静岡県立漁業高等学園は、創立50年。一流の漁師になる近道です。

漁師をめざして、がんばっている生徒たち。
30歳までの若者が全国から漁業の街、焼津に集っています。

わかたか乗船実習

2016年04月21日 10時48分15秒 | 実習
昨日は待ちに待った?乗船実習の第一弾がありました。
使ったのは本学園が所有する練習船「わかたか」です。
6.6トンで全長は15.5mです。
大きな船ではありませんが定員23人なので、生徒全員が乗船できます。


「わかたか」ですが、実践的な実習が行えるよう、
レーダー、GPS、プロッター、魚群探知機、無線のほか
サーチライトソナー、サテライトコンパス、国際VHF無線機、レーダートランスポンダ...
など航海機器も充実です。

さて、きっちりとヘルメットに救命胴衣を身につけ乗船しましたが直前から風が吹いてきました...
最初は、このとおりの笑顔です。

実習しているロープワークを、実際の船でどう使うかを説明です。

もちろん安全な範囲での航海でしたが、それでも揺れはあったようです。
船酔い者が続出でした!
...と思っていましたが、船酔いは20名中の4名だけ。
これは予想外でした。そのうちの1名です。
彼の名誉のため、ボカシを入れておきます。

漁師になりたい皆さんは船酔いは気がかりですよね。
心配しなくて良いですよ。
漁師でも正月明けに船に乗るときや、違う大きさの船に乗ると酔うことは珍しくありません。
逆に全然酔わない人もいますが、少数派です。
毎日乗るようになれば、すぐに慣れるの大丈夫です。

かく言う私も、かつては乗船の調査で「船上のマグロ」状態でした。
今は酔い止め薬のお世話になってます。
当時の薬は効かなかったんですよ...苦労しました。

これからも「わかたか」で多くの実習があります。

【県の所有船】
「わかたか」以外にも、いろいろ船があります。
学園の隣にある水産技術研究所では沿岸・沖合の調査船「駿河丸」があります。134トンの調査船ですが進水から20年経過していますが、現役です。水産技術研究所では、他にも沿岸や浜名湖内の調査用に小さい船があります。
また、県庁の水産資源課では「天竜」「あまぎ」の2隻で漁業取り締まりを行っています。
また、焼津水産高校では559トンの大型実習船を保有しており、学園の遠洋航海実習に使わせていただいています。

8月21日の「県民の日」には、学園と水産技術研究所の船を公開しています。
ぜひご覧ください。希望者には学園の案内もしますよ。
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見識を広げる

2016年04月20日 13時42分32秒 | 学園紹介
当学園は漁師を育てる訓練校ですが、生徒には見識を豊かにしてもらう機会を作っています。
と言うのも、漁師になれば成人していなくても社会人です。
一角の社会人として巣立ってもらうため、漁業とは違う勉強もしてもらいます。

昨日は、その一つとして中部県民生活センターから消費生活相談員をお招きし、「消費生活出前講座」を行いました。
今回は若者に多い消費トラブルとして、インターネットなどでの通信販売やマルチ商法などについて説明を受けました。

受講した生徒からは
「通販を使うときは気をつけたい」
「クレジットカードを使うようになったら、使いすぎないようにしたい」
などの感想がありました。


学園では水産技術研究所や県庁の水産業局にも講師派遣を依頼しています。
さらに、漁港、港湾、造船所、養殖業の現場なども見学もあり、学園のマイクロバスで出かけます。
見学で出かけた様子も、近いうちにご紹介します。

【静岡県の水産行政】
県庁では経済産業部に水産業局があり、水産振興課と水産資源課で水産業の振興に関する仕事しています。
水産資源を守り、増やしたり、漁協の支援、外国からのお客様の対応など多彩な仕事をしています。
その中でも漁業後継者の育成は施策の柱とも言える重要な仕事です。
そして、当学園は中心的な役割を担っています。
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寮生活

2016年04月19日 13時22分18秒 | 学園紹介
当学園の特徴の一つは全寮制です。
寄宿舎料が不要なので、遠隔地からでも入学がしやすいと思います。

しかし、全寮制にしている理由は他にあります。

これは、漁業の世界に限らないかもしれませんが、せっかく就職してもすぐに辞めてしまう人は少なからずいます。
特に漁業では、漁船という限定された職場空間に長くいることになり、この状況に適応することが必要です。
今まで集団生活を経験してこなかった若者にとって、最初の試練になります。

このため、当学園では寮生活において同じメンバーと昼も夜も生活を共にすることや、集団生活でお互いを尊重し合うことを経験することが重要と考えます。卒業生を採用してくれる船主さんも、寮生活を経験してきたことを高く評価してくれています。
我々学園スタッフにとって、寮を運営することは大きな負担でありますが、漁船員を育てる環境として必要だと考えています。

起床した後は体操して、学園の周辺をランニングです。


ランニングのあとは、清掃して、朝食です。

規則正しい生活をしてもらいます。

そうは言っても、息抜きも必要です。当然、自習時間はありますが

寮での生活は、テレビを見たり、学友と語る時間もあります。


寮は、下宿やアパートと違って、いろいろなルールがあります。
それを守って生活することが、漁業者になる第一歩です。

【寮生活】
以前のブログに書きましたが、私も寮生活の経験があります。
寮では、学校生活だけでは分からない個性が見えてきます。

月曜から金曜まで風呂に入らないやつとか...
成績がトップクラスなのに、勉強をほとんどしないとか...
東大に進学したS君には、寝てる間に糊を頭に塗りつけられて、朝起きたら私の髪の毛が固まってたりとか...

47期生も、寮生活でお互いを深く理解して、漁師になってからも親交を続けてもらえればと思います。
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卒業生の見送り

2016年04月18日 13時10分48秒 | 27年度乗船実習
熊本で起きた地震は、多くの被災者がでています。
東海地震が想定される静岡県にとっては対岸の火事ではありません。
被災者の皆様が一日も早く、日常の生活に戻ることができるよう祈るばかりです。

今日のブログは、遠洋マグロ延縄(はえなわ)漁船の船員になった卒業生の見送りの様子です。

昨年度の卒業生なので、これが処女航海です。
当学園の後援会から、差し入れを渡しました。

学園の生徒諸君は、見送り人数の多さに驚いていました。
マグロ船1隻でも、補給物資や関連会社など多くの人々が関わっていることがわかります。

写真では分かりにくいかもしれませんが、甲板員等の多くは外国人です。

そんな状況ですから、日本人の船員は外国人を束ねるリーダーシップが要求されます。
船主さんから、学園生に期待の言葉をいただきました。

この船は、3ヶ月ほどの航海でメバチなどを漁獲する予定らしいですが、たくさんマグロを捕って、元気に帰港して欲しいと思います。


【延縄漁業】
長い幹縄(みきなわ)から多くの枝縄(えだなわ)が垂れ下がる構造で、枝縄の先に釣り針がついています。
マグロ延縄漁は浮(うき)延縄と言って、枝縄を水面近くに張ります。100km以上の非常に長い幹縄を使う場合もあります。

一方、沖合のキンメダイ漁は底建(そこだて)延縄を使い、深海に住むキンメダイを漁獲します。
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こんな実習も

2016年04月15日 08時59分24秒 | 実習
サバを使って、三枚に下ろす練習をしました。
多くの生徒が魚を下ろしたことがなく、手つきがおぼつきません。
教員が付きっきりで指導です。

「グロい...」と気持ち悪がっている生徒もいました。
これが1年後には「うまそう」に変わるでしょう。

YouTubeに動画もアップしました。
https://www.youtube.com/watch?v=SpKXH7qvOuQ

最近は、漁師の家でも丸ごとの魚を下ろせる人は少ないようです。
ちょっと、寂しいですね。


さて、焼津と言えば、カツオの水揚げが日本一で有名です。
しかし、全国屈指のサバの水揚げ港でもあるんです。
知名度をアップのため、秋には焼津漁港内で「小川港さば祭り」が開催されます。
昨年は1万食の焼ゴマサバが無料!で振る舞われました。
皆さんも、ぜひお越しください。これは昨年のポスターです。
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