静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

乗船実習の裏話7

2018年01月10日 10時51分36秒 | 実習

漁師になるための学校、漁業学園。
こんにちは、園長の青木です。
ホームページはこちらです。
http://www.pref.shizuoka.jp/sangyou/sa-940/

今週は小型船舶操縦士講習を行っています。
今年は2級を取得済みの生徒がいます。この場合は1級を取るために一部の講義を聴くことになります。
空いている時間は、2月の海技士試験に向けて自習です。

さて、教室での講義はブログのネタにならないので、乗船実習の続きをご紹介します。
前回、カツオの一本釣りが始まったことをお伝えしました。
遠洋カツオ一本釣り漁船では、カツオは釣ってお終い!ではありません。

釣りあげたカツオは-18度くらいに冷やされた濃い塩水(ブライン液)に生きたまま入れられます。
ここで急速に温度が下がります。
ただし、これ以上冷たくすると塩水が凍ってしまいます。
そこで、ブラインで冷えたカツオを空冷の-40~50度の冷蔵庫に移します。これをシフトと呼んでいます。

実習では昼間にシフトを行いますが、実際の漁船では通常、暗くなってからの作業です。
昼はカツオを釣りますからね。
たくさんカツオを釣った後は、たくさんのカツオをシフトする作業もある訳です。
魚を捕るだけが漁師の仕事でないことの一例です。

代わりに、新鮮なカツオを食べたり、アラ汁を作ったり、漁師ならではの楽しみもあります。

そして、実習船は捕れたカツオの調査も行います。
体長、体重、胃の内容物などを調べます。


学園見学のお申し込み、入学のお問い合わせは電話、Eメールで。
電話 054-626-0219
Eメール gyogaku@pref.shizuoka.lg.jp
1月は見学会を行わない予定です。
ご希望の日を園長にご相談ください。
今月末には願書の受付が始まります。見学はお早めに!

 【漁船の冷却機】
遠洋マグロはえ縄漁船では、魚を冷やすのは空冷の冷蔵庫だけ。
これが遠洋カツオの一本釣り漁船だと、ブライン液、空冷の冷蔵庫に加え、餌のイワシの水槽を冷やすことになります。
たくさんある冷却器を扱うのが機関員。エンジンだけを見ているのではありません。
冷却器が多い分、仕事も増える訳です。高度な技能が求められます。

 園長のつぶやき
1月になっても見学者がいらっしゃいます。
今年に限ったことではありません。
ギリギリになって見学される理由が、ギリギリまで学園をご存じなかったためです。
ですから、広報をしている私としても申し訳ないと思っています。

加えて、見学に来られずに受験される方もいます。
これも、見学をする時間がなかったことが主な原因だと思います。
仕方ないことではあるのですが、学園は特殊な学校です。
すべてが1年後に漁師になるために作られています。
ですから、まず漁師という仕事、職業を分かっていることが大事です。
私の見学者への説明は、漁師の仕事を説明することから始まります。
見学者の多くが漁師の仕事をご存じないからです。
時間の関係で、ご説明できる内容は限られます。それでも大事なことだと思っています。
漁師の仕事が楽ではなく、魚を捕る以外の仕事がたくさんあることもお話しします。
それでも漁師になりたい人が来てください、とお話しします。

学園に進学すると言うことは、職業を選択すると言うことでもあります。
大事なことですので、学園への進学を考えている方は事前に見学してください。
漁師の仕事を理解して、学園への進学を自分で決めること。
受験者のためでもあり、学園のためでもあるのです。

コメント
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