世界七不思議のひとつに必ず取り上げられる英国の古代遺跡ストーンヘンジ。この巨岩列柱がかつて完全な円形だったのか、あるいは意図的に不完全な円形だったのかは考古学者のみならず世界中の人々の関心事だったが、この夏の日照りにより、地上に現れた痕跡によってこれがかつて完全な円形だったことが明らかになった。
地表の草を枯らさないために日照りが続くと散水をするのだが、今年はそのホースが短すぎて外側の列柱に届かず、地表の草が枯れたところでこの痕跡が顕われてきたもので、このような痕跡は一見見えないが地表の変化として極めて長期間のこるものだという。これまでも発掘調査などの案が出されたが、遺跡を損なう惧れがあるために実施できなかった。今回、全く偶然の結果とはいえ、発掘を行わずに謎が解けたという画期的なものである。ホースが短すぎたことに感謝しなければならないだろう。
上空からの写真(英テレグラフ紙掲載の写真)では主に左下側の半円にかつて存在したであろう列石の痕跡がはっきりうかがえる。いつも短いホースで、という訳にはいかないだろうがこの次はどんなきっかけで考古学上の謎が解き明かされるのか楽しみだ。