クレジットカードによる買い物、特にインターネットを経由した電子購買にクレジットカードが使われることが浸透してゆくにつれて、人々のカネに対する価値がわからなくなるといった問題があるのではないか、というテレグラフ紙の記事。
クレジットカードにより、ついつい身の丈に合わない浪費をしてしまうのは意志の弱さと片づけられるにしても、クレジットカードの信用情報が、たとえ誤りであったにしても回復までに時間がかかり、その間にその人間を経済的な死刑宣告まですることになりかねないといった不安や、盗難・偽造による被害、不利益は現金社会では考えられないものになっている。
一方、この記事に対する反応は、こんなに便利なキャッシュレス社会を否定するのは愚か者、といった非難が圧倒していたのはいささか意外。これらは消費を鼓舞しようとするアマゾンや楽天、あるいは大企業、金融機関による意図的な反応なのだろうか?あるいは、すでにキャッシュレス社会が浸透してしまったのか。
額に汗して得た収入が電子的な決済によって一瞬にして支払われてしまうというのは、どこか非人間的であり、さらにはおカネのリアルな重要さをはぎ取ってしまうようにも思える。