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■塚崎聖子個展 (5月15日で終了)

2010年05月18日 00時09分23秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 塚崎聖子さんは札幌在住。道展の油彩部門にずっと出品を続けてきて、現在は会友。
 個展は2004年以降、2年おきに開いている。ことしの冬に行ったグループ展の出品作も一部あるが、大半が新作で、彼女の新境地をうかがえる興味深い個展だった。

 何が「新境地」かというと…。

 塚崎さんの絵の構図というか世界はこれまで、画面が透視図法で奥へと後退していくのではなく、左右の広がりで主に展開されていたと思う。それは、芝居の舞台にとても似ていた。女の子の背後にいろいろ風景は描かれていても、それは劇場の舞台につり下げられる背景の書き割りのようなもので、前景との有機的なつながりを欠いていた。
 欠いていた、といっても、それは別に非難しているわけではなくて、そういう絵だってあっていいのだ。
 ところが、1月の「春への序奏」展で、奥へと空間が広がっていく絵を作者は出品した。
 正直言って、まだ試行錯誤の段階という感じはしたが、今回の新作を見ると、画面に断然「動き」が出てきて、書き割りっぽさが抜けている。空間の生き生きした感じがぐっと増しているのだ。こりゃおもしろい。




 これが最新作「空を飛ぶ練習(ふあふあした日)」。
 これまでもモデルを務めてきたお嬢さんが、絵画空間を左右に動くだけではなく、縦横斜め上下とさまざまな方向への動きを見せている。
 一方で、彼女の飛行を助けてきた?羽根が一切描かれていない。
 この体勢の人物を描くのは相当難儀だと思うが、不自然さはまったくなく、浮遊感が見ている者にも伝わってくる。

 人間が空を飛ぶ-というテーマは、ことし3月の「サッポロ未来展」の出品作にもあったように、すでに取り組んでいる人がほかにいる。そういう作品とは違うんだというところを見せるためにも、人物の体勢には、独自性を持たせていってほしいと思う。


 出品作は次の通り。
少女 F3
少女立像 F10
冬の日 F4
卓上の花 F10
卓上 F4
想 S100
サンジィミニャーノ M10
サンジィミニャーノ F10
風の番 F6
空を飛ぶ練習(ふあふあした日) F150
想 F10
メテオラの空 F20
空を飛ぶ練習(やさしい風) S100
空を飛ぶ練習(風に乗るメロディー) S100
空を飛ぶ練習(広場にて)P150
メテオラ F10
空を飛ぶ練習(広場)F150

横顔 F4
音色 F4
楽曲 F4
=以上3点は素描


2010年5月10日(月)~15日(土)10:00~6:00(最終日~5:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

「春への序奏」展-いのちの形、そして色-(2010年1月)
塚崎聖子個展(2007年)
塚崎聖子個展(2004年)


(附記)
下記のブログには「道展会員」となっていたので、

ことしの1月にアップされたエントリ
http://saruuni.blog96.fc2.com/blog-entry-26.html
では、塚崎聖子さんは道展会友になっています。

年度途中で推挙とかってあるんでしょうか。

-というコメントを残しておいた。

http://saruuni.blog96.fc2.com/


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