静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

漁師になるのに高校、大学は不要?

2016年08月24日 13時48分17秒 | 所感

このブログも肩で息をしている状況ですが、それもあと3回...
マラソンで言えば40km地点通過?

それでは今日のブログです。

学園に入学出来るのは中学卒業生以上です。
学歴に関係なく、実力で出世できるのが漁業の世界。
なら、高校へは行かず、いち早く漁師になって現場を知るのが望ましいでしょうか?
実際、高校でやる数学、物理などなど、実生活で不可欠という訳ではありません。
皆さんも一度は勉強する意味に疑問を持ったことがあるのではないですか?

私は中学のとき、
「勉強するのは山に登るのと同じ
 高い山に登れば、それだけ広い世界が見渡せる」
と教わりました。

つまり、有名大学への進学でも、一流企業への就職のためでもなく、社会人として見識を広げ人生を豊かにするためと言うことです。
 
漁師といえど、社会人です。
漁業のことだけを知っていれば良い訳ではありません。
高校や大学という山を登ることは、漁師になる上でも間違いなく役に立ちます。
今年の生徒では、福祉などの社会人経験がある人も同じです。

逆に言えば、高校、大学行っても山に登らず(勉強せず)、
麓(ふもと)で「山を見てきた」だけだと、どうでしょう?

一方で、高校に行かずとも優秀な漁師になれます。
大事なのは学歴でなく教養だからです。
漁師になってから、本を読むなど見識を広げれば教養は得られます。

 

さて、写真は焼津漁港内に停泊中のマグロはえ縄(なわ)漁船です。
以前にもご紹介しましたが、絵のように100kmもある繩を海面に落としてマグロを捕ります。

繩は船尾から投入して、船の側面から引き上げます。
そのために、船のサイドに切り口をつけています。
反対側には切り口がありません。

100kmもある繩を引き上げますから、作業は長時間になります。
もちろん、交代で作業しますが、体力のいる仕事です。

【6次産業化】
農業や漁業の一次産業の生産者が、加工品などの2次産業、レストラン、直売などの3次産業を手がけることを6次産業化と呼んでいます。
魚の値段が何十年も変わらず、資源も減少する中で収益を上げる手段の一つです。
漁師が釣宿を営むのは、6次産業化の先鞭といえるかも知れません。
この6次産業化ですが、簡単ではありません。
漁師は、魚を捕るのはプロですが、加工品の販売や、食堂経営などは素人です。
実際に補助金を使って立ち上げても、うまくいかない事例が多いのが実状です。
漁師も漁協職員も、豊富な見識を持ち、変わりゆく社会に対応出来る柔軟さが必要とされます。

コメント
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