汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 冷酷

2010年03月22日 | 初期中期の詩
時は移ろいながら人を浚って行く
流れるがままに押し寄せる混沌とする実在に
辟易とする民衆
乏しい知識だけが真理への途となるのか
小波に揺れる蠱惑に染まる花に冠を授けるように
明日に込めた願いの房も血に塗られてしまうのだろう

せめての報いに肖ろうとするのは
恐怖に惑わされる微生物の乱舞に過ぎない
冴えない瞳が虚ろに流れて行く河を見つめて呟いた
悲壮の言葉は、海にまどろむ偶像の名残りなのだ

渇ききった砂に想いを寄せても
見えてくるのは寂寞に満ちた狂気の前触れに過ぎない
血相の消えた華奢な身体付きに恥じる愚民よ
今こそその首を薙ぎ払え
血に飢えた真実が忽ち恍惚とした快楽をもたらしてくれるだろう
そして、老僕の見た暴力の連鎖は
収まる事の無い狂乱に一筋の光を差し入れるのだろう


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蠱惑→こわく
肖る→あやかる
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