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よく手錠で繋がれた二人の人間が逃げるというストーリーは映画の中ではよくある例えば、ノー・マーシィ/非情の愛という映画もあったが、これは男と女が手錠で繋がれた刑事と犯罪組織の女が徐々に愛が芽生えていく話
しかし、今回紹介する手錠のままの脱獄は白人と黒人が手錠で繋がれ、お互いを憎悪しながら仕方なく協力しあう
この映画は1958年にアメリカで製作されたから、今みたいに黒人の大統領が生まれる時代に作られるのとは、わけが違う
1958年といえば、まだアメリカでは公民権運動の真っ最中であり、実際に公民権法によって、人種差別(法的にだが)が撤廃されたのは1964年の事である
まさにこの映画は命懸けで作られた映画だと言っていいのかもしれないちなみに監督はスタンリー・クレイマー
彼は招かれざる客でも、黒人に対する偏見をテーマにした映画を撮っているそういう意味では社会派映画の一流監督だと言って良いだろう
それでは映画のストーリーを紹介しよう
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真夜中に囚人護送車が転落してしまった死人は出なかったが、手錠で繋がれた二人が脱走した
一人は白人のジャクソン(トニー・カーティス)、もう一人は黒人のカレン(シドニー・ポワチエ)
そんな二人はお互いの手首を50センチぐらいの長さの鎖で手錠をかけられていた
しかし、二人はお互いに持っている人種偏見からたびたび反発しあう白人のジャクソン(カーティス)は友達がいる南へ行こうとするが、黒人のカレン(ポワチエ)は南へ行くと殺される(アメリカ南部は黒人に対する差別が強い)ということで、結局は二人は北へ向かう
しかし、時を置かずして地元の警察や民間人が導入されて、二人の脱走者を捕まえるべく動き出していたしかも、ドーベルマンを伴っての追跡だ
ジャクソン(カーティス)とカレン(ポワチエ)は反発しあいながらも、鎖に繋がれていたのではお互いに逃げ延びるのに協力しなければならない
二人で川に流されたり、滑りやすい粘土状の大きな穴に二人で飛び込んで追っ手からの目を逃れたりしていた
そして、ついにある村に辿り着く二人は、その村が静かになるのを待って、店に食料を奪うために侵入しようとしたその時にジャクソン(カーティス)は手首を負傷してしまう
しかし侵入は失敗して二人はリンチに遭いそうになるが、大男が二人を機転を利かして助けてくれた実はその大男の手首には、手錠の跡が付いていた
二人は逃亡を続けるが、次第にお互いに対する憎悪が募ってきたついに二人は殴り合いをしてしまうが、その時二人にライフルが向けられた
ライフルを持っていたのは少年だったカレン(ポワチエ)は少年から銃を奪い、少年の住む家に連れて行かせた
少年は母親と二人暮らしで、父親は半年前ぐらいに出て行ってしまったようやく、二人を繋げていた手錠を切ることが出来た
その時ジャクソン(カーティス)は倒れてしまう彼は手を負傷した傷からばい菌が入っていた
ようやく、ジャクソン(カーティス)も目覚めるが、二人は逃亡によって腹が減っていたが、母親が何気に食事を白人のジャクソン(カーティス)にしか出さないシーンは黒人に対する偏見の表れだ
母親とジャクソン(カーティス)はお互いに惹かれるものがあったこの母親はいつか今住んでいる村を出たいと思っていたそして、母親はジャクソン(カーティス)と一緒に村を出ようとする
そして、その姿を見たカレン(ポワチエ)は一人で逃げる事を決意する母親はカレン(ポワチエ)に逃げる方向の道筋を教えてやる
カレン(ポワチエ)が、家を出て行った後に実はこの母親はカレン(ポワチエ)を底なし沼の方向へ道筋を教えていたのだった
それを聞いたジャクソン(カーティス)は母親と一緒に逃げるのを止めて、カレン(ポワチエ)を助けるために彼の後を追うしかしジャクソン(カーティス)は家を飛び出したときに母親の息子からライフルで撃たれる
ライフルで撃たれながらもジャクソン(カーティス)はカレン(ポワチエ)に追いついたしかし、ライフルの音によって追跡者たちも近くまで来ていた
ついにジャクソン(カーティス)とカレン(ポワチエ)は貨物列車に乗り込んで逃げようとするが・・・ラストシーンで憎悪という手錠で繋がれた二人が、友情に結ばれた事を暗示する、傷ついた白人のジャクソン(カーティス)に対して黒人霊歌を歌うカレン(ポワチエ)このラストシーンは感動的です
それにしても、この映画は何気ないシーンでも人種差別を暗示する場面がたくさん出て来る二人のやり取りに、今観ると何でも無い行動が当時は人種偏見につながるシーンであることに、不思議さを感じる
しかし、今のアメリカはというより、昔からかもしれないがアメリカ国家の人種偏見問題は黒人に限った事ではない
実は僕たち日本人に対しても偏見が向けられている今までが黒人差別の映画を作りすぎたのかもしれないが、ヒスパニック系、有色人種、昔から居るユダヤ系、イタリア系など他民族にたいする人種問題をテーマにした映画が作られている
ちょっと昔なら、クラッシュや、アメリカン・ヒストリーXがそうだし、最近ではクリント・イーストウッドのグラン・トリノでも描かれている
民族が違っても、同じ人間なのにどうしてここまで敵対心が生まれてくるのか己を愛するがごとく、汝の隣人を愛せよ
僕は仏教徒ですが、このイエス・キリストの言葉に世界中が耳を傾ける時代に入っていることを、改めて思います
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