難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

新政権障がい者施策改革本部と要約筆記者事業の方向(2)

2009年10月16日 00時00分32秒 | PHSから
091013-085832秋の朝顔.jpg091013-085807秋の朝顔2.jpg要約筆記事業はどうなるのか、考えてみた。

1.現在の障害者福祉制度は、2000年の社会福祉基礎構造改革が基盤であり、この基本的方向は変わらないだろう。
なぜなら、国際障害者年、障害者基本法の制定と改正とノーマライゼーションなどの理念、諸外国の先進施策を取り入れて、当事者の権利擁護、主体性の尊重、地域福祉の重視へという歴史的経過があるからだ。

2.新政権は障害者の権利条約をが施策の基盤としていること。
これまでの障害者福祉の理念のいっそうの徹底と施策の見直しが求められる。

3.「聴覚障害者の情報・コミュニケーション支援事業のあり方」勉強会の報告書(2009年、厚生労働省)に、聴覚障害者の権利条約の合理的配慮にどう対応するか検討されたものがあること。

同報告書では、地域再生に地域福祉の充実を図ること、身体障害者手帳を持たない難聴者を含む全ての聴覚障害者へのきめ細かい支援が必要なこと、多様なニーズに応える専門性を持ったサービス、技術の活用等が提起されている。

4.難聴者を支援するための事業は,一つは社会福祉法第2種事業として位置づけられた事業として、実施されること。
要約筆記事業や相談支援事業がこれにあたる。

相談支援事業には社会福祉士や臨床心理士などがあたるように、要約筆記事業は、社会福祉サービスとしての要約筆記を行う要約筆記者が担う。

5.難聴者の支援には上記事業の他にも多様なサービスで支援しなければならないこと。
大多数の難聴者は地域に暮らしているが支援サービスも体制がほとんど整備されていない状況。

難聴者はコミュニケーション障害ともう一つ社会や周囲との関係を築けない関係性の障害を持っていることを強調したい。この二つの障害への対応が必要なのだ。


ラビット 記