発表のポイント
・シリコーン製のマイクロ流路チップを同時に何枚も貼り合わせる量子ビーム加工技術を開発
・マイクロ流路チップ数10枚分の機能を搭載した「多段積層マイクロ流路チップ」を実現
・診断や薬効評価等における微量検体分析のスピードや精度を飛躍的に向上
量子科学技術研究開発機構量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所先端機能材料研究部の大山智子主任研究員・田口光正プロジェクトリーダーとフコク物産株式会社(以下「フコク物産」という)は共同で、微量検体の分析等に有効なマイクロ流路チップを同時に何枚も貼り合わせる量子ビーム加工技術(一括積層技術)を開発し、「多段積層マイクロ流路チップ」を実現した(6月25日発表)。
様々な分析機能を持つ複数のマイクロ流路チップを組み合わせることができるため、例えば1つの積層チップで複数の項目を検査することができるようになるなど、疾患診断や薬効評価のスピードが格段に向上する。また、1つの積層チップの中で分離・収集などの処理を繰り返すこともできるため、検体中にごく少量含まれる特定の細胞や成分を高い精度で検出することも可能となる。「多段積層マイクロ流路チップ」は量産が可能であり、画像診断や生検などによる数日がかりの検査でも発見が難しい病気を、わずかな血液だけで数分のうちに診断できるようになるといった未来が期待できる。
マイクロ流路チップは、化学物質の合成・検知、血液検査、細胞の分離・個別分析といった様々な分野で既に使われ始めているが、マイクロ流路チップ1枚に搭載できる分析機能や投入できる液量は限られている。これまでは、マイクロ流路チップを積層するには、接着剤や表面処理などで1枚ずつ貼り合わせるしかなかった。また、マイクロ流路チップは気泡が入ったり位置がずれたりすると使い物にならないため、成功率を考えると2~3枚の積層が限界で、とても量産はできない
研究チームは、量研が培ってきた量子ビームによる高分子材料の改質・加工技術を応用し、フコク物産(株)が提供する成型技術と組み合わせることによって、複数のマイクロ流路チップや関連パーツを量子ビーム照射の1工程で同時に貼り合わせる一括積層技術を開発し、「多段積層マイクロ流路チップ」を実現した。本技術では接着剤などの薬剤を使わないため、溶剤などの異物が混入することがなく、正確な分析が実現できる。また、チップ同士が接触した瞬間に接着してしまう従来技術と違い、複数のチップやパーツを重ね、十分に位置を調整してから一気に貼り合わせることができるため、高い歩留まりで「多段積層マイクロ流路チップ」を量産することが可能である。さらに、流路内の親水性や水蒸気バリア性の向上など、貼り合わせと同時にシリコーン製のマイクロ流路チップ自体を改質する効果も得られる。
用途に合わせた流路の設計により、診断だけでなく、創薬・再生医療・バイオ研究・化学分析など様々な分野における微量検体分析のスピードや精度を数10倍に引き上げる「多段積層マイクロ流路チップ」を、2019年7月3日(水)~5日(金)に東京ビッグサイト(青海展示棟)で開かれる創薬・製剤研究の専門技術展「ファーマラボEXPO」で公開。
◆用語解説
〇シリコーン
ケイ素(Si)と酸素(O)の結合を骨格とした、ポリジメチルシロキサンなどの合成高分子。シリコーンゴムとも呼ばれる。熱に強く透明で、生体適合性もあるため、工業用部品や医療用素材の他、ゴムパッキンや調理器具といった生活用品にまで広く使われている。
〇マイクロ流路チップ
微細加工技術によって、髪の毛よりも細い数10~数100マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)幅の流路や容器を手のひらサイズの基板に詰め込んだ、いわばミニチュア実験室です。主にシリコーン1)で作られている。
〇親水性
水への馴染みやすさ(濡れやすさ)やその度合いを示す言葉。
〇水蒸気バリア性
水蒸気を遮断する能力のこと。
〇バイオマテリアル
医療器具等への利用が可能な、生体に害を及ぼさず、生体に親和性が高い材料の総称。生体材料とも呼ばれる。
〇疎水性
親水性の逆で、水をはじく性質やその度合いを示す言葉。
朝から雨。9時頃が土砂降り、とても強い雨。10時頃から小止みとなるが、雨は降り続く。
畑の一角に植えた”ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)”の花が咲いている。朱赤色の目立った花が花茎沿いに咲いている。名にスイセンとあるが、スイセンのヒガンバナ科ではなく、アヤメ科の花である。葉にはアヤメ科らしく細長く筋が入っている。
明治中期にヨーロッパから日本に渡来した園芸種で、南アフリカ原産の”檜扇水仙(ヒオウギズイセン)”と”姫唐菖蒲(ヒメトウショウブ)”の交配種と言う。葉が”ヒオウギ(檜扇)”の様で、花は水仙に似た”ヒオウギズイセン”より小さい、これが名の由来。園芸種の名は、”モントブレチア(Montbretia)”。
ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
別名:モントブレチア(Montbretia)、クロコスミア(Crocosmia)
アヤメ科モントブレチア属(クロコスミア属)
多年草(春植え球根)
原産地は南アフリカ
開花時期は7月~8月
花茎から数個の穂状花序を出し、これに沢山の花をつける
花色は朱赤色で、下のほうから順に咲き上がる。花びらは6枚
繁殖力が強く、野生化したものも多い
・シリコーン製のマイクロ流路チップを同時に何枚も貼り合わせる量子ビーム加工技術を開発
・マイクロ流路チップ数10枚分の機能を搭載した「多段積層マイクロ流路チップ」を実現
・診断や薬効評価等における微量検体分析のスピードや精度を飛躍的に向上
量子科学技術研究開発機構量子ビーム科学部門高崎量子応用研究所先端機能材料研究部の大山智子主任研究員・田口光正プロジェクトリーダーとフコク物産株式会社(以下「フコク物産」という)は共同で、微量検体の分析等に有効なマイクロ流路チップを同時に何枚も貼り合わせる量子ビーム加工技術(一括積層技術)を開発し、「多段積層マイクロ流路チップ」を実現した(6月25日発表)。
様々な分析機能を持つ複数のマイクロ流路チップを組み合わせることができるため、例えば1つの積層チップで複数の項目を検査することができるようになるなど、疾患診断や薬効評価のスピードが格段に向上する。また、1つの積層チップの中で分離・収集などの処理を繰り返すこともできるため、検体中にごく少量含まれる特定の細胞や成分を高い精度で検出することも可能となる。「多段積層マイクロ流路チップ」は量産が可能であり、画像診断や生検などによる数日がかりの検査でも発見が難しい病気を、わずかな血液だけで数分のうちに診断できるようになるといった未来が期待できる。
マイクロ流路チップは、化学物質の合成・検知、血液検査、細胞の分離・個別分析といった様々な分野で既に使われ始めているが、マイクロ流路チップ1枚に搭載できる分析機能や投入できる液量は限られている。これまでは、マイクロ流路チップを積層するには、接着剤や表面処理などで1枚ずつ貼り合わせるしかなかった。また、マイクロ流路チップは気泡が入ったり位置がずれたりすると使い物にならないため、成功率を考えると2~3枚の積層が限界で、とても量産はできない
研究チームは、量研が培ってきた量子ビームによる高分子材料の改質・加工技術を応用し、フコク物産(株)が提供する成型技術と組み合わせることによって、複数のマイクロ流路チップや関連パーツを量子ビーム照射の1工程で同時に貼り合わせる一括積層技術を開発し、「多段積層マイクロ流路チップ」を実現した。本技術では接着剤などの薬剤を使わないため、溶剤などの異物が混入することがなく、正確な分析が実現できる。また、チップ同士が接触した瞬間に接着してしまう従来技術と違い、複数のチップやパーツを重ね、十分に位置を調整してから一気に貼り合わせることができるため、高い歩留まりで「多段積層マイクロ流路チップ」を量産することが可能である。さらに、流路内の親水性や水蒸気バリア性の向上など、貼り合わせと同時にシリコーン製のマイクロ流路チップ自体を改質する効果も得られる。
用途に合わせた流路の設計により、診断だけでなく、創薬・再生医療・バイオ研究・化学分析など様々な分野における微量検体分析のスピードや精度を数10倍に引き上げる「多段積層マイクロ流路チップ」を、2019年7月3日(水)~5日(金)に東京ビッグサイト(青海展示棟)で開かれる創薬・製剤研究の専門技術展「ファーマラボEXPO」で公開。
◆用語解説
〇シリコーン
ケイ素(Si)と酸素(O)の結合を骨格とした、ポリジメチルシロキサンなどの合成高分子。シリコーンゴムとも呼ばれる。熱に強く透明で、生体適合性もあるため、工業用部品や医療用素材の他、ゴムパッキンや調理器具といった生活用品にまで広く使われている。
〇マイクロ流路チップ
微細加工技術によって、髪の毛よりも細い数10~数100マイクロメートル(1マイクロメートルは1000分の1ミリメートル)幅の流路や容器を手のひらサイズの基板に詰め込んだ、いわばミニチュア実験室です。主にシリコーン1)で作られている。
〇親水性
水への馴染みやすさ(濡れやすさ)やその度合いを示す言葉。
〇水蒸気バリア性
水蒸気を遮断する能力のこと。
〇バイオマテリアル
医療器具等への利用が可能な、生体に害を及ぼさず、生体に親和性が高い材料の総称。生体材料とも呼ばれる。
〇疎水性
親水性の逆で、水をはじく性質やその度合いを示す言葉。
朝から雨。9時頃が土砂降り、とても強い雨。10時頃から小止みとなるが、雨は降り続く。
畑の一角に植えた”ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)”の花が咲いている。朱赤色の目立った花が花茎沿いに咲いている。名にスイセンとあるが、スイセンのヒガンバナ科ではなく、アヤメ科の花である。葉にはアヤメ科らしく細長く筋が入っている。
明治中期にヨーロッパから日本に渡来した園芸種で、南アフリカ原産の”檜扇水仙(ヒオウギズイセン)”と”姫唐菖蒲(ヒメトウショウブ)”の交配種と言う。葉が”ヒオウギ(檜扇)”の様で、花は水仙に似た”ヒオウギズイセン”より小さい、これが名の由来。園芸種の名は、”モントブレチア(Montbretia)”。
ヒメヒオウギズイセン(姫檜扇水仙)
別名:モントブレチア(Montbretia)、クロコスミア(Crocosmia)
アヤメ科モントブレチア属(クロコスミア属)
多年草(春植え球根)
原産地は南アフリカ
開花時期は7月~8月
花茎から数個の穂状花序を出し、これに沢山の花をつける
花色は朱赤色で、下のほうから順に咲き上がる。花びらは6枚
繁殖力が強く、野生化したものも多い
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