昨日のStevens大使の死因は銃撃によるものではなく窒息死だという(ワシントンポスト)。さらに、誰がStevens大使を病院まで搬送したのか不明。リビヤ当局でも大使館関係者でもなかった。いずれにせよ、病院に到着した時には大使は既に死亡していたようだ。また、領事館を取り囲んだデモ隊に重装備の何者か50名ほどが加わり、領事館を襲撃したという。即ち、単純にイスラム教徒の反米デモ隊による偶発的な事件ではなく、周到に準備されたテロの可能性があるようだ。ただ、その黒幕が誰なのかは今の時点では判然としていない。
「アラブの春」を「民主化」として支援した米国の大使が、それもリビア反政府運動の拠点となったベンガジで殺害されるとは、一見皮肉に見えるが、真相はそのような皮相なものではあるまい。中東の闇の中に消えていった一人のベテラン外交官の命、この事件の真実が明らかにされる日は来るのだろうか。