回顧と展望

思いついたことや趣味の写真などを備忘録風に

オーケストラ!(あるいはコンサート)

2015年02月06日 16時13分51秒 | 日記

このところロシアについて書くことが多いのだが、今日NHK BSで放送された2009年のフランス映画オーケストラ(原題はコンサート)はブレジネフ時代のソ連から始まった物語でここ30年余りの現代史が垣間見えて興味深い作品だった。記憶のかなたに去ってしまったようなブレジネフ時代のソ連が、その独裁政治、思想統制の激しさが今の北朝鮮なみだったことがよく分かる。チャイコフスキーのコンサート開催までを描くこの映画すこしドタバタに過ぎる面もあり、また、アメリカ映画のようなハッピーエンドにはいささか白けてしまったが、かといってソ連時代の抑圧をあまりに正面から立ち向かったのでは息が詰まる。結局こういったヒューマニズムをちりばめたものにならざるを得ないのだろう。

残念なのは、モスクワもパリも表面的にしか描かれておらず、それぞれの都市の持つ味わい深さは感じられなかったことだ。極端な言い方だが、都市の趣きといった点ではトム・クルーズ主演のミッション・インポッシブル・ゴールドプロトコルで描かれたモスクワのほうが上のような気がした。

この映画、しかし出演の俳優の演技については一流だったことは確かだと思う(もっとも、オーケストラを指揮しながら、視線はソリストにばかり向けているこんな指揮者がいるとは思えないが・・・)。

コメント
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