間に余談がはさまりましたが、たぬきちさん経由の二冊目。
これも佐々木俊尚氏の本。
こちらは、クラウドとスマイルフォンを駆使してオフィスに縛られずに働くワークスタイル(氏は遊牧民になぞらえて「ノマド・ワーキング」といいます)とそれを可能にするさまざまなツールを紹介しています。
こちらはより実践的で、ちょっとずつでも取り入れるとかなり無駄が省けそうです。
ただ僕の勤務先のPCはソフトのインストールの制限があるのとスケジューラーがLotus Notesでそれを同期させるなどのハードルは結構高そうなので、「ノマド」には程遠く、座敷から土間に出る程度になりそうです(ドマノ・ワークスタイルw)。
著者はノマド・ワークスタイルを実践するポイントとして自己規律の重要性を指摘していますが、これは実は机仕事にも通じます。
① アテンション(注意力・集中力)をコントロールする
② 情報をコントロールする
③ 仲間とのコラボレーション(連携、協調)をコントロールする
たぬきちさんの最近のエントリにこんなことが書いてありました。
「僕、はっきり言ってiPhone使ってなければ会社辞めようともブログ始めようとも思わなかったですよ」
「それは?」
「こいつで、いつでもどこでも、誰とでも繋がれるって情況がなきゃ勇気が出なかった、て」
たぬきちさんはブログというキラーコンテンツを軸に繋がることができているわけですが、僕なんかだと「とにかく繋がっている」ことが大事で、忙しくする割にかえって生産性が落ちるので上の①~③のすべてに欠けることになりそうです。
実はこれもサラリーマンのような、組織内での仕事にも共通で、仕事の目的が組織目標を達成することでなく「組織に繋がっていること」になってしまうと、無駄な会議ばかりが増えることになります。
そしてそういう人は定年になると「繋がり」が切れてしまって急に元気がなくなったりするんですよね(自戒、自戒。)
話を元に戻します。
本書の後半はさまざまなクラウド・サービスやスマートフォンをつかった「知的生産の技術」が満載です。
ふと思ったのは、「こういう便利なものがあってこれを使うと生産性が飛躍的に伸びる」という切り口は「勝間本」と似ているのですが、こちらのほうがすっと頭に入ってくるのはなぜか、ということ(といっても僕は勝間本は3冊くらいしか読んでませんが)。 本書は佐々木氏の実践と苦労に裏打ちされた語り口のためか(決して勝間さんがそうではないとは思いませんが)。
佐々木氏のほうが年齢が近いとか、実は生産性だけでなくてマニアなこだわりを許容しているという文化はあるからかも知れません。
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