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紫外線照射で純氷にマイナスの電気が流れることを発見

2019-10-13 | 科学・技術
 北海道大学低温科学研究所渡部直樹教授らの研究グループは、真空中で極低温の純氷を作製し、そこへ紫外線と電子を照射することで氷中にマイナスの電気が流れることを発見した。また、その電流は紫外線のオン・オフで鋭敏にコントロールできることが分かった。本研究成果は、2019年10月3日公開の”Chemical Physics Letters”誌に掲載。
 氷は金属とは異なり、その内部に自由に動き回れる電子(マイナスに帯電)を持たないため、電子の流れによる電流をほとんど通さないと考えられていた。
 研究グループは、この現象を説明するために理論計算を行い、紫外線を照射することにより氷表面の水分子(H2O)が分解し、OHが生成され、そのOHが氷内で電子を運ぶマイナス電気のキャリアとなって動き回ることを明らかにした。発見した現象は、氷内に電気を流すための電解質の不純物を一切必要としない。
 氷はその内部にもともと微量に存在する動き回れる陽子(プラスに帯電)が水分子の間を移動することにより、わずかながらプラスの電気が流れるため、半導体としての性質を持つことが知られている。しかし、陽子の移動には熱エネルギーが必要なため、およそマイナス80℃以下では電流が流れないことがわかっている。研究グループはマイナス220℃以下でも温度に依存することなくマイナスの電気が流れることを確認しており、本研究で発見したマイナス電気の移動には熱エネルギーを必要としないことを示した。
 本研究では,従来全く想像されていなかった以下の3つの知見が画期的といえる。
 ①氷中にマイナスの電気が定常的に流れうることを発見した。
 ②マイナスの電気の流れは紫外線でコントロールできる。
 ③従来知られていた氷中のプラス電気の流れとは異なり、極低温でも電気が流れる。
 今後は,この現象をより幅広い温度領域で,氷の構造,紫外線強度などを変えて調べていく予定である。水や氷は、これまで長年様々な分野で研究されてきた、いわばありふれた物質である。本研究は、そうした氷にもまだ知られていない側面があることを示しており、水や氷の科学のさらなる展開のきっかけになると期待される。
 ◆用語解説
 グロットゥスメカニズム(Grotthuss mechanism)
 ドイツの化学者 グロットゥス が 1800年初頭に提唱した、氷中を陽子が移動するメカニズムのこと。
 氷中 に微量に存在する プラスの電気を帯びた 過剰 陽子が水分子と結びつくことで H3O+というプラスイオンを作り、そのイオンが隣に存在する他の水分子に陽子を受け渡すことで、プラスの電気が移動する。氷に電気が流れるメカニズムとして広く受け入れられている。

 台風19号が仙台を通過した。午前1時~3時頃が雨・風とても強かった。朝は雲が少ない晴天、でも風は少し強い。
 台風が来る前に郊外に出かけた。圃場の畔を見たら、”イヌタデ”の花が咲いている。花に見える赤いツブツブ、赤い花弁(はなびら)ではなく咢(がく)である。だから花が枯れずに何時までも咲いている様に見える。
 名(イヌタデ:犬蓼)の由来は、辛味がなく香辛料には使えない、”タデ”から”イヌタデ”である。「イヌ」とは、似るが違う・役に立たないものに付けられた。”タデ(蓼)”と言うと、”ヤナギタデ(柳蓼)”を言い、これには茎・葉に苦味がある・・これを好んで食べる虫(蓼虫:たでむし)もいる。ことわざに「蓼食う虫も好きずき・・・人の好みは様々との例え」がある。
 因みに、”イヌタデ”は食用にできると言う。辛味がないので香辛料にはならないが、花の咲く前なら煮物・油炒め・揚げ物でも食べられる、らしい・・食べたことはない。
 イヌタデ(犬蓼)
 タデ科イヌタデ属
 一年草
 茎先に付く花穂は長さ数5cm
 花期は6月~10月
 別名にアカマンマ(地方で)
 アカマンマとは赤飯のこと、ままごと遊びに使った


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