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「マリ・クレール」につづき「スタジオ・ボイス」も休刊へ。

2009年07月04日 16時19分28秒 | 新聞などのニュースから
 2009年7月1日、各紙に「マリ・クレール」休刊の記事が出ていた。
 3日の朝刊には「スタジオ・ボイス」休刊の記事も載っていた。

 筆者の自宅でバックナンバーの多い雑誌ベストスリーは
「美術手帖」「マリ・クレール」「スタジオ・ボイス」
である。
(あと、「Intercommunication」もかなりそろっているけれど、これも昨年休刊した)
 近年は書架があふれかえっているので、ほとんど雑誌を買わなくなってしまっているとはいえ、やはりさびしい。

 次に引用するのは、毎日新聞。

 女性向けの月刊ファッション誌「マリ・クレール」(アシェット婦人画報社)が7月28日発売の9月号で休刊することが30日分かった。「マリ・クレール」はフランスで出版されている同名誌の日本語版。82年に中央公論社(現中央公論新社)が創刊、角川書店を経て、アシェット婦人画報社が出版していた。日本雑誌協会によると、09年1~3月の平均印刷部数は3万部。80年代後半は吉本ばななさんの小説「TUGUMI」も連載された。


 所蔵している「マリ・クレール」はほとんど1989-94年のころのものだ。
 いちおう「女性向けの月刊ファッション誌」ではあるのだが、当時は、「スーパーエディター」を自称する編集者安原顕が采配を振るって好き放題にやっていたので、吉本隆明や荒俣宏、筒井康隆が連載をもち、浅田彰や中沢新一が対談などに登場し、淀川長治や蓮實重彦が映画を語るという、すごい雑誌になっていたのだ。
 書評も長尺になり、みすず書房や岩波の学術書が取り上げられていた。
 しかし、グラビアなどはファッション誌の体裁を保っていた。
 文学・思想の雑誌といえば活字が詰まっているという印象が強いが、「マリ・クレール」は、欧州の街並みを撮ったカラー写真の印刷も美しく、読んでいるとじつにぜいたくな時間を過ごしているように感じられたものだ。
(じぶんが知的になったように錯覚していただけかもしれないが)

 アート関係の特集は意外と少なかったと思うが(あとで調べます)、マン・レイの恋人で写真家だったリー・ミラーとか、ジャン・コクトーの特集号は、非常に重宝した。


 「STUDIO VOICE」は、サブカル雑誌といっていいだろう。
 活字は細かく、ビジュアルは大きめ-という大胆なレイアウトは、読むのが大変だったし、あとあとまで引用される文章が載ったりしたこともあまりなかったと思うが、毎号の特集は確実にその時代の「空気」を反映していた。
 カルチャーの雑誌だから、音楽とならんで、アートや写真もけっこうとりあげられていて、とくに筆者は、「旅とアート」の特集号、好きだったな。


 それにしても、インターネットが既存のメディアを根絶やしにしていくことは予想できていたとはいえ、雑誌がこれほど急激になくなっていくとは思わなかった。


「スタジオボイス」が休刊(時事通信) - goo ニュース

 現代文化を扱う月刊誌「スタジオボイス」が9月号(8月6日発売)で休刊することが3日、分かった。発行元のINFASパブリケーションズは「部数の低迷や広告減などから判断した」としている。1976年創刊。発行部数は最高で約10万部だったが、最近は3、4万部に減っていたという。最終号はカメラ特集の予定。 


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2 コメント

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こっこのスタジオボイスは (わたじゅん)
2009-07-04 21:44:05
私があげたものですか?
スタジオボイスって、かっこいいけど紙質はざらざらしてて、背景が写真の濃い部分だったりすると小さい文字が更に潰れて読みにくかったですね。1993年の再生前のYMO特集なら今でも持ってるぞ。
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そうです♪ (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2009-07-05 07:07:56
いま思うと、この選択は適切だったかどうか(笑)。
アニメの特集はこの号ぐらいのもので、もっとオシャレなイメージの雑誌でした。
「From The Dark Room」というモノクロ写真の特集とか、「Scandinavia」では北欧のアートや音楽などをとりあげてましたねー。
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