平成22年9月 靖国神社社頭に掲示された遺書
幸に御安心あれ
日頃鍛へし軍人精神の発揚に努め、
天晴れ帝国軍人として君国に身を捧げ、
決して一家一村の汚名をとるが如き、
卑怯の振舞なすまじく、
幸に御安心あれ。
上記の書信は九月二十四日父幸助氏の許に到着した。
翌二十五日早朝こそは上等兵が護国の鬼と化した日である。
(『満州事変忠勇美談』より)
上記に遺書の一部を転載させて戴きました。
「幸に御安心あれ。」 とは、本心は 残念です。こんな悲しい事は二度と繰り返してはなりません。
私達遺族は、悲惨な戦争の事実を語り継ぐ義務が有ると考えます。
遺族の悲しみが失せることはありません。
今号にも全国から鎮魂の歌が寄せられましたので、ご一読頂ければ幸いに存じます。
百歳の媼が過ぎし戦ひに三人の息子を死なせしと嘆く 角田市 女性
花散りて青葉ひしめく夕庭に吾の裡なるさくらは散らず 横手市 女性
ラバウルの原は戦時の飛行場草うねらせて熱き風吹く 富士吉田市 男性
南方の土に今なほ眠りつつふるさと思ふ若きわが父 青森県 女性
すかんぽや大根の葉を食したる今メタボなる我の児童期 南相馬市 男性
父眠るバシー海峡遠ければ母は迷はずゆけただらうか 出雲市 女性
かの難き戦ひの跡残る街魂鎮めむとユンタ踊れり 江南市 男性
梅雨に入るマニラ東に戦死せるレイハン河の水嵩は如何に 篠山市 男性
戦死せし兄の遺影に涙ぐむ姑みまかりて六十年余 和歌山県 女性
明日は会ふ摩文仁の丘に眠りたる戦友よ安らかに今宵眠れぬ 京都市 男性
夫の背を流すおもひに墓洗ふ六十五年の忌日も過ぎぬる 常滑市 女性
初めての洋上慰霊に参加せむ許可を待つ間も心はレイテへ 千葉市 私