札幌国際芸術祭の記者発表が2月7日午後、道立近代美術館で開かれました。
筆者は、本来札幌にいるのがおかしいので、こっそり聞きに行く心づもりでしたが、めがねがくもってあたふたしているうちに、最前列の次の列に案内されてしまいました。
発表された参加アーティスト第1弾は次のとおりです。
札幌市民交流プラザ
Re : Senster (Poland)
Cod. Act (Switzerland)
モエレ沼公園
三上晴子
ジュリアン・シャリエール (Switzerland)
中崎透
持田敦子
札幌芸術の森
スザンヌ・トレイスター(UK)
キャロリン・リーブル & ニコラス・シュミットプフェラー(Genmany)
北海道立近代美術館
一原有徳
神田日勝
後藤拓朗
大槌秀樹
mima 道立三岸好太郎美術館
青山悟
原良介
三岸好太郎
札幌市資料館
プシェミスワフ・ヤシャルスキ(Poland)
ライナー・プロハスカ(Austria)
村上慧
500m美術館
クラウス・ポビッツァー (Italy)
今回は公式のYoutube live中継などがなく、twitter の#SIAF2020 タグはさびしかったなあ。
前回の、狸小路での記者発表(あれから3年以上たってるとは!)のときは、アーティストの発表のたびにおどろきのツイートなんかがあったんですけどね。
今回は19組が発表されましたが、統括ディレクターの天野太郎さんによると、最終的には40~50組ぐらいになりそうとのこと。
そのうちの半分は、メディアアートの関連アーティストになるとの見通しも述べていました。
「メディアアートのレジェンド」的な発表が2組。
一つは、「Re : Senster」。
1968年に発表された「幻の動く彫刻」ですが、その後所在が不明となり、2014年に衛星写真で発見されて修復が行われていたというもの。
昨年、ポーランドで一般に公開され、札幌はその次の公開となります。
半世紀以上前でありながら、観客に反応するインタラクティブ(双方向性)な機構を備えているとのことです。
もう一つは、三上晴子。
彼女が2015年に世を去る前に制作した、監視カメラやロボットアーム、インターネットなどを織り交ぜたインタラクティブなインスタレーション「欲望のコード」を、後輩たちがバージョンアップした上で、発表します。
ジュリアン・シャリエールは、モエレ沼の雪倉庫で、北極圏の氷雪溶解をテーマにした壮大な作品を発表しています。
中崎透さんは、いまのところ唯一の「2回連続出場」です。
記者発表では、SIAF2020 の三つの特徴が挙げられていました。
1) メディアアーツ都市のメディアアート
2) コレクションとSIAFの融合
3) 札幌ならではの芸術祭
なぜか神田日勝、三岸好太郎、一原有徳の故人3人が挙げられているのは2) の絡みでしょう。
「会場の美術館などが埒外になってしまうのが気になる」
という天野さんのことばはよくわかるのですが、芸術祭・トリエンナーレという枠組みを考えると、「見せ方」「キュレーティング」にはかなり意を用いないと、よくわからなくなってしまうのでは…。
(とくに神田日勝は、ことし近代美術館で回顧展が東京ステーションギャラリーから巡回してくるしなあ)
3)は、アイヌ民族との協調や、会期中にさっぽろ雪まつりがあることなどが、念頭にあるようです。
記者発表では
「今年みたいに雪がなかなか降らなかったら?」
という質問も出ていました。
これは、各アーティストが、「ある場合」「ない場合」を考えながら、プロジェクトなり作品なりを展開していかなくてはならないということで、天野さんによると、皆さん、アタマをひねっているとのこと。
個人的には、前回があまりに楽しすぎたので、次回がどんなものになるのか、具体的なイメージが脳裡にまだ像を結んでこないというのが正直な気持ちです。
案外、わりとオーソドックスな「美術展」になりそうな予感もしつつ、最新のメディアアートが、わたしたちに鋭い現代的な問いを突きつけてくるものになるかもしれない―など、いろいろなことを考えながら、話を聞いていたのでした。
(以下追記)
前回までに、会期やテーマなどは発表されています。
Sapporo International Art Festival 2020(英語)
Usa Mosir un Askay utar Sapporo otta Uekarpa(アイヌ語)
2020年12月19日(土)から2021年2月14日(日)までの58日間
テーマ 「Of Roots and Clouds:ここで生きようとする」
Sinrit/Niskur(アイヌ語)
公式サイト http://siaf.jp/
筆者は、本来札幌にいるのがおかしいので、こっそり聞きに行く心づもりでしたが、めがねがくもってあたふたしているうちに、最前列の次の列に案内されてしまいました。
発表された参加アーティスト第1弾は次のとおりです。
札幌市民交流プラザ
Re : Senster (Poland)
Cod. Act (Switzerland)
モエレ沼公園
三上晴子
ジュリアン・シャリエール (Switzerland)
中崎透
持田敦子
札幌芸術の森
スザンヌ・トレイスター(UK)
キャロリン・リーブル & ニコラス・シュミットプフェラー(Genmany)
北海道立近代美術館
一原有徳
神田日勝
後藤拓朗
大槌秀樹
mima 道立三岸好太郎美術館
青山悟
原良介
三岸好太郎
札幌市資料館
プシェミスワフ・ヤシャルスキ(Poland)
ライナー・プロハスカ(Austria)
村上慧
500m美術館
クラウス・ポビッツァー (Italy)
今回は公式のYoutube live中継などがなく、twitter の#SIAF2020 タグはさびしかったなあ。
前回の、狸小路での記者発表(あれから3年以上たってるとは!)のときは、アーティストの発表のたびにおどろきのツイートなんかがあったんですけどね。
今回は19組が発表されましたが、統括ディレクターの天野太郎さんによると、最終的には40~50組ぐらいになりそうとのこと。
そのうちの半分は、メディアアートの関連アーティストになるとの見通しも述べていました。
「メディアアートのレジェンド」的な発表が2組。
一つは、「Re : Senster」。
1968年に発表された「幻の動く彫刻」ですが、その後所在が不明となり、2014年に衛星写真で発見されて修復が行われていたというもの。
昨年、ポーランドで一般に公開され、札幌はその次の公開となります。
半世紀以上前でありながら、観客に反応するインタラクティブ(双方向性)な機構を備えているとのことです。
もう一つは、三上晴子。
彼女が2015年に世を去る前に制作した、監視カメラやロボットアーム、インターネットなどを織り交ぜたインタラクティブなインスタレーション「欲望のコード」を、後輩たちがバージョンアップした上で、発表します。
ジュリアン・シャリエールは、モエレ沼の雪倉庫で、北極圏の氷雪溶解をテーマにした壮大な作品を発表しています。
中崎透さんは、いまのところ唯一の「2回連続出場」です。
記者発表では、SIAF2020 の三つの特徴が挙げられていました。
1) メディアアーツ都市のメディアアート
2) コレクションとSIAFの融合
3) 札幌ならではの芸術祭
なぜか神田日勝、三岸好太郎、一原有徳の故人3人が挙げられているのは2) の絡みでしょう。
「会場の美術館などが埒外になってしまうのが気になる」
という天野さんのことばはよくわかるのですが、芸術祭・トリエンナーレという枠組みを考えると、「見せ方」「キュレーティング」にはかなり意を用いないと、よくわからなくなってしまうのでは…。
(とくに神田日勝は、ことし近代美術館で回顧展が東京ステーションギャラリーから巡回してくるしなあ)
3)は、アイヌ民族との協調や、会期中にさっぽろ雪まつりがあることなどが、念頭にあるようです。
記者発表では
「今年みたいに雪がなかなか降らなかったら?」
という質問も出ていました。
これは、各アーティストが、「ある場合」「ない場合」を考えながら、プロジェクトなり作品なりを展開していかなくてはならないということで、天野さんによると、皆さん、アタマをひねっているとのこと。
個人的には、前回があまりに楽しすぎたので、次回がどんなものになるのか、具体的なイメージが脳裡にまだ像を結んでこないというのが正直な気持ちです。
案外、わりとオーソドックスな「美術展」になりそうな予感もしつつ、最新のメディアアートが、わたしたちに鋭い現代的な問いを突きつけてくるものになるかもしれない―など、いろいろなことを考えながら、話を聞いていたのでした。
(以下追記)
前回までに、会期やテーマなどは発表されています。
Sapporo International Art Festival 2020(英語)
Usa Mosir un Askay utar Sapporo otta Uekarpa(アイヌ語)
2020年12月19日(土)から2021年2月14日(日)までの58日間
テーマ 「Of Roots and Clouds:ここで生きようとする」
Sinrit/Niskur(アイヌ語)
公式サイト http://siaf.jp/