ハーバード大学が卒業試験での不正疑惑で揺れている。大学内ではなく自宅での回答作成を許容している試験で、受験者279名のうち、125名の答案に、禁止されている受験生同士の共同回答の痕跡がうかがえる、というもの。実際、受験生の中には学生同士の意見交換や回答合わせが禁止されているという意識が乏しいものもいて、むしろ、大学側の指示が不明確だったと反論する者もいる。さらに、今回の限らず、自宅試験ではほかにもこのようなことが行われたというような発言もあったようだ。
今回のケースを見るにつけ、指示を云々するより、共同研究ならともかく、個人の卒業試験で他の学生と答え合わせを行うとは、世界の大学評価で常にトップクラスにあるハーバードの学生の矜持はどこへ行ったのか、と思う。すでに就職した者もいるという事で、どのような対処をするのか、大学当局の今後の動きが注目される。
