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変異が入ることなく季節性インフルエンザウイルスを効率よく分離培養できる培養細胞株の開発に成功

2019-05-10 | 医学
 東京大学医科学研究所ウイルス感染分野の河岡教授らは、変異が入ることなく季節性インフルエンザウイルスを効率よく分離培養できる培養細胞株の開発に成功した(4月30日発表)。本研究は、東京大学、横浜市衛生研究所、米国ウィスコンシン大学が共同で行ったもの。
 季節性ウイルスは性状が頻繁に変わる。性状解析には臨床検体からのウイルス分離が不可欠であるが、インフルエンザウイルスの分離に広く利用されているMDCK細胞を用いて季節性ウイルスを分離培養すると、変異が入り性状が変化してしまうという問題があった。
 本研究グループは、MDCK細胞の遺伝子を改変することで、変異が入ることなく季節性ウイルスを効率よく分離培養できる培養細胞株hCKを開発した。季節性ウイルスの一つであるA/H3N2流行株のhCK細胞における分離と増殖効率は、MDCKとAX4細胞に比べて顕著に高いことがわかった。hCK細胞で分離したA/H3N2流行株の遺伝子には変異がほぼ認められなかったのに対し、MDCKとAX4細胞で分離した流行株には高い頻度で変異が見つかった。さらに、A/H3N2流行株をhCK細胞で長期間継代しても変異が入らないこともわかった。
 本研究の成果で、ヒトの間で流行している季節性インフルエンザウイルスの性状変化をより高い精度で監視することが可能になる。さらに、hCK細胞をワクチン製造に利用することで、従来の鶏卵ワクチンに比べ高い有効性が期待できる培養細胞ワクチンをより迅速により安価に供給することが可能になると期待される。
 ◆用語説明
 〇MDCK細胞
 イヌ腎臓上皮細胞株Madin-Darby canine kidney cellの略称。
 〇季節性インフルエンザウイルス
 2009年に出現したブタ由来ウイルス(A/H1N1pdm)の大流行に伴い、それまで流行していたソ連型ウイルス(A/H1N1)が消滅した。2019年4月現在、A/H1N1pdm、香港型A/H3N2、B型の3種類が季節性ウイルスとして流行している。
 〇AX4細胞
 本研究グループが以前開発したヒト型レセプター関連遺伝子を発現するプラスミドを導入したMDCK細胞。AX4細胞はヒト型レセプターの発現量はMDCK細胞よりも高いものの、鳥型レセプターはMDCK細胞と同程度に発現している。
 〇細胞培養ワクチン
 季節性インフルエンザワクチンは発育鶏卵で増やしたウイルスから製造されているが、鶏卵で季節性ウイルスを増やすとHAに変異が入り、その抗原性が大きく変化してしまう。ワクチン製造を培養細胞で行うことにより、卵馴化による抗原変異のリスクを軽減させることは可能であるが、季節性ウイルスは培養細胞での増殖能が低いことから、細胞培養ワクチンの生産性の低さが大きな問題となっている。
 〇プラスミド
 細菌や酵母がもつ染色体DNAとは異なる独立した環状のDNA分子。目的遺伝子のDNA断片を組込んだプラスミドを培養細胞に導入すると、目的遺伝子が細胞内で強制的に発現される。

 今日も朝から晴れたいい天気。最高気温が25℃程と夏日となる。朝早く、ナスの苗を畑に植えた、収穫が楽しみ。
 田圃の中の道を歩く。比較的大きな道なので、道の両脇には雑草が生い茂っている。その中に、背が高く、スッキリと花を咲かせている”ヘラオオバコ”。高さ30cm~80cmの花茎を出し、先端に長さ数cmの円柱形の花穂をつける。花粉症の原因植物、と言う。
 名(ヘラオオバコ)の由来は、細長い葉が粘土細工に使う箆(へら)に似ているから。
 本草は、環境省指定の要注意外来生物類型2に指定されている。要注意外来生物とは、環境省が指定するもので、外来生物法で特定外来種には選定されていないが、被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物。
 ★要注意外来生物
 外来生物法で特定外来種には選定されていないが、被害に係る知見が不足しており、引き続き情報の集積に努める外来生物 。環境省が指定する。
 4つのカテゴリに、計148種類が選定(2009年2月現在)されている。外来植物(緑化植物)は、農林水産省・国土交通省との連携で検討され、12種が選定されている。

 ヘラオオバコ(箆大葉子)
 別名:イギリスオオバコ
 オオバコ科オオバコ属
 多年草、両性花で根茎でも繁殖する
 ヨーロッパ原産、江戸時代末期に侵入し雑草となった帰化植物
 世界中に分布、コスモポリタン的雑草
 開花時期は4月~8月


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