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iPS細胞から色素細胞のもとになる細胞を世界で初めて作製した

2019-06-23 | 医学
 神戸大学大学院医学研究科内科系講座皮膚科学分野(錦織千佳子教授、国定充講師、保坂千恵子研究員ら)と、科学技術イノベーション研究科、藤田医科大学の研究グループは、人工多能性幹細胞(iPS細胞)から色素細胞のもとになる細胞(前駆細胞)を世界で初めて作製することに成功した。論文は皮膚科学の英専門誌電子版に掲載された(4月28日)。
 色素細胞(メラノサイト)はメラニンという色素を作り出し、皮膚の色を司る重要な細胞である。その機能異常は白皮症のような遺伝性の疾病から、加齢に伴う老人性色素班、いわゆる「しみ」まで幅広く関与し、色素細胞が癌化すると悪性黒色腫(メラノーマ)という皮膚がんの一種になる。これから、色素細胞の研究を進める上で、安定した色素細胞の供給が必要とされる。ヒト表皮から色素細胞を単離することは高度な技術を要し、特に成人の場合は色素細胞の培養維持(培養皿の中で増やすこと)が困難なことが知られており、これは色素異常症患者や健常者由来の色素細胞を用いた研究の障壁となり、疾患の解明を妨げる原因となる。
 ヒトiPS細胞から色素細胞に分化させる方法は既にいくつか報告されている。既報告のプロトコールはヒトiPS細胞から色素細胞までの分化過程にしたがっていくつかのシグナル活性化因子(試薬)を順次培地へ添加していくが、最終的な研究材料となる色素細胞を実験計画に合せて丁度良いタイミングで分化させるのに多くの労力と研究費を費やす。
 研究グループは、メラノサイトへ分化させる際に加える刺激因子を途中で一旦中止することで、色素細胞の元となる色素細胞の前駆細胞を得ることに成功した。
 この細胞は培養皿のなかで自己複製能をもつため増やすことが可能で、一旦凍結保存しておくこともできる。解凍後に再び色素細胞への分化誘導因子を投与することで、わずか1週間で色素細胞へ分化させることもできた。つまり、この細胞を使う事によって、いつでも欲しいタイミングで欲しいだけの量の色素細胞を作成する事ができる。
 本研究の中で、色素細胞の前駆細胞が分化せず自己複製が維持されるしくみと、成熟した色素細胞へと分化してゆくしくみが明らかになった。iPS細胞は成人の皮膚、血液などから樹立ができ、そこから種々の細胞へ分化可能を持つため、今まで取得できなかった細胞を得ることができ、それらを用いた治療や病態の解明など臨床への応用が期待されている。
 ◆用語説明
 〇色素異常症
 白斑、白皮症、母斑、黒皮症など。遺伝性のものと非遺伝性のものがある。前者の多くは根本的な治療法がないものが多く、眼皮膚白皮症など国の指定難病となっているものもある。
 〇悪性黒色腫 (メラノーマ)
 皮膚がんの一種。色素細胞またはほくろの細胞が悪性化した腫瘍と考えられている。我が国では人口10万人あたり年間1~2人程度が発症し、死亡数は年間600~700人に上る。世界では年間約13万人が新たに発症するといわれ、近年急速に増加している。

 早朝は雨が降ったのかな。今日の天気は、曇り~晴れ。湿度も高く、暑い。
 近くの公園に行ったら、”タイサンボク(泰山木)”の花が咲いていた。花は大きく(35cm位)芳香のある白花が上向きに咲いている。花弁は6枚で、萼片が3枚。咲き終わりなのか、散りかけている。
 花は高い木の梢に上向きに咲いており、近寄って見ても下からの花を見るだけ。背丈程に垂れた枝に、一輪の花は見える・・写真の花、ラッキー!。
 大きな花から、名(タイサンボ)の由来は、大盃木・・大きな盃(さかずき)に見立てて、これより「泰山木」になり「大山木」となった、と言われる。
 因みに、”タイサンボク”はアメリカ合衆国南部を象徴する花木とされ、ミシシッピ州とルイジアナ州の州花に指定されている。
 タイサンボク(泰山木、大山木、大盃木)
 学名:Magnolia grandiflora
 モクレン科モクレン属
 常緑高木
 北アメリカの東南部原産、明治の初め(1873年)に渡来
 開花時期は、6月~7月
 花は大きく(35cm位)芳香のある白花が上向きに咲く。花弁は6枚で、萼片が3枚。



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