DVDに録画した洋画やテレビドラマを、最近毎日2,3時間嗄声して楽しんでいる。仕事が現役のころはとても再生して楽しむ時間が取れなかったせいもあって、もう毎日楽しくてたまらない。今日見る予定は、韓流の朱蒙にビッグの連続ドラマ。昨日見たのはメル・ギブソンの映画。実は現役のころ、深夜専門の弁当製造工場で働いていた関係で、リアルタイムにテレビを楽しめなかったので、気になった番組は、とにかく予約録画の日々だったのだ。最初はVHSだったが、すぐ劣化してしまうので(実は格安のビデオテープを買っていたせいもあって)、DVDに変えた。そしてたまりにたまった洋画とテレビドラマの録画、1000本以上もある。定年後時間が出来たので鑑賞を始めたが、面白い作品は何度も見てしまうから、なかなか次へ進まない。昨日もギブソンのマッドマックスを楽しんでいて、(ちなみにマッドマックスは再生6回目、なんたって面白くてやめられな~い!のだ。見終わったとき、ふっと不安を覚えた。テレビのそばに積み上げたDVDの山を見て大きなため息をついてしまった。(…このDVD、全部見られないよな。もう66だから、残る人生……!)とても見終わらないのは確実だ。もったいないなあ、なけなしの小遣いはたい録画機やなんやかやと買い集めたんだよな。ああー!むなしいーなあ!
風邪引きやすさ血液型は無関係
「風邪引きやすいのはな、感受性が強いからなんだぞ」
まじめな顔で力説し始めた夫。家族の誰かがかかると、すぐに貰ってしまう夫を、わたしが笑いながらからかったからです。
「どうせわたしは感受性の鈍い女ですからね」
「そりゃそうだよ。お前はAB型だから、いつでもクールなのは仕方ないさ。しかしオレはB型だからな、感受性の塊なんだ、本来」
夫の十八番、血液型による気質判定が口をつくと、もう止まりそうにありません。まさか血液型で風邪引いたり引かなかったりするわけじゃないのに、とあきれてしまうわたし。それに夫は風邪を引くともう大変。重病人みたいに徹底して甘えるから始末が悪い。
「おい、水マクラ」「おかゆがいい」「なんか甘いもん」「病人なんやぞ、もっと大切に扱え」と、もうワガママばかり。
それでもわたしが風邪引きの場合は「熱ないやないか」とか「風邪くらいで怠けるな」と散々。
これがAB型とB型の根本的な差って言うの?
(神戸・1990・1・5掲載)
「風邪引きやすいのはな、感受性が強いからなんだぞ」
まじめな顔で力説し始めた夫。家族の誰かがかかると、すぐに貰ってしまう夫を、わたしが笑いながらからかったからです。
「どうせわたしは感受性の鈍い女ですからね」
「そりゃそうだよ。お前はAB型だから、いつでもクールなのは仕方ないさ。しかしオレはB型だからな、感受性の塊なんだ、本来」
夫の十八番、血液型による気質判定が口をつくと、もう止まりそうにありません。まさか血液型で風邪引いたり引かなかったりするわけじゃないのに、とあきれてしまうわたし。それに夫は風邪を引くともう大変。重病人みたいに徹底して甘えるから始末が悪い。
「おい、水マクラ」「おかゆがいい」「なんか甘いもん」「病人なんやぞ、もっと大切に扱え」と、もうワガママばかり。
それでもわたしが風邪引きの場合は「熱ないやないか」とか「風邪くらいで怠けるな」と散々。
これがAB型とB型の根本的な差って言うの?
(神戸・1990・1・5掲載)
遊びで育つ子どもに感激
今年の夏休みは長女が新一年生、長男が幼稚園と進んだせいで、子どもも親も何やかやと結構忙しい毎日を送っています。
一日の始まりはラジオ体操で、6時にはもう起きた子どもたちは元気よく飛んで行き、1時間近く帰ってきません。ときには2時間近く帰らないときもあり、ちょっぴり心配して、「ラジオ体操が済んだら、どうしてるの?」と長男に尋ねると、「お兄ちゃんらと遊んでるの、面白いよ」といかにも嬉しそうに答えます。どうやらラジオ体操より、その後でみんなと遊び回る方が目当てのような口ぶりです。
その後も、時間を惜しむように暑い中を元気よく遊びに出かける子どもたち。疲れやしないかと心配するのは親ばかりのようです。子どもたちが遊ぶのに限界はないみたい。
それに、子どもたちの話を聞いていると、遊ぶ相手は年齢にかかわりなく意外に幅広いのです。そして、いろんな遊びや情報を自然に得て来ているのに感激したのです。
子どもにとっての遊びは、大人の仕事と同格の意味を持っているようです。この夏休みを思い切り遊んで成長する子どもたち。うん、勉強は後回しでいいや、なんて見守るわたしなのです。
(神戸・1990・8・24掲載)
今年の夏休みは長女が新一年生、長男が幼稚園と進んだせいで、子どもも親も何やかやと結構忙しい毎日を送っています。
一日の始まりはラジオ体操で、6時にはもう起きた子どもたちは元気よく飛んで行き、1時間近く帰ってきません。ときには2時間近く帰らないときもあり、ちょっぴり心配して、「ラジオ体操が済んだら、どうしてるの?」と長男に尋ねると、「お兄ちゃんらと遊んでるの、面白いよ」といかにも嬉しそうに答えます。どうやらラジオ体操より、その後でみんなと遊び回る方が目当てのような口ぶりです。
その後も、時間を惜しむように暑い中を元気よく遊びに出かける子どもたち。疲れやしないかと心配するのは親ばかりのようです。子どもたちが遊ぶのに限界はないみたい。
それに、子どもたちの話を聞いていると、遊ぶ相手は年齢にかかわりなく意外に幅広いのです。そして、いろんな遊びや情報を自然に得て来ているのに感激したのです。
子どもにとっての遊びは、大人の仕事と同格の意味を持っているようです。この夏休みを思い切り遊んで成長する子どもたち。うん、勉強は後回しでいいや、なんて見守るわたしなのです。
(神戸・1990・8・24掲載)
初めて貰った娘の“通知表”
今年一年生になった長女が、夏休みを前にもらって来た通知表。名称こそ“あゆみ”となっているが、中身はやっぱり成績表です。
「わずか4か月で子どもたちも3段階に分けられてしまうなんて、やっぱり酷だよな」
夫が通知表を見ながらブツブツ言ってます。わが娘が人の前ではものすごく緊張してしまう性格を知っているだけに、もっと学校生活に慣れた時にこそ評価しないと不公平だと言うのが夫の意見です。
「人前であがってしまう性格はおれ譲りだからな。ただ昔は勉強の進み具合が結構ゆっくりしていたから、そんなおれも落ちこぼれずに済んだんだ。いまの子は大変だよな」
わが子になにもしてやれないというジレンマが、夫をえらく感傷的にさせていたようです。
「おっ!こいつ一日も休まずに学校行ってるじゃないか。うんうん、えらいぞ!」
夫は、やっとわが子を褒めてやる材料を見つけて嬉しいのか、明るい大声を出しました。
「おい、今晩はご馳走してやれ。学校を一日も休まなかったって、すげえりっぱじゃないか、うん」
成績のことなど、もう頭にないみたい。でも、わたしはそんな夫に大賛成。なんぼ緊張しっぱなしでも、学校を休まない娘が、やっぱり自慢なのです。
(神戸・1990・7・31掲載)
今年一年生になった長女が、夏休みを前にもらって来た通知表。名称こそ“あゆみ”となっているが、中身はやっぱり成績表です。
「わずか4か月で子どもたちも3段階に分けられてしまうなんて、やっぱり酷だよな」
夫が通知表を見ながらブツブツ言ってます。わが娘が人の前ではものすごく緊張してしまう性格を知っているだけに、もっと学校生活に慣れた時にこそ評価しないと不公平だと言うのが夫の意見です。
「人前であがってしまう性格はおれ譲りだからな。ただ昔は勉強の進み具合が結構ゆっくりしていたから、そんなおれも落ちこぼれずに済んだんだ。いまの子は大変だよな」
わが子になにもしてやれないというジレンマが、夫をえらく感傷的にさせていたようです。
「おっ!こいつ一日も休まずに学校行ってるじゃないか。うんうん、えらいぞ!」
夫は、やっとわが子を褒めてやる材料を見つけて嬉しいのか、明るい大声を出しました。
「おい、今晩はご馳走してやれ。学校を一日も休まなかったって、すげえりっぱじゃないか、うん」
成績のことなど、もう頭にないみたい。でも、わたしはそんな夫に大賛成。なんぼ緊張しっぱなしでも、学校を休まない娘が、やっぱり自慢なのです。
(神戸・1990・7・31掲載)
逆立ちの約束
「そない簡単に免許が取れるかいな。一回も補習せんと行けたら、わし逆立ちで歩いたる」
言いたいことを言ってのけ、冷ややかな目で見る夫の態度に、ムクムクと持ち前の負けん気が頭をもたげて、ついに大宣言!
「絶対にストレートで卒業してみせるわ!」
ほんの数か月前まで「免許なんか必要あらへん。うち一生取らんで」と口にしていたわたしは、新しくついた仕事に通うのに必要とあって教習所通いの羽目に。
しかし、売り言葉に買い言葉とはいえ、夫のいう通りになるのもシャクです。それに、まだ20代、オバタリアンじゃありません。柔軟な頭と豊かな遊び心で「チョイチョイ」と免許を取るなんて、こたえられませんよね。
そんな気持ちになれたせいか、教習はとんとん拍子に進み、第一段階、二段階と、お手付きなしの好成績。さすがの夫も感心させられたって顔。
「まあ若いんやから、そこまでぐらいは出来て当たり前や。あんまり鼻高うせんときな」
とはいえ最後は結局イヤミたっぷりと締めくくりました。
ところが、三段階・終了検定も一発でOK!仮免許証をヒラヒラさせて自慢してやりました。すると、
「それ取れたん、わしのおかげやで。お前に負けん気出さそうと、少し憎まれ役務めてやったんや。」
夫の負けん気も相当なものです。でも、夫に目を移すと、いかにも嬉しげに、なんとVサイン!です。
さて、逆立ちの約束、守らせるべきか、否か。あの笑顔にVサインを見せつけられては……迷うばかりです。はあ~…。
(神戸・1990・7・2掲載)
「そない簡単に免許が取れるかいな。一回も補習せんと行けたら、わし逆立ちで歩いたる」
言いたいことを言ってのけ、冷ややかな目で見る夫の態度に、ムクムクと持ち前の負けん気が頭をもたげて、ついに大宣言!
「絶対にストレートで卒業してみせるわ!」
ほんの数か月前まで「免許なんか必要あらへん。うち一生取らんで」と口にしていたわたしは、新しくついた仕事に通うのに必要とあって教習所通いの羽目に。
しかし、売り言葉に買い言葉とはいえ、夫のいう通りになるのもシャクです。それに、まだ20代、オバタリアンじゃありません。柔軟な頭と豊かな遊び心で「チョイチョイ」と免許を取るなんて、こたえられませんよね。
そんな気持ちになれたせいか、教習はとんとん拍子に進み、第一段階、二段階と、お手付きなしの好成績。さすがの夫も感心させられたって顔。
「まあ若いんやから、そこまでぐらいは出来て当たり前や。あんまり鼻高うせんときな」
とはいえ最後は結局イヤミたっぷりと締めくくりました。
ところが、三段階・終了検定も一発でOK!仮免許証をヒラヒラさせて自慢してやりました。すると、
「それ取れたん、わしのおかげやで。お前に負けん気出さそうと、少し憎まれ役務めてやったんや。」
夫の負けん気も相当なものです。でも、夫に目を移すと、いかにも嬉しげに、なんとVサイン!です。
さて、逆立ちの約束、守らせるべきか、否か。あの笑顔にVサインを見せつけられては……迷うばかりです。はあ~…。
(神戸・1990・7・2掲載)