北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

Snow Flakes in Sapporo II (2月11日で終了)

2008年02月13日 00時15分20秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 あちゃー、速報を書いたら安心してしまって、エントリのアップがおくれてしまいました。

 2006年の札幌アートステージで、地下鉄大通-バスセンター前間のコンコースで繰り広げられた、オランダのアーティスト、カミール・フェルシュフーレンさんによる「SAPPORO II」が、今回の発端のようです。
 上記の発表はいささかコンセプチュアルな色調のものでしたが、今回のプロジェクトは、じつはシンプル。

1.汚れていない雪をゲットする
  ↓
2.ふるいにかけてさらさらの雪にし、路面にまく
  ↓
3.そこに、雪の結晶のかたちをした板をスタンプのように押していく

 雪印のマークみたいなかたちが路上にぽんぽんとならんでいきます。

 会場はロードヒーティングが作動しているので、雪の結晶のマークは、何時間もしないうちに消えてなくなります。

 まあ、他愛ないっていえば他愛ないんですが、たのしい試みだと思います。

 また、ことしは、2月上旬までの気温がひくく、雪解け水が道路に流れて泥水となり道路わきの雪山がよごれることがなかったのも、このプロジェクトには幸いしたと思います。


 それにしてもことしは
「雪でアート」
のとりくみが、いつにもまして目立ちます。
 筆者は行けませんでしたが(涙)SNOW SCAPE MOERE IIIや、今週は岩見沢で展開するカナコ雪造カンパニー、それに道都大の田中康晃さんの作品など、形態もさまざま。
 1、2の両日に旭川や上富良野などで展開された「ウィンターサーカス2008 in 大雪・富良野ルート」というのもあったようです(札幌ではあまり報道・紹介されていないようですが)。

 これらのアートは、もちろん、名高い「さっぽろ雪まつり」がそうであるように、寒いために閉じこもりがちな冬を楽しもう-という、前向きの発想があることはたしかです。
 しかし、見方を変えると
「すぐに消えてなくなる」
というのも、案外重要なポイントではないかという気がします。
 これまでのアートは
「作者の寿命を超えて末永く残る」
ということが、とくに絵や彫刻の場合は一般的でしたし(パフォーマンスやランドアートなどの場合は残らない方が多いですが)、それがわたしたちの有限な生にとって慰藉になってきた一面もあると思います。
 しかし、「末永く残る」ことが、逆に、わたしたちの生や地球環境にとって負荷になる場合もあることも、否定できません。
 本体はすっぱりなくなり、記録と記憶だけが残る。そういうスタイルの造形も、潔いのではないでしょうか。
 

08年2月9日(土)-11日(月)午後
PARCO札幌店裏のシャワー通り(中央区南1・2西3) 


□エスエアblog http://sair.exblog.jp/7235352/

このプロジェクトの予告

札幌の美術2003(小川さんが出品。画像なし)
01年の個展(画像なし)


最新の画像もっと見る

2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
儚さ (shino)
2008-02-13 10:41:19
とても興味あったイベントで、アップ嬉しいです。
「すぐに消えてなくなる」からこそ、というご指摘に、どきっとしました。
きっとこの上を踏んで通っていった人もいるのではないでしょうか・・・
そうやって消えていく雪の結晶もまた、重ね合わせるイメージが膨らみそうです。
返信する
shinoさん、こんばんは (ねむいヤナイ@北海道美術ネット)
2008-02-13 23:54:08
いつもコメントありがとうございます。
リンク先のエスエアのブログにいっぱい写真が出ているので、見てみてください。
車に踏まれてる結晶マークの写真もありますよ。

物体は消えても、記憶は残ります。
逆よりはいいのかなと思います。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。