市内まで、行ってこなければならない用事があって、友人と待ち合わせ、電車で出かけた。目的の場所に着いたはいいが、上は休診日であった。応対した店員さんが顔馴染みだったのが幸いで、事無きを得たが、すっかり忘れていたことに面食らった。
家と仕事場を往復するだけでは、物忘れが酷くなるのだろうか。最近は、好みの関係で、嫌いなことは極力忘れている。市内に着くまでに、線路の両脇にある枇杷葉に眼がいく。どの木にも、花がたくさんついて、満開である。梅も見事に咲いていた。
百貨店に下見に行き、品物と価格を調べる。なるほど、金額に見合う品物だ。と、妙に感心すること仕切り。意外と、綿毛布は安い。それでも普段使いにしては上質で、手触りの違いがわかる。自分にはもったいないが、贈り物にはいいかな。
地価に下りて、昼食を摂る。間口は狭いが、美味しいカレー屋さんに寄る。野菜カレーを注文する。ご飯は少なめにしてもらう。オクラ・トマト・茄子・じゃが芋・玉葱・ピーマンが入っていた。四季のない野菜だが、個人の好みでは売れないらしい。
孫等には、苺大福を買う。片手くらいの大きさだ。駅に向かいつつ、ふと本屋に寄りたくなり、友人に問うとOKが出た。ところが、一寸の間に、本屋が消えていた。潰れたのだ。もお、がっかりである。駅の上にある本屋は無事で、そこに行った。
平積みの方に気づかず、棚の方ばかり探していた。新潮文庫で、レ・ミゼラブルがあったが、1・2がなかった。図書館で借りた期限は迫るし、注文して取り寄せてもらうことに。訳者は、佐藤朔氏である。文庫と言えど、こちらは活字が大きい。読み易い。
孫の迎えに行き、母親が連れに来るのを待つ。なんだかんだとあちこちし、多少の疲労を感じる。出不精には市内に出かけるのさえ、億劫になることも。その後、生協が来て、後は読書三昧にする。息子等が、バレンタインのお返しをくれた。
何と、銀河の縫いぐるみ。真っ黒の猫である。銀河の表情からは、ちと違うが、これは何処にも行かないか。まあ、嫁と孫等が探して来てくれたんだ。団地では生き物が飼えないからね。その思いやりがうれしい。銀河は、何時も居るけどね。
月の姿に、魅せられる。満ちたり、欠けたりしながら、地球の衛星として回る。生命誕生の秘密を握り、弛まないその面差しを向け、淡い光を注ぐのだ。