今日はバレンタイン。
前日、高田さんが、
「高いチョコはいらないからね~。気を使わんでいいよ~」
と、言うので、
「はい。チロルチョコがお気に入り!と、おっしゃっていましたね!」
と、答えておいた。
その時点では、職場の人にチョコを・・・とは考えていなかったのだ。
というのも、梅子さんから聞いた話によると、数年前、女性スタッフ10人で
店長、副店長、チーフの男性3人にチョコをプレゼントしたらしいのだが、
ホワイトデーには、男性3人から女性10人へのお返しがきたそうで・・・。
「かえって気の毒だったね、もう、やめよう・・・」
という事に、なったらしいのだ。
貰ったはいいが、義理のお返しは大変という男性の本音も時々、耳にする。
そういうわけで、何もしない=思いやり?
と、勝手に決めていたのだが・・・。
高田さんの一言で、すずの心は決まった
チロルチョコ10個、コンビニで21円x10=210円・・・という超安い買い物をし、
職場へ向かった。
出勤後、バックで一番に会ったのは、南副店長だった。
「副店長、ハッピーバレンタイン
」
いつもよりは、チョットはニコッ(^0^)っとして、手渡したつもりだが・・・。
「あっ・・・・。
はっ
・・・・
ははははっ・・・はあ~っ
」
(最後は、ため息?)
なんだか七面鳥のように、くるくる変わる表情を一瞬の内に見せたかと思うと、力なく笑った・・・。
最後は引きつった笑顔?を向け、
サッと すばやくチロルをポケットへしまった。
ガーン!!!
昨夜は、雷、雨、落雷。まさしく嵐の夜だった。
今朝も、早朝は激しい雨と突風。
運よく、私が家を出た時は、こぶりになったので、無事、御店に到着。
まさか、店内で、電気ショックを受けるなんて・・・。
その直後、夜間君から昼間アルバイトに先日、昇格したばかりの新メンバー といっても、多分、私より、長いと思う
名前は・・・忘れた(今度、確認するね!)とにかく、男の子が横切った。彼に急いで手渡すと、副店長とは一転、
嬉しそうに、微笑んでくれた! あ~、良かった
そこで、気を取り直して、荷出しをしていると、売り場で高田さんに会った。
「あとで、お約束のチロルチョコ、あげますね」
高田さんは、笑いながら、ああ、ほんとう?と、返答したが、
どうやら、信じてない様子。
バックへ戻った隙を見て、手渡すと、
「ええっ
ホントに
わっはっはっ!さっきは、冗談かと思ったよ。懐かしいねえ~、チロルチョコ!
普段、食べること、ないからねえ」
ウケ狙いの私の思惑は、高田さんにはドンピシャ
だった。
そして、午後2時。
午後出勤の、つばめ君が、まず、バックへやってきた。
「こんにちは、お疲れ様です」
と、いつものように真面目に挨拶をする、つばめ君に、
「これ、バレンタインのチョコ!」
「あっ・・・ ありがとうございます!」
日頃は余り、表情に表さない つばめ君だが、今日は、ひときわ笑顔が
輝いていた。
いつもの45度の敬礼も、更にカッコよくキマッテいた。
続いて、西村チーフがやってきたが、挨拶のあと、プラットホームへ。
私も、そのあとを追いかけプラットホームへ行くと、
チョコ一つ、手渡した。
「これ、バレンタインのチョコです。
お返しがいらないように、チロルチョコ」
何故か、西村チーフにだけ、チロルを選んだ理由を述べた私・・・。
「 わあ~っ!
ありがとうございますっ
」
西村チーフの反応は、恐縮するほど、感動的だ。
ほんとうに嬉しそうに微笑んでくれたのだ。
西村チーフの背後には、ひまわりと、チューリップと、バラの花が見えた。
ついでに、いちごも!
まるで、このシーンは 純愛少女マンガの世界だ。
西村チーフの人柄の良さが一瞬で分かる一コマである。
チロルチョコ一つで、こんなに感激してくれる人は、そうそういないよ。
私がもし、恋する14歳の乙女?だったとしたら?
そして、このシーンを体験したら・・・?
きっと その場で卒倒したまま、二度と生き返らなかったかも。
西村チーフ、ほんの一瞬、少女マンガの主人公にしていただいて、
ありがとうございました!
キムタクよりカッコイイ西村チーフに、
お相手して頂けて、一生モンの貴重な体験が出来ました。
私・・・「 どうか、これを受け取って・・・くれますか?
」
西村チーフ・・・「チロルチョコ、ありがとう
」
う~ん。いいね~、自己満足だが。
まさか、とあるスーパーで、こんなロマンチックなバレンタインを体験できるなんて・・・
さすがの私も予測できなかった。
3時を回り、帰宅時間に。
今日、お休みのグロッサリーの男性陣には、どうやって渡すか?
実は私は明日、お休みなので、手渡せない。
私は退社時間を記入しながら、ホワイトボードを眺めていた。
そこには、スタッフ全員の名前が書かれた札が部門別に並んでいる。
出勤したら、この札を上にあげ、退社する前に下げる仕組みだ。
これを見れば、今、誰が出勤中なのか、分かるという訳。
とっても原始的。
相撲部屋にもある、力士の札を思い浮かべていただけたら、分かりやすいだろう。
私は、今日、お休みの 店長、カトちゃん、ハマグリ君、田園さん、
そして、出勤していたけど、手渡しそこなった川石さんの札に、
セロテープでチョコを貼り付けた。
こうして眺めていると、のれん のようだ。
グロッサリー男性陣の名前札から、ぶら下がる、チロルチョコ・・・。
明日の朝、これを見た人は、きっと目が点になるだろう。
「なんだ、こりゃ・・・」
明日は、副店長2号が続出する日。
とにかく、ハッピーバレンタイン