当学園のように就職に直結する学校、専門学校や職業訓練校、
あるいは実業高校などで、入学者の人気にかかる大きな要素が卒業後の就職率です。
同種の学校がたくさんあったり、求人が極めて少ない業種では、就職率が決め手です。
さて、就職率が目を引く中で、本当に大事なのは離職率の方です。
離職者が多い企業は、求人も多くなります。
極端な話、ブラック企業への就職が多くても喜べません。
どの分野でも本当のプロになるには何年もかかります。
会社側も、それを見越して新規採用者を育てようとしますが、すぐに辞めてしまっては投資が無駄になります。一方で、辞める若者も、理由があってのことでしょうから、双方にとって不幸なことです。
漁船への就業はどうでしょう。
一人前の漁師になるには10年掛かると言われています。
ブラックではないですが、漁船ならではの辛い仕事もあります。
漁労長なども若い人を育てようとしますが、そこは漁師ですから「腫れ物に触るように」扱ってくれる訳ではありません。
学園では、授業や実習の合間合間に「先輩漁師とうまくやっていくコツ」も教えています。
学園の卒業生も、若者の漁業就業者が不足している状況で就職率は100%です。
しかし、せっかく漁師になったのに辞めてしまう人もいます。
卒業生の離職率の数字はつかめていません。
それでも、学園のベテランスタッフに聞くと、辞めてしまう人の傾向はあると思います。
簡単に言うと、学園で頑張れなかった人です。
決められた仕事をキッチリできるか
先生の指示を素直に聞けるか
仕事ぶりがまじめか
協調性があるか
これらが出来る人は先輩漁師に認められ「ムダに怒られる」こともなくなります。
仕事が楽になる訳ではありませんが、回りから認められれば、「辛い仕事もやりがいに変わっていく」と思います。
この写真は、ブログの内容と関係ありません。夏休み中で、だんだん写真が苦しくなってきました...
【七五三現象】
就職して3年以内に中卒の7割、高卒の5割、大卒の3割が離職する現象のことです。
ウィキペディアによると、2010年卒の離職率は、中卒6割、高卒4割、大卒3割と若干減少してそうです。
いずれにしても、学園卒業生の離職率は、もっと低いと思います。
この離職率を限りなくゼロにするためには、どうすれば良いか?
我々学園スタッフの大きな課題です。