解体作業が始まろうとしている北海道百年記念塔(札幌市厚別区)の設計者として知られる井口健(いぐち・たけし)さんの訃報が、1日の北海道新聞に載っていました。84歳でした。
井口さんは檜山管内今金町生まれ。1967年に道が募集したコンペで、黒川紀章らを押しのけ見事採用されました。もっとも予算の関係で、井口さんのプラン通りには実現しなかった部分があることや、激しい議論の末に解体が決まったことなどは、皆さんもご存じと思います。
晩年は百年記念塔をめぐって脚光が当たる格好となり、市立小樽文学館での意欲的なグループ展への参加、ギャラリー創(札幌市中央区)での個展など、活躍されていました。
ほかに、インディギルカ号遭難記念碑(宗谷管内猿払村)などの作品があります。
ご冥福をお祈りします。
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