静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

学園進学を考えている中学生の皆さんに

2016年08月22日 13時32分10秒 | 所感

先週はオープンキャンパスで18人の方に来園をいただきました。
また、昨日までの説明会には合計12人の参加がありました。

この中で、約半数が中学3年生でした。
高校に進学しない人は少数派の状況で、中学から学園に進学することについてお話ししたいと思います。

まず、良い点です。
 修学期間が1年
 学費が安い
 資格が取れる
 体を使う実習の時間が多い
 
そして高校進学より劣る点
 卒業後の進路は漁船員(漁師)に限定
 高卒の学歴は取れない
 理科、社会などの一般科目の授業がない
などです。

学園に来る人は、家が裕福でない生徒も多いので、短い修学期間で仕事に就けるのは大きな魅力だと思います。
ましてや、漁師は実力の世界。
努力すれば、学歴に関係なく幹部への道が開けます。

しかし、
 自分が漁師になりたいという意志は固まっていますか?
 高校で勉強したくないと言う理由だけで、学園進学を考えていませんか?

学園では1日に8コマの授業がありますが、半分くらいは教室での講義、勉強です。
学期末にはテストもあるし、海技士試験の勉強も必要です。

オープンキャンパスでは、特に中学生の方に
「受験まで時間があるので、自分が漁師になりたいか良く考えてください」
そして、
「入学したら、がんばって勉強してください」
とお話しさせてもらいました。

中学生が自分の進路を決めるのは大変なことです。
学園では高校生を募集の主体にしていますが、中学生も歓迎です。
漁師になるという決意が固まったら、ぜひ学園に来てください。

【○○高等学園】
ウィキペディアには
高等学園(こうとうがくえん)とは、日本に設置されている学校などが用いている名称の一つ。存在する多くの高等学園は高等学校と類似した教育を行っているものの、高等学園を定める法令が存在しないため、学校(高等専修学校(専修学校高等課程)、特別支援学校)、技能連携校、サポート校、職業訓練施設などがこの名称を名乗る例がある。
...とあります。

平たく言えば、「高校相当の勉強をする学校」って感じでしょうか?
学園が設立された当時(昭和45年)、漁師の跡継ぎで水産高校に行く人はエリートだったようです。水産以外でも就職に有利な実業高校は人気があった時代です。

つまり、学園は学力的あるいは経済的な理由で水産高校に行けない中卒者を、短期で漁業の働き手に育てる位置づけでした。

時代が変わって、漁師の子息が後を継がなくなりました。
水産高校の卒業生で、漁師になるのは一握りです。
そして、外国人漁船員の増加。
学園でも、船長や機関長を担える人材を輩出しなくてはなりません。

漁業高等学園という名称が、中学卒業者が主体の学校という印象を与えてしまっているかも知れません。
名称はともかく、今では学歴に関係なく意欲ある若者を受け入れ、優秀な漁船員の輩出を目指しています。

コメント
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