歩けば楽し

楽しさを歩いて発見

  思い出を歩いて発掘

   健康を歩いて増進

生体内で核酸医薬と会合・ドッキングしながら脳腫瘍に到達して標的治療を行うナノマシンを開発

2019-05-04 | 医学
 川崎市産業振興財団ナノ医療イノベーションセンター長片岡一則、東京大学未来ビジョン研究センター特任教授宮田完二郎、東京大学大学院工学系研究科准教授近藤豊、名古屋大学大学院医学系研究科教授らの研究グループは、失活しやすい核酸医薬を血流中で安定に保護し、膵臓がんや脳腫瘍などの難治がんへ送り届けるための技術「核酸医薬搭載ナノマシン」の開発に成功した(4月24日発表)。
 「siRNA:Small interfering RNA」に代表される核酸医薬は、その塩基配列に応じて特定の遺伝子発現を調節できる。ことから、がんやアルツハイマー病などの遺伝子変異に由来する難病に対する新規治療薬として期待されている。しかし、核酸医薬は体の中、例えば血流中ではすぐに代謝されてしまい、核酸医薬の疾患組織への到達効率は低く、十分な治療効果が得られないという問題がある。
 この問題解決のため、核酸医薬搭載ナノマシンが開発された。
 このナノマシンは、血流中で核酸医薬とランデブーしてドッキングすることのできるポリマーからできている。核酸医薬はナノマシンとドッキングすることで、分解酵素の攻撃から保護される。また、このナノマシンはサイズが抗体分子とほぼ同じサイズ(約20nm;20X10億分の1メートル)と非常に小さいため、「血流中での核酸医薬の保護」し、生体内に存在する種々のバリアを突破することができる。また、「難治がん 組織に存在する生体バリアを突破する超小型サイズ(30nm以下)」を同時に実現した。
 具体例としては、膵臓がん組織に存在する線維性の間質組織(メッシュ構造)や脳腫瘍に存在する血液-脳腫瘍関門と呼ばれる生体バリアを潜り抜け、がん細胞へと核酸医薬を送り届けることに成功している。
 この様な核酸医薬搭載ナノマシンの設計には、構成成分であるポリマーの形と長さが重要になる。本研究で創られたポリマーは、血液中で核酸医薬に結合する一方で、それ以外の生体成分への吸着を抑えるような設計が組み込まれている。
 現在、この核酸医薬搭載ナノマシンを医薬品として実用化するための取り組みが進められている。膵臓がんや脳腫瘍への新たな治療法の登場に大きな期待が寄せられる。
 ◆核酸医薬
 DNAやRNA(リボ核酸)を構成する生体分子の核酸を利用した医薬品。
 これまでの医薬品より、遺伝子など細胞内の様々な分子に特異的に作用するのが特色。このため治療薬のなかった病気に向けた新薬を作れる可能性がある。細胞で培養しなければならない抗体医薬と異なり、化学合成できるのでより安価に製造できる。
 核酸医薬の研究・開発のきっかけは、1998年に遺伝子からたんぱく質を合成する過程を抑え込む「RNA干渉」が発見されたから。この発見した2名の研究者(アンドリュー・Z・ファイアー、クレイグ・メロー)は2006年のノーベル生理学医学賞を受賞した。

 今日も朝から晴れたいい天気。早朝の畑作業は、”エダマメ”の植え付け準備。
 畑からの帰り、沢山の小さな花が集合している。”アリッサム”かな”イベリス”かな、と思って見たら、”タイム”の花だった。
 ”タイム”は、 常緑性の低木で、枝は斜め上に伸び、先端が立ち上がる。葉は5mmほどで枝に密生している。繁殖力は旺盛で、枝の節が地面に付くとそこから根を出す。5月ごろにピンク色の小さな花を枝先に沢山咲かせる。
 ”タイム”はハーブの一種で、葉や茎を生のまま、または乾燥させて香辛料として使う。独特の風味と防腐効果があるため、肉類の料理にも使われる。
 タイム(Thyme)
 別名:立麝香草(たちじゃこうそう)
 シソ科イブキジャコウソウ属
 常緑性の低木(草本に見えるが、茎が木化する木本)
 学名:Thymus vulgaris
 原産地は地中海沿岸
 樹高:15cm~30cm
 タイム類は茎が立ち上がる立性と、這うように広がる這性の2タイプがある
 開花時期:4月~6月


最新の画像もっと見る

コメントを投稿