くりまんじゅうの日記

世間より少し いやだいぶん遅れている
老シーラカンスです。

60年前の七五三。

2013-04-29 | 日記

                                 
                                 

この前 母のタンスからウールの着物を取り出したとき

この2枚の着物が重ねて たとう紙に包まれ出てきました。

赤い地に菊花模様の着物に ぼんやりとした記憶がありました。

昔のアルバムを開くと これを着た6歳の私が 錦の手まりを持ち

両親とともに 写真の中で澄ましております。

白黒で表面が少しザラつく写真は 高知大丸前のW写真館の

名前がありました。
                  
七五三のときと思われ 若々しい父と20代の母が両脇に座り
       
半世紀以上前の写真は 満年齢6歳の昭和30年のものと

思われます。

大切にしまわれていたのか 虫の穴1つありません。

このころは戦後の復興もめざましく まもなく高度成長期に入ろう

とする時代でありました。

当時の田舎のどの家庭も まだまだ生活に余裕のなかったときですが

楽ではない家計の中から 両親は子供の成長にあわせ 節目々々には

ちゃんと写真館へいき 家族の肖像を残してくれております。

もう1枚の御所車の着物は 袖の長さも同じで 長じゅばんかな?

とも思いましたが 洋裁の先生に見ていただくと これも上に着る

振袖ですよ とのことでした。

しかしこちらを着た記憶がなく また写真も残っておりません。

両親と写真に収まった振袖は さすがに解こうとは思いませんが

御所車の方は解いて 今度縫うチョッキの裏にしよう と思います。

もしも私が今 演歌歌手の大御所か 有名女優 はたまた売れっ子作家

なぞになっておったとしましょう。

するとこの2枚の着物は 〇〇先生の 七五三のときの晴れ着ですよ

と雑誌に載ることでありましょうが 両親の期待を裏切り ごく普通の

口やかましいおばさんになった今 この着物は洋裁教室の

教材になる運命であります。

                       

                      
          

コメント (6)
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