褒めまくる映画伝道師のブログ

映画の記事がメイン。自己基準で良かった映画ばかり紹介します。とにかく褒めることがコンセプトです。

映画 ドッグヴィル(2003) 映画の奥深さを改めて知る

2009年10月25日 | 映画(た行)
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 僕はまだ30歳代後半だけれど、ヨーロッパ映画となるとフランス映画なら1930年代の映画が好きだねその頃のフランス映画を観ると、人間の喜怒哀楽が描かれていて、人生の奥深さを感じる
 イタリア映画なら1950年代に良い作品が多いねこの時代のフェデリコ・フェリーニの映画には胸が詰まる他にもピエトロ・ジェルミ鉄道員刑事の2作品には貧しいイタリアの市民の悲哀が描かれていて、感動する映画が多い
 自転車泥棒なんかは、まさに戦後イタリア人の姿が描かれた名作だと思うし、日本人にも同じ第二次世界大戦の敗戦国として共通する姿がイタリアの1950年代の映画に描かれているのが好きな理由かな

 最近はデンマーク映画を見る機会が増えてきた20年ぐらい前に実はデンマーク映画でバベットの晩餐会という映画を観た事があるけれど、お年寄りの作る料理番組みたいだったけれど見終わった後、非常に心地良い映画だった
 そして最近も観たのだが、ペレという映画があった僕はこの映画は今まで観た映画の中でも最高傑作の一つに挙げられる
 スウェーデン移民のデンマークでの生活における差別、いじめ等が描かれているが、厳しい大自然を舞台に力強く生きていく、少年ペレの成長を描いていた監督はビレ・アウグスト
 実は彼は今ではハリウッドに本拠地を移しているそんな彼がハリウッドで監督した映画で愛と精霊の家レ・ミゼラブル、そしてまだ最近の映画だがマンデラの名もなき看守の3作品を観ている
 実は3作品とも僕は大好きなのだが、『愛と精霊の家』はスケールの大きい大河ドラマだったのだが、どうやら不当に評価が低いみたいだこの映画は実際に映画館で観たけれど2週間で打ち切り
 あまりにも早く終わりそうなので慌てて観に行った記憶があるしかし、どうやらこの映画のDVDすら出ていないみたいだもう一回観たい映画だね
 しかし、今やデンマーク映画に、凄い鬼才が現れたその名はラース・フォン・トリアー実は最近この監督の映画をたて続けに観ている
 海の奇跡ダンサー・イン・ザ・ダーク実はこの二つの映画はデンマーク映画における映画の法則みたいなドグマ55というのがあるけれど、まさにドグマ55を適用した前述した2作品はまさにこの監督の凄さを感じるし、このようなドグマ55を用いて映画を作れる監督は世界に殆どいないと言って良いだろう
 そして、今回のドッグヴィルだが、実は物凄い衝撃を僕に与えてくれた作品だ
 最近、息子のまなざしと言うベルギーのダルデンヌ兄弟の映画にも衝撃を受けたが、今回紹介するドッグヴィルは、もっと衝撃を受けた完全なドグマ55を無視して作った映画だけれど、完全にドグマ55を無視して作ったら、こんなヘンテコリンな映画が出来上がってしまった
 実はこの映画の冒頭のシーンからヘンテコリンな意味がわかる
 舞台は映画のタイトルにもなっているドッグヴィルという小さな村が舞台なのだが、実はこのドッグビルの村全体を上空(?)からのカメラで撮っている(どんなけ小さい村やね
 そして、実はドッグヴィルで生活している人がすべて上空(?)からのカメラで撮られている(家に屋根は無いんか)(屋根どころかこの映画のセットでは家にドアがありません、しかも壁の類も無い)
 
 そして、驚くべき事が床に白い線を引いて、家の枠や道の名前が書かれているだけセットには驚く山を登っていくシーンがあるけれど、その山が手作りの舞台で使われる山を想像してもらえれば良いだろう
 正直、この映画の冒頭シーンだけを観てヤバイと思ったね
 こんな映画があって良いのかと思ったよまさに映画を侮辱したようなこのセットには腹が立ったねしかも、この映画は3時間の長い映画

下記の画像が映画のワンシーン(この映画のセットがちょっとはわかるかな?)      

 それでは僕のこの映画のストーリー及び感想を述べよう

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 ドッグヴィルという閉鎖的な村があるそこに将来作家を夢見るトム(ポール・ベタニー)という青年がいるが、彼はこのドッグヴィルという閉鎖的な村に対して、もっと開放的な、そして道徳がいきわたった村にしようと考えている
 ある時、このドッグヴィルにグレース(ニコール・キッドマン)という、美女がやって来た何かから逃げてきたようだ
 ところが、このドッグヴィルにギャングがやって来た
 ギャングのボス(ジェームズ・カーン)はグレース(キッドマン)を追いかけてこのドッグヴィルにやって来た
 トム(ベタニー)はグレース(キッドマン)を洞穴に隠して、ギャングを追い払う事に成功する
 そしたら今度は警察がやって来たグレース(キッドマン)と言う女性が行方不明だと言う

 そして、ドッグヴィルの住民はこの謎めいたグレース(キッドマン)をドッグヴィルに留めて置くことに不安を感じているが、グレース(キッドマン)に恋心を持ち始めたトム(ベタニー)は、グレース(キッドマン)に対して住民達の仕事を手伝う事を条件にこのドッグヴィルに泊めることにする

 グレース(キッドマン)は献身的なまでにドッグヴィルの住民たちに対して手伝いを行うまた、グレース(キッドマン)も今まで働いた事が無く一生懸命に働くことに対して喜びを見出す

 しかし、ドッグヴィルの住民たちはグレース(キッドマン)に対して本性を向き出しにして来た彼女に対して、執拗な嫌がらせを開始する
 その嫌がらせを見たトム(ベタニー)はグレース(キッドマン)に対して、この村から逃げる事を提案する
 またグレース(キッドマン)もドッグヴィルの住民達の嫌がらせに我慢が出来なくなったグレース(キッドマン)は、ドッグヴィルから逃げる事を決心するが、村ぐるみの作戦でグレース(キッドマン)はドッグヴィルから逃げる事が出来なかった
 
 グレース(キッドマン)は鎖に繋がれたままの状態になるが、ついにまたギャングがやって来た
 ドッグヴィルの住人たちはグレース(キッドマン)を、喜んで差し出すが・・・意外な展開を見せる続きは映画を観てください

 流石はラース・フォン・トリアーだね
 人間の本性を描いた作品で、この映画を観ているうちに、最初はヘンテコリンだと思って観ていたのが、いつの間にかストーリーに引き込まれてしまった
 そして、最後の結末は意外だったねネタ晴らしは出来ないのが残念だけれど、グレース(キッドマン)の正体と良い、この監督らしくない結末に吃驚した前述した彼の映画、海の奇跡ダンサー・イン・ザ・ダークは、悲惨な映画だったけれど、この映画も悲惨な結末を期待したけれど、ちょっと良い意味でも、悪い意味でも想像していた結末と違った

 実は僕には面白かったけれど、あんまりお勧めの映画とは言い難いしかし、このような映画もあるということでは必見かなそれにしても、映画というのは色々な表現方法が可能だという事がわかるけれど、このような映画はあんまり流行って欲しくないね
 
 ちょっとこの映画のストーリーを語る前にヨーロッパ映画の事で前置きが長くなったけれど、実はヨーロッパ映画通信という、主にヨーロッパ映画の良さを伝えてくれるマッコイさんのブログがあります
 僕も度々ヨーロッパ映画の良さを伝えたいため、ブログの記事にヨーロッパ映画の記事をよく載せています
 それで今回は冒頭でヨーロッパ映画のことに少し文章を割きました
 しかし、ヨーロッパ映画にも、スペイン、ドイツなどにも良い映画がありますそして、今回紹介したデンマーク映画、僕は観た事が無いのですが、マッコイさんのヨーロッパ映画通信を観ていただくとフィンランドの映画にも注目ですね
 しかし、そんなヨーロッパ映画の中でもラース・フォン・トリアー監督は鬼才中の鬼才ですけれどね

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映画 鏡(1975) アンドレイ・タルコフスキーの自伝的映画みたいだけれど

2009年10月25日 | 映画(か行)
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 僕が初めてアンドレイ・タルコフスキー監督の作品を観たのが、実はこのという映画
 もう20年前ぐらいに観ているけれど、実は全く理解出来ませんでした過去や現実や夢の中の話が交錯していて、全く何が現実で何が過去で夢の中なのか、区別がつかない
 
 この映画を観たのが恐らく19歳か20歳ぐらいだったけれど、正直アンドレイ・タルコフスキー監督作品は僕にはわからないと思ったね
 その頃惑星ソラリスを、観たけれどこの映画が面白かったからねそして、ノスタルジアを観たけれどこの映画がまた、理解出来ない映画だった
 しかし、最近にノスタルジアを2回ほど観たけれど、今では僕のアンドレイ・タルコフスキーに対する評価はガラリと一変した
 今ではノスタルジアは、僕がこれまで観た映画の中でも最高傑作の一つになったよ
 それとストーカーという映画もまさに人類の心の救済を描いた作品で、彼の映画はストーリー性もそうだけれど、映像美に圧倒されるね
 まさに彼の映画を何本か観ていると、彼が映像の詩人と言われることがよくわかる
 そして、今観た僕のに対する評価は

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 やっぱり難解な映画ですしかし、最初観たときのような過去や現在が交錯した映像表現にパニックになる事はなかった
 すっかり忘れていたけれど、実はこの映画には時々旧ロシア(ソ連)の現代史が盛り込まれていたのはすっかり忘れていた
 例えば、ヒットラーの死体や、日本の広島、長崎における原子爆弾によるキノコ状に盛り上がる雲、そして中ソ国境戦争のシーン等が断片的に挿入されている
 実はタルコフスキー監督にとって、旧ロシア(ソ連)時代の歴史の変換点における印象的な画像を入れているのだと思う

 映画は主人公を通して母との思い出、そして母と似ている妻との思い出が描かれているそこに描かれているのは、主人公をタルコフスキー自身と言って良いのではないか
 そんな母に対する迷惑をかけた思い出、そして自分の妻にも同じように迷惑を掛けている事をのように対になっている事に気付く
 そして妻との間の息子のイグナートという人物が出てくるが、実はこのイグナートにも自分自身を反映しているところにものように対になっている

 そんな、母、妻、息子との出来事を描くことによって、冷静にソ連の歴史を客観的な立場で観ているアンドレイ・タルコフスキーの母国ソ連に対する批判的な面を表している
 
 あんまりこの映画のストーリーを細かく語っても意味が無いねカラーやモノクロを取り入れたタルコフスキーならではの映像、家が燃えるシーン、犬がいきなり現れるシーンなど、そしてこの映画でも雨が降りまくっています、そして彼の映画を難解にしている理由の意味のわからない長い台詞のシーン(難解だと思っているのは僕だけかな?)

 正直無理してまでアンドレイ・タルコフスキーの映画をお勧めする事はしませんが、彼の映像表現は本当に素晴らしいと思います
 彼の映画でサクリファイスという映画は、未見ですが是非見たい作品
 どこかで観る事が出来ないかな
 そして、彼の映画を映画館で観たいですね

 今、アンドレイ・タルコフスキーのような映画を撮る映画監督はいるのかな
 残念ながら居たとしても、意味不明の映画と言う事で片付けられてしまいそうですね

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