講義の話をしたので、今度は実習のご紹介。
学園のカリキュラム(教育計画書)には次のように書かれています。
遠洋航海乗船実習 焼津水産高校の実習船「やいづ」559トンに約1ヶ月間乗船、
マリアナ海域でカツオ一本釣の操業を行う。
総合実習 ロープワーク(結び・つなぎ)、魚網製作・補修
カツオ一本釣漁具製作、カツオ釣り練習
実習船「わかたか」による刺網、釣、操船
カッター訓練、水泳訓練(プール、海岸)
沿岸漁業実習 沿岸漁業現地実習(定置網、船曳網等)
エンジン実習 船舶エンジンの分解整備
遠洋航海乗船実習は11月から約1ヶ月行います。
学園生徒は寮で集団生活には慣れていますが、船という閉鎖空間で、陸が見えない、
テレビ放送も受信できない、ネットも見えない生活です。
本当に貴重な実習です。
遠洋実習が終わると、生徒も漁師の顔になります。
沖縄に寄港するのも良い思い出になりますよ。
総合実習の主役はロープワークです。1年を通して行います。
このブログでもご紹介してきましたが、船では安全上、とても重要な技術です。
苦手な生徒もいますが、こればっかりは体に叩き込んでもらうしかありません。
熱心な生徒は、昼休み時間に航海実習棟で自主練しています。
沿岸漁業実習は、今年度も定置網、シラス船曳網を見学しました。
すでにブログでご紹介しています。
午前中の講義以上に、漁師としては必須の内容ばかりです。
取り組み姿勢は生徒によって差がありますが、学園で頑張った人は就業してからのアドバンテージに必ずなります。
【漁船生活での情報源】
遠洋漁船でもファクシミリによる新聞が受信できます。
主要な情報は分かるので、日本に戻って浦島太郎になる心配はありません。
人工衛星を使ったインターネット接続も可能ですが、料金が高いので常時使うことはないようです。
テレビの衛星放送も、船が揺れているので受信は困難。
でも、近い将来、受信できるようになるでしょうね。
以前はテレビドラマなどをビデオテープに録画して、寄港地に送ってもらい、食堂のテレビで見たそうです。
今はタブレット端末に映画や書籍のデータを入れて自分の部屋で見ることができます。
リアルタイムの情報が限定されるのは事実です。
でも、街中あるいてポケモンを探すより、大海原でカツオの大群を見つける方が魅力的ではないですか?