(承前)
RISING SUN ROCK FESTIVAL IN EZO 2017(ライジングサン・ロックフェスティバル)について、前項ではチケットと天候の話しかしていませんので、もう少し書き足しておきます。
ことしも駐車場の券が確保できなかったため、路線バスで現地へ。
JR手稲駅の北口から、FOREST GATE に近い停留所まで行く系統が、1日1本だけあり、すわって行けます。あまり有名になって、来年から混雑すると困るので、詳細はひかえますが、笑っちゃうほど近いです。
しかし、笑っていられたのもバスを降りるときまで。
セイコーマートで雨がっぱを購入し、受付に向かいます。
このときは、雨がっぱ程度でしのげると思って会場へ入ったのですが、後の祭り。
長靴なしでは会場内の移動が大変でした(これについては前項でくどくどと記した通り)。なにせ、FOREST GATE から筆者のグループが拠点を構えているテントサイトまで、徒歩でゆうに30分はかかるのです。
なぜか受付で、毎年受け取っているポケットサイズのスケジュール表をもらえませんでした(しばらくしてから気づいた)。
天気が良ければ会場内を散歩したり、オフィシャルグッズを買うために並んだりするのですが、とうていそんな気分にはなれず、ローソンでビールを買って、ターフの中で飲んでいた午前中でした。
午後から七つのステージなどで演奏が始まります。
SCOOBIE DO(Red Star Field)
→奥居香、じゃなかった岸谷香(def garage)
→back numbaer(Sun Stage)
→久保田利伸(同)
→OLDCODEX(Earth tent)
→CORNELIUS(Red)
→NOT WONK(同)
このうち、コーネリアスについては、もともと聴く予定がなく、レッドスターフィールドの横を通りがかったら、映像と素晴らしくシンクロしていたシャープな演奏をしているバンドがあり、それがCORNELIUS(コーネリアス)だったというわけ。
岸谷香は、言わずとしれた、日本のガールズバンドの草分けで1980~90年代に絶大な人気を誇った「プリンセスプリンセス」のボーカルでしたが、筆者はべつにプリプリのファンだったわけではありません。
20代の頃、街かどやラジオからよく流れていて、ベスト盤を買って時々カーステレオで聴く程度でした。
ただ、この1週間前に、ポンペツ藝術要塞に行ったときのこと。
車内で、カセットテープに入っていたプリプリの「M」を聴いて、なぜかたいへん感動してしまったのです。
これは、ライジングサンでも歌ってくれるんじゃないか。そう思って、def garage まで駆け付けたのです。
ステージの前に集まっているのは、50歳前後の男女ばかり。
よく見ると、頭髪は薄くなり、顔の皮膚には染みが浮かび、腹が出ている人が多く、会場の中では明らかに雰囲気が違っています。
自分も他人からはこんなふうに見えているんだな…と思うと、なんだか暗い気分になってきました。
ステージは最初から最後までひとりで、サポートは一切なし。
まず、プリプリ時代の大ヒット曲「世界でいちばん熱い夏」のキーボード弾き語りから始まり、途中はギターに切り替えました。
曲間のMCも
「ことしで50になります」
「えーっ!?」
「あら、うれしい。48くらいに見えるかしら」
と慣れたものです。
キーボードに戻った後、「M」は、最後の曲でした。筆者は、きっと最後には歌ってくれるだろうという確信がありました。正直なところを言えば、いまの彼女の声を張り上げるような歌い方はあまり好きではなく、プリプリ時代の素直な唱法のほうがずっといいと感じています。とはいえ、歌ってくれたことにいたく満足しました。
その後で、いったん引き上げた彼女が小走りに戻ってきて
「グッドニュース、もう1曲やる時間があるんだって。何やろうかな」。
客席からすかさず
「ダイアモンド!」。
そりゃそうだよな。
ひいき目なしに見ても「ダイアモンド」と「M」は、日本のシングル史上最強のカップリングのひとつであることは、疑いありません。
リリース当時は8センチシングルだったんだよなあ。
しかし、ロックの「今」ではなく、こんな懐古的な文章を書いているということ自体に、自分の老化をひしひしと感じます(苦笑)。
(この項続く)
RISING SUN ROCK FESTIVAL IN EZO 2017(ライジングサン・ロックフェスティバル)について、前項ではチケットと天候の話しかしていませんので、もう少し書き足しておきます。
ことしも駐車場の券が確保できなかったため、路線バスで現地へ。
JR手稲駅の北口から、FOREST GATE に近い停留所まで行く系統が、1日1本だけあり、すわって行けます。あまり有名になって、来年から混雑すると困るので、詳細はひかえますが、笑っちゃうほど近いです。
しかし、笑っていられたのもバスを降りるときまで。
セイコーマートで雨がっぱを購入し、受付に向かいます。
このときは、雨がっぱ程度でしのげると思って会場へ入ったのですが、後の祭り。
長靴なしでは会場内の移動が大変でした(これについては前項でくどくどと記した通り)。なにせ、FOREST GATE から筆者のグループが拠点を構えているテントサイトまで、徒歩でゆうに30分はかかるのです。
なぜか受付で、毎年受け取っているポケットサイズのスケジュール表をもらえませんでした(しばらくしてから気づいた)。
天気が良ければ会場内を散歩したり、オフィシャルグッズを買うために並んだりするのですが、とうていそんな気分にはなれず、ローソンでビールを買って、ターフの中で飲んでいた午前中でした。
午後から七つのステージなどで演奏が始まります。
SCOOBIE DO(Red Star Field)
→奥居香、じゃなかった岸谷香(def garage)
→back numbaer(Sun Stage)
→久保田利伸(同)
→OLDCODEX(Earth tent)
→CORNELIUS(Red)
→NOT WONK(同)
このうち、コーネリアスについては、もともと聴く予定がなく、レッドスターフィールドの横を通りがかったら、映像と素晴らしくシンクロしていたシャープな演奏をしているバンドがあり、それがCORNELIUS(コーネリアス)だったというわけ。
岸谷香は、言わずとしれた、日本のガールズバンドの草分けで1980~90年代に絶大な人気を誇った「プリンセスプリンセス」のボーカルでしたが、筆者はべつにプリプリのファンだったわけではありません。
20代の頃、街かどやラジオからよく流れていて、ベスト盤を買って時々カーステレオで聴く程度でした。
ただ、この1週間前に、ポンペツ藝術要塞に行ったときのこと。
車内で、カセットテープに入っていたプリプリの「M」を聴いて、なぜかたいへん感動してしまったのです。
これは、ライジングサンでも歌ってくれるんじゃないか。そう思って、def garage まで駆け付けたのです。
ステージの前に集まっているのは、50歳前後の男女ばかり。
よく見ると、頭髪は薄くなり、顔の皮膚には染みが浮かび、腹が出ている人が多く、会場の中では明らかに雰囲気が違っています。
自分も他人からはこんなふうに見えているんだな…と思うと、なんだか暗い気分になってきました。
ステージは最初から最後までひとりで、サポートは一切なし。
まず、プリプリ時代の大ヒット曲「世界でいちばん熱い夏」のキーボード弾き語りから始まり、途中はギターに切り替えました。
曲間のMCも
「ことしで50になります」
「えーっ!?」
「あら、うれしい。48くらいに見えるかしら」
と慣れたものです。
キーボードに戻った後、「M」は、最後の曲でした。筆者は、きっと最後には歌ってくれるだろうという確信がありました。正直なところを言えば、いまの彼女の声を張り上げるような歌い方はあまり好きではなく、プリプリ時代の素直な唱法のほうがずっといいと感じています。とはいえ、歌ってくれたことにいたく満足しました。
その後で、いったん引き上げた彼女が小走りに戻ってきて
「グッドニュース、もう1曲やる時間があるんだって。何やろうかな」。
客席からすかさず
「ダイアモンド!」。
そりゃそうだよな。
ひいき目なしに見ても「ダイアモンド」と「M」は、日本のシングル史上最強のカップリングのひとつであることは、疑いありません。
リリース当時は8センチシングルだったんだよなあ。
しかし、ロックの「今」ではなく、こんな懐古的な文章を書いているということ自体に、自分の老化をひしひしと感じます(苦笑)。
(この項続く)