北見日記その30・2011年3月11～12日 大海嘯

　11日午後2時46分ごろ、会社で仕事をしていた。
　テレビから緊急地震速報が流れ、数十秒のあと、ものすごくゆっくりした揺れが、相当長い間続いた。
　遠くで大きな地震が起きているのだと思ったが、やはりその通りだった。

　その日は会議があり、終了後はなおらいがあったのだけど、とても飲みに行く気にはなれなかった。筆者の住んでいる地方は、海沿いで数十センチの津波があった程度で、被害はほとんどなかったし、とくにできることもないのだけれど、作業が終わった後も、なおらいには合流せずに、会社のソファのところでテレビをずっと見ていた。

　宮城県の仙台・名取附近で、がれきやごみを含んだ黒い波が水田や道路をどんどんのみこんでいく、空からの映像が繰り返しNHKで流れていた。
　大海嘯だ。
　言葉を失った。

　Twitterもときどき眺めていたが、地震発生後は、筆者のタイムラインは、つぶやきの99％以上がその関連になった。
　「99％」というのは比喩ではなく、フォローしている海外のニュースアカウントも、地震報道になった。画面はものすごい速度で流れ、5時間で3900件を超えた。サッカーの国際大会でもこれほど速くはない。

　実はTwitterはこれまで、流通量が多くなるとしょっちゅうダウンしていたのだが、この夜は一度も落ちなかったようである。

　深夜に帰宅して、はじめて夕食をとっていないことに気がついた。

　12日もいちおう出社している。
　仕事はほとんどないけれど。

　つけっぱなしのテレビからは、陸前高田や、福島県新地町の信じられない映像が流れている。
　跨線橋の近くに電車４輛が散乱している。あるはずの駅舎がない。
　乗っていた人は、どうなっただろう。
（NHK総合テレビによると全員無事だったらしい）