静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

学園からの就職先

2016年08月03日 14時03分42秒 | 学園紹介

学園は漁業者の養成学校です。
ですから、卒業後は静岡県内の漁船に就職してもらいます。
実際には、県外漁船からも学園に求人が来ます。
しかし、静岡県が授業料などを無料でやっている学校ですし、県内漁船の求人にもすべて応じきれない状況ですので、県外船への紹介は難しいところです。
特に県外から学園に入学を希望される方はご注意ください。

さて、県内でも様々な漁業が行われています。
主な就職先はカツオの一本釣り、マグロはえ縄などの遠洋漁業。
そして、近海のカツオ、サバ船。まき網、キンメダイ。
沿岸漁業のシラス船曳、定置網などです。

学園に入学したら、さまざまな漁業の情報が入ってきますので、2学期までには就業先の希望を決めてもらいます。
今年も入学時には沿岸漁業を希望して、その後、遠洋に変わった生徒がいます。
県内で漁船になると言うことなら、なるべく生徒の要望をかなえたいと思いますので、入学後はしっかり考えて就職先を決めてください。

写真は就職懇談会の様子です。
漁師になったら、実際にどんな仕事をするのか求人側に聞くことができます。
このような機会が設けられるのも、学園ならではと思います。


【沿岸漁業、沖合漁業、遠洋漁業】

沿岸漁業は1日で帰ってこられる範囲で操業する漁業です。
船は20トン未満で、漁場は相模湾、駿河湾、遠州灘、浜名湖です。
シラスやサクラエビの船曳は皆さんご存じと思います。
他には定置網、刺し網、採貝あるいは地物のキンメダイ釣りなどです。
シラス、サクラエビ、定置網を除けば、ほとんどの沿岸漁業は一人、あるいは親子などの少人数で操業します。
この家族経営のような漁業は、学園への求人はほとんどありません。
漁業者のほとんどが沿岸漁業です。

沖合漁業は20~100トンくらいの漁船で、2~10日ほどの操業を行います。
漁場は伊豆諸島や小笠原海域です。
キンメダイの底立(そこだて)はえ縄、さば棒受網、まき網と言った漁業があります。

遠洋漁業は100トン以上の大型漁船で、数ヶ月の航海になります。
カツオ一本釣り、マグロはえ縄、まき網(海まき)があります。
主な水揚げ基地は焼津で、水揚げ量や、金額では一番多い漁業です。


仕事として見た場合、沿岸漁業の魅力は
・毎日、家(陸)に帰ることが出来る
・船を持てば、好きに操業できる(社長ですから)
・海技士の資格が不要
などです。その替わり
・資源の変動の影響が大きく受ける
・天候の影響で操業日数が少ない
がデメリット。
操業日数が少ないのは「自由な時間が増える」と思うかもしれません。実際には、漁に出るかどうかは直前まで分からないで予定を立てるのが大変です。
漁のない日に、別の仕事...と言うのも、スケジュールが決まらないので、簡単にはできません。

遠洋漁業の魅力は
・会社が最低賃金を保障してくれる
・航海中の生活費はほとんどいらない
・実力次第で若くして幹部職員
・世界をまたにかけての仕事
一方のデメリットは
・航海日数が長期
・チームワークや協調性が必須
・海技士の資格がないと幹部になれない

沖合漁業は、沿岸と遠洋の中間です。
さて、これらの特徴をどう感じるのかは、人それぞれ。
沿岸漁業で一人、あるいは家族で操業すれば、船にいるときは自由です。
ただし、陸にいるときは漁業者仲間との付き合いがあるので、結果的に協調性がないとリーダーにはなれませんのでご注意。

コメント
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