ひな祭り。
女の子の日だ。
とあるスーパーでは、バレンタインの翌日から主役の座を射止めてきた。
・・・・にしては、いまいち盛り上がりに欠ける気がするのは、気のせいだろうか??
雛祭りにちなんで、我がスーパーで力を入れているのは、
まず、なんといっても雛あられ!白酒、甘酒、桜餅、イチゴ。
何故、イチゴなのか!?
単純に、青果も、ひな祭り商戦に加わりたいからである。
惣菜コーナーは、今回、雛ちらしを目玉にしているし、節分には鮮魚が大活躍した。
毎回のイベントに豊富な目玉商品があるのは、グロッサリー。
今回も、おひな祭りには『ちらし寿司』とばかりに、
関連商品を揃えている。
その一方で・・・。
今日は『大根の日』、或は、『きゅうりの日』などが存在しない青果にとっては、ひな祭り商戦から多少、遅れをとっている。
ひな祭りに『イチゴ』を目玉に据えて何が悪い!とばかりに、
『あまおう』がズラリ
・・・と、並んだ。
これだけあれば、青果も一目置かれるだろう。
案の定、「何で、ひな祭りにイチゴなのかね??」
と、呟きながら、グロッサリースタッフも、お客様もイチゴを眺めている。
私も仕事を終えたあと、ぐるりとイチゴの周りを一周し、買い物かごに入れたのは、桜餅だった・・・。 (ごめんなさいね、青果さん)
ひな祭りに欠かせないのは、やはり桜餅って気がする。
二日前にも買ったのだが、美味しかったので、今日も買ってしまった。
さて・・・。昨日の話になるが・・・。
ひな祭りには、ちらし寿司!
そこで、当店では、
『ご飯にまぜるだけ』の『アナゴちらし』の宣伝販売があった。
お昼どき・・・。
マネキンおばちゃんは、なんと宣伝販売用に炊いた『アナゴちらし』をタッパに入れて、
只今、出勤してきたばかりの私に、とても熱心に、『サービスポイントセール』について説明中の副店長の元へ現れた。
「これ、どうぞ!」
「 はあ、どうも」
「皆さん、試食された方は、美味しいって言ってくれたんですよ! 副店長さんも、召し上がって 」
南副店長さんが召し上がっても、当然美味し~いザマスう!とばかりに、マネキンさんは、熱狂的にアプローチ。
「ありがとうございます。あの・・・タッパは、後で、お返ししますから・・・」
今から昼食休憩を取るのは、南副店長だけではない。
カトちゃんも・・・。
南副店長のすぐ、横にいるんですけど。
それに、副店長は、私に説明中だったのだが、私やカトちゃんの姿など、マネキンおばさまには、全く写っていないようだ。
ちらし寿司を副店長に、ルンルン気分で手渡したあと、マネキンおばさまは、ようやく去って行ったかと思ったら、バックから売り場への扉の前で、再び振り返った。
「あのお~、副店長さん! 魚は大丈夫ですか?」
「さ・・・さかな??」
「はあ~い。 それ、アナゴちらしなんですよん」
「ハイ、大丈夫です・・・」
副店長の お言葉に、一気に春が来たあ~という表情のマネキンおばさまであった。
イチゴちらし・・・ではなくて、アナゴちらし・・・ね・・・。
響きは、何処と無く似てるけれど、アナゴとイチゴじゃ、可愛さが・・・。
その後、カップラーメンの荷出しをしていると、
南副店長が、先ほどの『アナゴちらし』を手に持って、現れた。
売り場をキョロキョロしたあと、カップラーメンを一つ選び、私に言った。
「めし、行ってきます」
アナゴ寿司の味は??
帰りに副店長は、『ご飯とまぜるだけ アナゴちらし』を買って帰ったのだろうか!?
誰も知らない。
最後に副店長ファンのマネキンおばさまの一言を・・・。
( 副店長さん、アナゴちらし、美味しく食べてくれたかしら~
ルンルン)
マネキンさんの ひな祭り・・・春は近い!