形は、まだ実家にあります。











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