汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 時代の風

2010年03月07日 | 初期中期の詩
愛情は滑稽な欲動に流される      
生存を賭けたろくでなしの抗争が
この世界を覆い尽くす
海に拡がった薬物汚染の哀しみ
律動する地球
精神に異常を来した愚民の
強固とも取れる殺戮の衝動

「全てを薙ぎ払え」

夕刻の時間に響くのは燦然とした
言葉による悲しみの調律
鳥達がまどろんでいる
明日への怒りが滾々と湧き出してくる

愛への逃げ口を絶たれ
苦悶の形相を奏でる人間の壮麗さ

幾時代の人々が紡ぎ上げた
バベルの塔の先端には
瀟洒なドレスを着た娼婦のどよめきと
浮浪者の酒に溺れた異臭の風が
吹き荒れていた

そして人間は眼を塞いだ
現実を受け止められない
可哀そうな子供のように
母親の姿を探しては
その場で泣き崩れる壮麗さよ


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みやすけの詩 軋轢

2010年03月07日 | 初期中期の詩
寂しさに見え隠れする様々な軋轢が
羨望に照らされた心情に淡い執着の惑いを浮かび上がらせる
良心的な妄想に、日々の暮らしの成り行きを眺め
路頭に彷徨う男の背中が、また新しい明日の神話になって行く

混迷に陥った狂信は、流れる水の冷たさを求めている
約束を果たせなかった人間の浅ましさが
オーブの漂う紅の空に馳せた少女の願いを打ち砕いて行く

繊細な心を扱うように人々の思惑を乗せた揺り篭は
子供の透き通るような瞳の奥にまどろむ
幽かな試練の予兆を知らせている
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