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北見市端野町公民館附近の二つのオブジェ 寒い連休(12)

2021年05月18日 08時23分49秒 | 街角と道端のアート
(承前)

 北見市端野町公民館の庭に、なにやら野外彫刻らしきものがあるのは、ことし1月に訪れたときに気づいていましたが、雪で近づけなかったので再訪しました。

 二つの作品があるのですが、いずれも銘板などはついていません。
 また、これらの作品について記されたサイトなどはなく、このブログで何度も参照している「北見ブックレット第13号「北見の彫刻・彫像MAP」」にも紹介されていないので、作者もタイトルもまったくわかりません。
 お手上げです。

 高さ2メートルはありそうな、金属のシャープな造形。
 まわりに石の円柱形が円形に配置されて、日時計を思わせます。

 おなじ北見市の中心部にも、ちょっと似た感じのオブジェが設置されていますが、やはり作者などはわかりません。
 こういうオブジェは彫刻家ではなく、建設業者や都市デザイナーなどが手がけてしまうからかもしれません。


 端野町公民館の玄関から100メートル以上離れた、小高い土地に、コンクリート製のオブジェが立っています。

 平たい四角形が斜めに地面に突き刺さったような形ですが、上方にあいた楕円形の穴と、その上側に取り付けられた波形のひさしのような物体が曲線のため、全体的にはやわらかい印象を受けます。

 向かって左側には、長さが異なる金属製のチューブのようなものが取り付けられています。
 八つのうち、右端のものは外されているようです。


 八つという数から推して、揺らすと、内部につるされている金属片が鳴って、ドレミファソラシドの音階を発する仕組みになっているのではないかと思ったのですが、そのような音はしませんでした。
 完成直後は、ウィンドチャイムのような美しい調べを奏でたのではないでしょうか(ウィンドチャイムはサザンオールスターズの「いとしのエリー」前奏などで使われている楽器です)。
 
 後ろから見ると、こちら側はとくに何もつり下がっておらず、のっぺりと平滑な感じです。

 「台座だけ」
とか
「朽ちていく最中」
とか、ふだんとは異なる様相の彫刻をいくつも見てきた日でしたが、この2点も、これほど巨大な作品なのに、作者も作品名もわからず、設置当時のことも伝わっていないところは、よくある野外彫刻とは違っています。

 由来のわからない作品は、放置されたり朽ちたりするのも、作者名や設置経緯の判明しているものに比べると早いのではないかと危ぶまれます。
 由来の有無は作品そのものの造形とは関係ありません。
 それは、いささかさびしいことではないでしょうか。


 ところで、公民館に続く「屯田の杜公園」には、坂坦道の手になるレリーフや胸像があることは、かなり以前に紹介しました(坂坦道「屯田開拓顕彰像」「加藤弥四郎像」)。
 北海道デジタル彫刻美術館には「美幌町屯田の森公園」に「輝け2世紀」という大型の野外彫刻(作者不詳)があることになっています。
 美幌町にはこのような名の公園はないので、これは「端野町屯田の杜公園」の誤記である可能性があります。

 屯田の杜公園はかなり広いです。
 「輝け2世紀」を探し出すためにまた再訪する必要があるのかもしれません。


過去の関連記事へのリンク
小川研「北の端野に起つ」(北見)





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