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SIAF2020(札幌国際芸術祭)。延期でもオンラインでもなく、中止なのかーSapporo International Art Festival 2020 Cancelled

2020年07月22日 19時14分09秒 | 札幌国際芸術祭
札幌国際芸術祭2020開催中止のお知らせ Sapporo International Art Festival 2020 Cancelled【News from the Directors】


 30分におよぶこの動画で、事務局長と、ディレクター3人が、中止の理由や現在抱いている思いについて語っているので、ぜひご覧になっていただきたい。
 天野太郎さんはわりと淡々とした口ぶりだが、アグニエシュカ・クビツカ=ジェドシェツカさんと田村かのこさんの話は見ていてもぐっとくるものがあった。

 この映像では22日午前11時に発表したとあるが、筆者のところにメールが届いたのは正午だった。

 個人的には、横浜トリエンナーレがこの状況下で始まっていることもあって、サイアフ(SIAF2020)が中止になるとは思ってもみなかった。
 アートとはちょっと違うが、最先端技術や映像、音楽などコンテンツビジネスの祭典「No Maps」もオンライン中心にシフトして、10月に実施することが21日に発表されたばかりである。

 メディアアートが柱なんだから、それを逆手にとって、オンライン上の芸術祭ということにすれば、「世界初」ということになりかえって話題になるんじゃないかとも、筆者は思った。
 しかし、新型コロナウイルスの影響が深刻になった5月以降、そういう選択肢も考慮に入れた上で、やはり「開催はムリ」という結論に達したようだ。

 そして
「延期ではなく中止」 
なのは、たとえ1年先に延期したとしても、そのときに新型コロナウイルスの感染拡大がどうなっているか、予想もつかないということだった。
(オリンピックの関係者の皆さん、聞いてますか?)

 「国際」芸術祭は、国家間の渡航がまだ本格的に以前のように回復していない現在、アーティストの来日などが難しいことから、そもそも開けないのだろう。


 さて。
 プレスリリースの
「次回「札幌国際芸術祭2023」の開催に向けて検討を進めてまいります。」
という文言がちょっと気になっている。
 「開催に向けた準備を進めてまいります」
という表現なら
「しゃあない、次だ、次」
という気分になるが、「検討」ってなんだろう。
 まさか、開催の是非を検討するんじゃないだろうな。


 それにしても、新型コロナウイルスって、ようするに
・人が大勢集まってにぎわったらダメ
・人があちこち移動したらダメ
ってことなんで、イベントやアートにはたいへんな制約だよなあ。
 つらい。
 それでも、田村かのこさんが言う通り、アート自体にはまだまだ力があると信じたい。


 以下、サイトからの引用でこの記事を終えます。
 このタイミングで追加アーティストの発表があって、これはいろいろびっくりさせられたけど、また稿を改めて。


札幌国際芸術祭実行委員会では、
「札幌国際芸術祭2020」の本年12月の開幕に向けて準備を進め、
9月には参加アーティストや作品等についての最終発表を予定していたところです。
 
しかしながら、世界的に新型コロナウイルス感染症が収束しない中にあって、
渡航制限や移動の自粛等により、展示の準備・実現や、
冬の札幌の魅力と合わせた作品鑑賞が困難となる可能性があること、
また、判断の遅れにより関係者の負担が大きくなること等から、
残念ながら「札幌国際芸術祭2020」を中止することといたしました。

これまで、2年余りの期間をかけて作り上げてきた本芸術祭の企画内容や参加アーティスト、
作品のアイデア等は記録として取りまとめ、
今後、公式ホームページ等で公開する予定です。

札幌国際芸術祭実行委員会は、次回「札幌国際芸術祭2023」の開催に向けて検討を進めてまいります。
どうか今後とも、札幌国際芸術祭にご協力くださいますようお願いいたします。



 中止になったのは、誰も悪いんじゃないよね。
 関係者の皆さま、お疲れさまでした。コンセプトや発表プランのアーカイブ化に向けて、もうひとがんばりですね。


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