汽水空間 ~言葉と次元の力学系へ~

身体で体感する言葉の世界をお届けします(*´∀`)♪

みやすけの詩 日々

2010年03月13日 | 初期中期の詩
あなたと交わした言葉の数々を
小波に揺れる僅かな想い出の中で反芻して
戸惑いの中で暮れ行く夕日に背を向ける
小鳥はその鳴き声を宙へと向けた

飛行機雲に映る哀しみは
冴えない町の情景に小さな風波を立てる
愛に飢えた子供の小さな掌に
降る雪の儚さは、混沌とした情緒の黄昏


あなたと交わした行いの数々を
荒波に揺れる確かな旋律の中で反芻して
道楽に塞がれた未来の寂寞に堪える
小鳥はその鳴き声を明日へと向けた

鰯雲に映える淋しさは
揺れる鼓動の強かさに切ない唄を贈る
愛に綻ぶ子供の朗らかな顔に
滴る水の冷たさは、整頓された情緒の蠱惑

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みやすけの詩 愚鈍

2010年03月12日 | 初期中期の詩
傍らに落ちてくる枯れ葉に
混在する淋しさの周波数を数えて
露骨な程窮屈に曲げられる
今生での生の蠢きに苛立ちを感じている

更なる欲望を征服する為に
織り成される魂の束縛に
唄に連ねられる寂寞とした憎悪の叫びは
怒涛に流れる一切を寄せ付けない何かが蠢いている

愚かな言い訳に映える様々な憶測も
未来に臆病な少女に襲い掛かろうとしている
欲望の屈強で壮麗な肉体美も
穴倉に安住の地を求めている動物のように
愚鈍な衝動に振り回され
世界は硬直していくのだろう
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みやすけの詩 飛礫

2010年03月11日 | 初期中期の詩
切ない程に墜落した情景の中で
穂先に揺れる儚い幻想にまどろむ
命の鼓動を感じて
歓びを感じた遥か遠くの土地に
再び赴くように
帰り着く場所に戸惑い
砂に汚れたハンカチが空を舞うように
心の居所を日々模索している最中

孤独の心情に木霊する
罪の計らいの飛礫を抱きしめて
欄干に揺れる想い出を愛撫しながら
今夜もまた眠る

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飛礫→つぶて
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みやすけの詩 扉

2010年03月10日 | 初期中期の詩
一瞬の流れ星に込めた憂鬱も
宇宙に込めた悲壮な自分の佇まいでさえ
ちっぽけな紅の星に変わり
訪れる事の無いユートピアへの扉が開くのを
いつまでも待ち続けている

孤独な夢想に耽り込む爽やかな風通りだって
さり気無い優しさの愛撫に、その殻をこじ開け
新たな旅の通り道に、一滴の水滴が滴る

何かを求める滑稽な葛藤に交わる
あらゆる理想の要は
あなたの背中に走る旋律に奏でられている

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みやすけの詩 神様

2010年03月10日 | 初期中期の詩

 神

酔いどれは、幻想の杯に視界を眩まされ
その安堵にも似た余韻の中で
次なる寄生相手を探しては、更なる酒による
狂乱を待ち望んでいるのです

一体どんな幸せが転がっているというのでしょう
杯はこんな小癪な男の背中を
まるでサーチライトのように寂しく照らしながら
その輝く手は差し出そうとはしません
男は嘆き悲しみます
そして群衆は唾を吐き捨てます
まるで自分の同じ境遇を見たくはないとばかりに
愚劣にも解き解された、一抹の幸せを必死に護るかのように

死に急ぐ可憐な形相は、
神様にとっては格好な娯楽なのでしょう

神は悪魔です
悪魔は神です

二分していけばして行く程に
こさかしい矛盾の狂気は、人間を呑み込んでいくでしょう
しかし、それが真実なのです
人類が探し続けてきたのは、実はこうした狂気だったのです
浅はかです、滑稽です、恨みの感情が立ち昇ります
しかし、それも真実なのです
そういった、人間にある根本感情でさえ、
ここでは真実になってしまうのです


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みやすけの詩 涙の跡

2010年03月08日 | 初期中期の詩
涙の跡にまどろんでいる
跡形も無い漠然とした心残り
轍の魅惑的な導きが
当てもない旅の支度を急がせる

心持ちがならない夜明けの悲壮は
穏やかな流れの中で歓びに変わる
君と戯れた昨日の経緯も
今は一枚の紙の上で踊っている

過酷な自然に根付く混乱は
この空の中で執拗な木霊に変わり
僕の頭の中で弧を描くように投げ出される

朝の光に照らされた草の音
さり気無い挨拶に見える殺伐とした空隙に
再び涙の雫が零れ落ちる
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みやすけの詩 時代の風

2010年03月07日 | 初期中期の詩
愛情は滑稽な欲動に流される      
生存を賭けたろくでなしの抗争が
この世界を覆い尽くす
海に拡がった薬物汚染の哀しみ
律動する地球
精神に異常を来した愚民の
強固とも取れる殺戮の衝動

「全てを薙ぎ払え」

夕刻の時間に響くのは燦然とした
言葉による悲しみの調律
鳥達がまどろんでいる
明日への怒りが滾々と湧き出してくる

愛への逃げ口を絶たれ
苦悶の形相を奏でる人間の壮麗さ

幾時代の人々が紡ぎ上げた
バベルの塔の先端には
瀟洒なドレスを着た娼婦のどよめきと
浮浪者の酒に溺れた異臭の風が
吹き荒れていた

そして人間は眼を塞いだ
現実を受け止められない
可哀そうな子供のように
母親の姿を探しては
その場で泣き崩れる壮麗さよ


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みやすけの詩 軋轢

2010年03月07日 | 初期中期の詩
寂しさに見え隠れする様々な軋轢が
羨望に照らされた心情に淡い執着の惑いを浮かび上がらせる
良心的な妄想に、日々の暮らしの成り行きを眺め
路頭に彷徨う男の背中が、また新しい明日の神話になって行く

混迷に陥った狂信は、流れる水の冷たさを求めている
約束を果たせなかった人間の浅ましさが
オーブの漂う紅の空に馳せた少女の願いを打ち砕いて行く

繊細な心を扱うように人々の思惑を乗せた揺り篭は
子供の透き通るような瞳の奥にまどろむ
幽かな試練の予兆を知らせている
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みやすけの詩 深海

2010年03月02日 | 初期中期の詩
待たされるのが辛いというのなら
その手首を切ってしまえばいい
円らな魂の叫びが、この街を覆い尽すだろう
それを待ち望んだ悪魔の哄笑は
精神を病んだ者にとっては
格好の鎮静剤となるだろうから

乾涸びたのは世界だけではないだろう?
枯渇したのは壮麗な泉だけではないだろう?

何が恋しくて、人肌を求めているのだろう
噴水によって運び出される幸福の要は
そのスペクトルの中で更なる欲望に変容していく

純情な言葉なんて奇怪なオカルトに過ぎない
見えないものに対する畏怖の感情と同じように
そうした偶像の幻影は、深く潜り込んだ
深海のように静謐で、そして心地良いものなのだ
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