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順子・真知子・萬寿夫展(5月20日終了)

2006年05月20日 21時49分22秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 富良野の小林順子さん、垣脇真知子さんが、札幌の新道展会員・佐藤萬寿夫さんとひらいた絵画展。ほとんどが20号以下の小品です。

 佐藤さん「'06風の旋律(小満)」は、北方の抒情をただよわせる佳作で、今回の展覧会で唯一の大作。水色の横長の画面に、木々を思わせる帯が並びます。絵の具の飛沫で覆われたキャンバスの上にガーゼを貼り、ガーゼをさわやかなミントグリーンに塗ったあと、帯の形を切り抜いて制作したようです。マスキングに似た効果を上げています。
 一方、「PARISの想い」(同題2点)は、佐藤さんにはめずらしい具象画の小品。青い夜の闇の中に、あるいは霧の中に、街並みと街燈が浮かび上がる、抒情的な作品です。
 このほか「花の想い」も出品。
 
 垣脇さんは、複数の画風を使い分けているようです。
 静物画「織の想い」(同題2点)は、とりわけ、銀色の食器やりんごの質感が、アカデミックともいえる確かな筆致で描かれています。
 「夜明け」「秋」は、手前は静物画ですが、バックには簡略化された木々が描かれ、バックの空はあざやかな赤です。
 「夏の花」(同題2点)は、原色に近い色が使われ、同じ人とは思えない作品です。
 ほかに「つぼ」「とっくり」「九月の花」。

 小林さんは、林や畑の織りなす北海道らしい風景を再構成して、はるばると広がりのある画面をつくりだしています。「風道の畑」などは、とりわけ黄緑がさわやかです。
 「名残の雪」ではピンクと青が響きあっています。よく見ると、2匹のウサギのようなシルエットも見えます。
 また、「風のざわめき」は、飛沫が全面に散って、抽象画のようです。
 ほかに「早春」「夏の丘」「里の桜」「無想」。 

5月15日(月)-20日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)、
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)。 


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