日々のあれこれ

現在は仕事に関わること以外の日々の「あれこれ」を綴っております♪
ここ数年は 主に楽器演奏🎹🎻🎸と読書📚

第四章: 逆襲?それとも愛?

2008-03-05 23:20:23 | Weblog

事件発生から一夜明けた水曜日。

お昼になった。

しかし、本社から社員は降りて来ない。

1時を過ぎても。

2時を回っても。

唯一、真下副店長だけが、カップラーメンの辺りをうろついていた。

「今日、暇ね。死にかかった年寄りばかり来てる・・・って、川石さんが言ってたよ!

矢木さんは、ひっそりとした店内を見回しながら言った。

「今日、2階の事務所、あいてますよね・・・?

それよりも、恩田すみれが気になるのは、昨日まで、あんなに

たくさんの本社社員がカップラーメンを買いに来ていたのに、この日は誰一人、降りて来ないことだ。

皆、惣菜の弁当オンリーにするのか、或は、矢木さんのカップで味噌汁食べてみよーに鞍替えしたのか・・・?

突然、なんで!?

不気味なほど、本社の人間にカップラーメンは避けられているようだ。

しかも、突然!

店内で見かけた本社社員といえば、バレンタインデーに備えて売り場作りをしている真下副店長の側で、きゃぴきゃぴ三人娘が

「きゃ~これ、きゃわいい~っ!

「このチョコも、きゃわいい~!

と足が地についていない様子で騒いでいたくらい。

 

まあ、いい。

この日は、乾物の発注日。

忘れてはならない大事な任務がある。

坦々麺をゲットせねば。

しかも、狸部長を満足させるだけの在庫を。

ふりかけ海苔類からスタートした発注は、順調に進み、

いよいよ、その時が来た。

カップラーメンの棚だ。

サッポロ一番カップスターを発注した後に続くのは・・・。

坦々麺!

いつもなら、2ケース。

多くて3ケース。

今ある在庫は3ケース。

いつもなら、発注ゼロでも間に合う在庫だが、

今回は5ケース発注したのだ。

5ケース!!

本当は、10ケース発注して、エンドに(広告チラシや特価商品を出すところ!)

で~ん!と荷出ししたいところだ。

しかし、それは、あまりに無謀なので、

今回は、店長の提案(・・・といっても冗談っぽかったが) を採用し、

フェイスを広げることにしたのだ!

今現在は、上から二段目の狭いところに坦々麺は、並べられている。

この棚を作ったのは、取引先だ。

私は荷出ししながら、

発注しながら、

頭の中は、坦々麺を何処に出すか!?で、いっぱいになっていたのだった。

一番、目立つところ!

しかも、広いスペース!

室井課長の目線真っ直ぐに坦々麺を並べるべきである。

すべては、坦々麺をこよなく愛する室井課長と、

狸部長の為なのだ!

なんと、本社社員思いの愛にあふれた乾物担当、恩田すみれ!

「決~め~た!

ここしかない・・・だろう。

カップラーメンの棚のど真ん中。

しかも、一番上で、広~いスペース 

ここに・・・。

まさしく、この場所に・・・。

ひな壇のように、並べるのだ!

坦々麺を!

赤いパッケージの坦々麺には、おひな祭りが良く似合う。

一段高いところから現場を眺める本社様には、

ひな壇こそ、似つかわしいではないか!

 

そして、店長に頼んでスペシャルポップを作ってもらうのだ!

「本社の狸部長お気に入り

坦々麺、只今、大量入荷!!!」

 

室井課長と狸部長ー。

・・・・?」

まず、あいた口がふさがらず、

「・・・・

次に、どう反応してよいか分からず、

「・・・・

最後は、あまりに上司思い、本社社員思いの担当者の

深い愛

涙することでありましょう!

嗚呼・・・

絶句!

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第三章:青島店長、大人な対応

2008-03-05 01:16:19 | Weblog

「恩田さ~ん!

青島店長は、にこにこと、今にもスキップし出すんじゃないかと

思われるほど、陽気な感じで、補充中の私・・・恩田すみれの側までやって来た。

「あのねえ、これ・・・」

坦々麺の前で止まった青島店長が何か言おうとしているのを

さえぎり、私は坦々麺を一つバガッツ!!と掴むと、

店長の前に差し出した。

 これ・・・でしょ!?」

青島店長は、一歩後ずさり、

「あっ・・・・ もしかして、聞こえてた??

「はい。しっかりと!!聞こえてました!」

「・・・・・

お店の中央で、あんなに大声で叫ばれたら、

誰にだって聞こうと思わなくても、聞こえてしまう。

お客さまも、

「へえ~、この店、人気商品をしょっちゅう品切れさせてるんだあ」

と、思っただろう。

社員があんなことを店の中央で選挙カーのごとく、

堂々と叫んでいると、

お客様への印象も良くない。

室井課長には、

「君、明日から早速、市長選挙の 宣伝カー に乗りなさい!」

と助言してあげたいくらいだ。

とあるスーパーが推している、あの人の右腕になるべきである。

 

さて・・・。

坦々麺で いっぱいになった棚を眺めながら、笑顔の青島店長に、

私は言った。

 

「さっき、二人に聞いてみたんですけど、

二人共、これが欠品してるの、見たこと無いって・・・。

私が担当になってから半年ですが、一度だけ、ありました。

でも、しょっちゅう・・・じゃ、ありません!

半年に一度の頻度を しょっちゅうって、

言うんですか!?

・・・と、私が言った次の瞬間、

 

 (^0^)(^0^)(^0^)ぎゃはははは~~~~~っ!!!」

 

・・・・?? 」

(えっ・・・!?!?)

 

なっ・・・なんと、青島店長は、たちの悪い、笑い薬を飲まされたんじゃないか!?と、疑いたくなるほど、げらげらと、笑い転げた。

笑いが収まらない様子の店長に、私はいった。

「あんな言い方、ひどすぎます・・・

私は もはや、泣いているのか、怒っているのか分からない状態になった。

「うんうん・・・。バックに在庫はあっても、たまたま補充してなかったって事だと思うよ」

店長が言うことは、思い当たる。

「あっ、それは有り得ます。今朝も、どんべえ肉うどんが棚には一つも無かったし・・・。在庫はバックに5ケースもあるのに・・・」

御店の営業時間は長い。

しかし、スタッフは一日中、店に居るわけではない。

半日も空けば、動きが早いカップラーメンの棚は、穴だらけになるし、

休みが一日はいれば、棚はカラっぽだ。補充しなければ!

 

いろんなこと、言う人が居るからね。

あんまり、気にしなくていいよ。

いちいち気にしてたら、やっていけんよ。

 

 店長は、(笑いながら!!)そういって私を慰めると、

あらためて、坦々麺の棚を眺めた。

「フェイス (定番商品の棚の広さを) 広げとってやろうかねえ・・・

店長は、今、尚、笑いが収まらない様子で、

再び可笑しそうに笑い出した。

結局、笑いながらバックへ去って行ったのである!

 

店長が あんなに声を出して、げらげらと笑い転げるなんて・・・。

初めて見た!

 

それにしても・・・。

半年に一度の頻度しょっちゅうって言うんですか!?」

とは、店長に向って、よくも堂々と言えたものである。

ここは、日本の職場なのに・・・。

 

しょっちゅう、というのは、せめて、風呂好きの日本人が

銭湯か温泉へ行くほどの頻度の事を言ってほしいものだ。

(ちなみに私は月に一度だ)

或は、免許取り立てドライバーが一度で車庫入れを成功させる確率とか。

 

真下副店長が言うように、

日本で普通に日常生活を送っていて、

「あっ!だっ!!」

又は、オーストラリアで

「あっ!カンガルーだ!」

と、馬やカンガルーをお見かけするほどの頻度の事を

しょっちゅう・・・と定義するのは、お願いだから、

やめて!

ちなみに、いくら、カンガルーの国、オーストラリアでも、

街中で お見かけすることは、さすがにありません。

田舎への一本道を車で走っていると、

時々、交通事故であの世へ行ってしまったカンガルーをお見かけする程度。こうした遠出ドライブは、私の場合、半年に一度だけだった。

もう、お分かり頂けただろうか。

 

この頻度は、やはり、しょっちゅうとは言わないのである。

 

店長は、大人の対応をした。

「フェイスを広げて・・・」

これも、冗談だろう。

しかし、私は このままでは気がすまない。

フェイスをただ、広げたくらいでは・・・。

その時、あるグッドアイデアが浮かんだ。

そうだっ! これしか、ない!

ふっふっふ・・・・。

店長のゲラゲラ笑いとは対照的に、

不気味な笑みを浮かべる恩田すみれだった・・・。

 

続く・・・。

 

 

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