北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■岡嶋和幸写真展「ディングルの光と風」 (8月13日まで)

2008年08月12日 23時05分30秒 | 展覧会の紹介-写真
 アイルランドの小さな半島に取材したカラーおよそ50枚。
 人のうつっているカットは1枚もなくて、草原や海岸、羊たちが被写体になっている。
 この会場ではめずらしく、作品はフィルムではなくて、すべてファインピクスによるデジタル。そのせいか、色調はかなり独特で、彩度を相当におさえている感じ。
 草原の緑も、空や海の青も、鮮やかさをすっかり脱色されて、むしろモノクロームに近いトーンになっている。
 うつっている風景は、なんだか釧路町とか霧多布を思わせる、涼しげで、はるばるとした感じ。

 筆者は考えた。
 この写真の色彩は「リアル」とはいえないだろう。
 でも、ベルビアで撮ったような鮮やかな色調では、作者の見たままの感じを再現できないのだろう。
 だとしたら、リアルとか客観とは、何なのだろう。
 ほんとうの客観というのは、じつは存在しないのではないだろうか。

 とくに、色彩とか味は、おなじものに接していても、とらえ方は人によってさまざまなんじゃないだろうか。

 ただし、物の存在・不存在については、客観がないと困るわけで…。


08年8月8日(金)-13日(水)10:00-18:30
富士フイルムフォトサロン(中央区北3西3、札幌北三条ビル 地図A)

http://kazuyuki-okajima.com/


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。