今ではあまり人口に膾炙されていないが、7-8年前にはChina +1という言葉が経済関係では怒涛のように使用されていた。中国への経営資源や収益構造の集中は万一の中国経済あるいは日中関係悪化の際に致命的な打撃を蒙ることになりかねないので、追加の工場建設などの投資は中国以外にすべき、というもの。この動きでベトナムやミャンマー、インドネシア、タイなどが +1の候補となり、特に人件費が安く、中国とは異なって親日的(ベトナムをフランスの植民地から解放した際に日本が一定の役割を果たしたこと)なベトナムが脚光を浴び。集中豪雨的な進出ラッシュが起きたことは記憶に新しい。
ここ数週間の動きをみると、特に株価や為替にも影響が出始めると、China +1というのもいまさらのようにうなずけるところがある。北京五輪やリーマンショック後に経済が失速することなく、また、世界第二の経済大国という虚報に踊らされて初歩的あるいは単純だが健全でもあるといえるDon't put all youe eggs into one basket といったリスクマネジメントを怠ったツケを今払わされている中小企業も多いのではないか。