枇杷の葉なし

枇杷の生育や、葉・花芽・種のことを日々の生活のなかで書いていく。

昔の行事

2017年11月21日 | Weblog

 祖母が居て、両親の健在な頃、朝起きると焚き火をしてくれた。山茶花の花の咲く庭で、寒がりの孫のために、身体を温もらせてくれた。学校は、坂道の下にあり、毎朝駆けて行く。貧しかった暮らしでは、手足は皸、加えて霜焼けの有様。

 学校に着くと、石炭のストーブがあり、先生が焚いてくれたり、上級生が焚きつける。それまでは寒さは変らず、校庭での遊びで、おしくらまんじゅうをやっていた。冬の北風の吹く中を、無心に遊んでいたものだ。教室に入れば居眠りがして。

 家の庭には、下敷きをした上に筵が並んで、祖母と母は刈り込んだ籾を干す。何度もさぐり、広げて乾かす。雀が狙い、猫が番をし、雨に時雨られて、やっと籾摺りが出来る。手間隙掛けて収穫し、ほんの僅かな食い扶持を、1年分の収入に。

 農事と言えば聞こえはいいが、天気に左右され、1年中が慌ただしい。大人の採算などよりも、お腹一杯食べたかった。贅沢をしたいのではないが、貧しいことが辛かった。でも、今となっては懐かしい。祖母の居た、両親の元気な頃に心は翔。

 故里の山々は、見る影もなく荒れ果て、猪が鹿が、庭まで出没している。朽ちていく家の侘びしさに、涙が溢れ霞む。時代が違うといえばそれまでだが、何故今は懐かしいのか。今度産まれてくるのも、あの家族がいいなんて不思議だなぁ。

 急激な冷え込みに、厚着をすれば、勤務先で汗をかくので、止む無くストーブを点ける。暖房も時にはいいが、体調不良の原因にもなる。毎日を規則正しい生活習慣での過ごし方を続ける。小さなことではあるが、自分で決めての実行のみ。

 すばるの寒がりに、何をしているのかと観察すれば、何と出窓のカーテンを、寝床の所だけ開けて、陽射しが入り込むようにしている。賢い。そうかと思えば、何処でも好いから、というようにテーブルに上がりこむ。其処は駄目って言ったでしょ。

 今朝は、箱の大きめなのにシーツを敷き、毛布を入れて遣る。然も、シーツには湯たんぽを包んでいるのに、押入れに入ろうと試みている。暗いところが好いのか、陽射しが暖かそうにも思えるが、猫の気紛れでもある。帰宅後が予想されるが。

 暖かな光に、春を待って芽吹く木々。どんな物にも命が宿り、啓蟄をたのしみに出てくる。彼岸も近い。

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