日本の2大政党の党首選出が行われ、各TV局はスポーツ中継と同様、候補者を並べて視聴者にその人物と政策を提示しようとしている。それを見ていると、今様の政治家の言葉の軽さに改めて驚きを禁じ得ない。思いついたことをそのまま言葉にしているのはまさに子供。昔から、日本は経済一流政治三流と言われてきたが、そう感じさせられる。誰の受け売りか、金融緩和をすれば景気が良くなる、円の為替レートを切り下げれば国際競争力が回復できる、など、戯言も甚だしいが、よもやそれが真実とは思っていないだろう。意味がわかっていないので本人は真顔でそんなことが言える。今の政治家には、自分の言葉に責任を持つというような覚悟はどこにもなく、党首領になるためだけの発言。どうしようもない候補者の中では、特に安倍晋三の暗愚さと言葉の軽さが際立っている。この点では、僅差で石原と野田(政党は異なるが)が安倍を猛追しているようだ。
中国全土で発生している反日という名目の街頭デモをみていると、かつてのプラハの春、ベルリンの壁崩壊、アラブの春などの市民運動を彷彿とさせるものがある。いかに民衆が現状に不満を持っているか(それがどのような名目なのかは問題ではない)、この機会は中国民主化の嚆矢となりうるもので、中国人民にとっても千載一遇の機会であり、この際、日本は米国、英国と共同してこの市民運動を支援してはどうだろう。物理的な支援はできなくても、民主化の正しい方向に向かっていることに注目して精神的な連帯はできるだろう。
史記にあるとおり、轉禍爲福、因敗爲功 である。
民主化の成功に必要なのは大義であり武器をもってしてもこれを抑えることはできないのは歴史の証明しているところ。