静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

海で働くと言うこと

2016年08月05日 08時23分47秒 | 学園紹介

青い地球。青いのは海です。
陸の面積は30%しかなく、地球の面積の多くは海です。

さらにです。
陸で仕事する人の多くは、地表で活動します。
例えば農業なら、地上のわずか数mの空間で植物を育てます。

海で仕事をする漁師も、仕事をするのは空気のある海の上だけです。
しかし、魚の方は海の中にいます。
つまり、漁師は「広い海」と言うより「広大な海という空間」を相手にする仕事です。
地表のごくわずかな活動域の何倍でしょうか?

漁師は海上からは見えない「海の中にいる魚」を捕らなくてはなりません。
魚群探知機など科学技術が進歩しても、最後は漁師の腕(技術)が勝負です。

こんな広い空間を相手にする仕事は宇宙飛行士くらいかも?
漁師は古くからある仕事ですが、今でもロマンのある仕事です。

【海と水圧】
海の最深部は1万m以上です。
そこまで行ったことのある人は数人。
実は深海に行く方が、宇宙に行くより大変です。
と言うのも地表の1気圧に対し、宇宙ならゼロ気圧ですが、1万mの海底なら千気圧の圧力がかかります。
さて、本県特産のサクラエビ。昼は駿河湾の深い場所にいます。
あの小さな体でも、数十気圧に耐えるのです。
サクラエビどころか、深海にはクラゲもいます。
大きな水圧も、体の中と外が同じ圧力なので頑丈な体はなくても大丈夫。
深海生物のほとんどは、徐々に低い水圧に慣らせば、陸上水槽で飼育が出来ます。
そこで、水産技術研究所では駿河湾深層水を使ってキンメダイの飼育研究をしています。
水圧以外は深海と同じ環境を再現しています。

最初に大きなハードルがあります。
実際の深海から、この水槽に入れるまで。
捕獲したキンメダイを、深海から表層まで連れてこなくてはいけません。
水圧も水温も急激に変化します。
時間をかければキンメダイが弱るし...難しいところです。

コメント
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