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映画のジャンルの1つに
ロードムービーというのがある

2人の男、あるいは違うパターンの組み合わせで旅を続ける映画。
よくあるのが最初は仲が悪いが、やがて旅をしていくうちに仲間意識が出てくるというのがだいたいのパターン

例えば
スケアクロウという映画では1人は刑務所を出たばかりの喧嘩っ早い男と、精神薄弱の男がたまたま出会い、2人で旅を続けていくうちに仲がよくなっていく話

あるいは
レインマンでは、自分に兄がいる事を知らなかったのが、遺産金が兄に入る事を知った弟はびっくりするが兄は精神薄弱だがやたらと記憶力が良く、そんな兄を利用してお金を儲けようとする弟だったが、やがて弟も自分の浅ましい考えに気付く話

他にも男2人、女1人のパターンでは
ストレンジャー・パラダイスという飄々とした笑いを交えた映画があった

他にも
真夜中のカーボーイという名作もロード・ムービーと言っていいだろう

しかし、ロード・ムービーというのはだいたいにおいて、男2人の組み合わせの場合、強い男と弱い男が一緒に旅を続け、最初は弱い男が強い男の足を引っ張るが、実は強い男の方が弱い男に助けられていた

というのが大体のパターンだ

前術した『スケアクロウ』『レインマン』『真夜中のカーボーイ』の3作品とも実は強がっている男の方が、弱い方の立場の男を必要としていたことに最後は気付くパターンだ

今回紹介する
パリ、テキサスは、ちょっと前述した作品とは趣が違う

家族の絆、親の子供に対する想いを描いた名作だと思う

実は僕はこの映画を観るのは2回目

ほとんど内容は忘れていたけれど、最後の
ナスターシャ・キンスキーが出てくる場面は感動的だったのは覚えているが、よく考えたら題名の意味は何だったけ

と思っていたら、改めて今回観たら途中で急にあらゆるシーンを思い出した

観る前はすっかり殆どのシーンを忘れていたのが突然思い出す事ってあるんだね

ちなみに監督は
ベルリン・天使の詩の
ヴィム・ヴェンダース
僕はあんまり彼の映画を観ていない

だけど、
ベルリン・天使の詩と良い、今回紹介する
パリ、テキサスと良い、本当に感動させる映画を作る監督でしかも映画愛に溢れている

僕が映画に興味を持った頃にはまだ新進気鋭の若手映画監督だったけれど、今や巨匠的存在の監督になってしまった

今年はもっと彼の映画を観ないといけないね

それでは
パリ、テキサスを紹介しよう
テキサス州の荒涼たる砂漠を小汚い男が歩いていた

彼は店に辿り着き水を飲むが、その場でぶっ倒れてしまう

病院に連れて行かれるが彼はまるで記憶喪失の如く、何もしゃべらない

しかし、彼の身元が判明した

実は彼にはウォルト(
ディーン・ストックウェル)という弟がいて、ウォルト(ストックウェル)は
ロサンゼルスに住んでいた

このウォルト(ストックウェル)の兄の名前はトラヴィス(
ハリー・ディーン・スタントン)と言う名前だ

しかし、兄のトラヴィス(スタントン)の所在を聞いて弟のウォルト(スタントン)は驚いた

ウォルト(ストックウェル)は4年間、兄のトラヴィス(スタントン)とは出会っていなかったので既に死んだと思っていたのである

そしてウォルト(ストックウェル)にはアン(
オーロール・クレマン)という妻がいて、ハンター(ハンター・カーソン)という息子同然の8歳の子供の3人で暮らしていたが、実はハンター(カーソン)は兄のトラヴィス(スタントン)の息子だったのだ

ハンター(カーソン)は4年前にウォルト(ストックウェル)の家の前に置き去りにされていたので、そのまま面倒をみているうちに息子同然になってしまっていた

ウォルト(ストックウェル)はロサンゼルスから兄のトラヴィス(スタントン)を迎えに行く

そこで見た兄のトラヴィス(スタントン)は以前の彼とは別人で何も話そうとしなかった

しかし、やがてトラヴィス(スタントン)は弟のウォルト(ストックウェル)に話しかけてきた

トラヴィス(スタントン)は一枚の写真を弟に見せた

それは砂漠の景色で、旗が立っているだけの場所だったが、その場所は父と母が愛し合った場所だと言う

その場所は
パリ・・・みんなが思うパリとは・・・?で、実はトラヴィス(スタントン)はそこに向かっていた
やがてロサンゼルスのウォルト(ストックウェル)の家に着く

そこでトラヴィス(スタントン)は弟の妻のアン(クレマン)と再会を喜び、また実の息子のハリー(カーソン)とも会うが、久しぶりに出会う実の親子同士だがお互いに気まずい雰囲気が流れていた

そんな中でトラヴィス(スタントン)とハリー(カーソン)は、なかなか打ち解けることが出来なかったが、ウォルト(ストックウェル)は昔の撮った8mmビデオをみんなで見ることを提案する

その8mmビデオにはトラヴィス(スタントン)と彼の妻のジェーン(
ナスターシャ・キンスキー)そしてまだ赤ん坊同然のハリー(カーソン)、そしてウォルト(ストックウェル)とアン(クレマン)達が楽しそうにしているのが写っていた

その8mmビデオを見たトラヴィス(スタントン)は涙を流し、ハリー(カーソン)もそんなトラヴィス(スタントン)を見て、彼に次第に親近感がわいてくる

しかしアン(クレマン)は実の息子同然に育てていたハリー(カーソン)が、いずれトラヴィス(スタントン)に連れて行かれるのではないかと心配していた

しかし、夫のウォルト(ストックウェル)は実の息子と実の父親が一緒になるのは仕方の無いことだと考えていた
ある日アン(クレマン)は重要な事をトラヴィス(スタントン)に知らせる

実は数年前までアン(クレマン)はジェーン(キンスキー)と電話で連絡を取り合っていた事を告げる

そして、最近はジェーン(キンスキー)から連絡が来なくなったが、毎月ジェーン(キンスキー)からハリー(カーソン)の養育費が振り込まれてくる事を話す

そして、その振り込まれる場所が
ヒューストンからだということをトラヴィス(スタントン)は知らされる
その事を聞いたトラヴィス(スタントン)は中古の車

を買って、ジェーン(キンスキー)を探しにヒューストンへ向かおうとする

その時に息子のハリー(カーソン)も一緒に行くと言ってきたので、2人一緒にヒューストンへ向かう
ヒューストンでジェーン(キンスキー)を見つけたトラヴィス(スタントン)だったが、彼女の姿にショックを覚え、そして観客はどうしてトラヴィス(スタントン)とジェーン(キンスキー)が、別れることになってしまったか4年前に起こった衝撃の事実を知る事になるのだが・・・続きは映画を観て下さい
荒涼たる砂漠を捉えるカメラと
ライ・クーダの奏でる哀しいギターの音楽

が一体化しているのは素晴らしいね

ストーリーは行方不明の4年間の間トラヴィス(スタントン)は何をしていたのかという疑問に引き込まれ、また家族の優しさが描かれたこの映画には感動せざるを得ないね
そしてクライマックスで見せるトラヴィス(スタントン)とジェーン(キンスキー)の会話のシーンは、ここでは多くを語らないけれど映画史に残る名シーンだと言って良いだろう

このシーンを観て、眠っていた僕の記憶が思わず蘇ったからね

思い出すのが遅すぎるぐらいだったが

そしてラストシーンでトラヴィス(スタントン)は自分の原点である
パリにやっぱり向かっていくのかな
ちなみに題名の
パリ、テキサスの意味は、映画を観てください

ここでネタ晴らしはしたくないです
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