汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 世の中の堕胎

2011年04月23日 | 初期中期の詩
この先は行き止まり 風が凪いでいる
あの道を行けば 何かが掴めるだろうか

この世界はやけに寂しいのに
人は何かしらの幸福を見出そうとする
それが確かなモノであることさえも判らないのに

彼女は両手に持っている薔薇を引き千切った
その痛みに現実感を持たせようとして
毎日起こる悲しい《死》を前に
彼女は嗤いながら 子宮にいる赤子を殺した

何が正解なのかも 誰も知らない
それなのに動いて行く世界の流れは
確かに《悪意》に満ちていた

彼女が堕胎した命の数は 決して少なくはない
それにこの殺伐とした分娩室は何だろうか
命がそこで終えたという事実でさえもが
ここでは小さな爪痕に消えて行く
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