酔い日は佳い日

日々の食卓、晩酌事情。by こたりん

茄子生活 米ナスの巻

2014-08-20 | 酒風景
有り難くも夏の味覚に恵まれているこの頃(その事)。
米ナスを使って田楽をこさえてみた。


身がとろとろで、なんと美味しいこと。
ただ目をつむり「うん~」と唸るだけで、その表現は芸のないレポーターのようだが
何か面白いことをやろうとするヒマがあるなら味わうことに集中すべし。

和食でもお馴染みの茄子ゆえ、
京野菜か何かかな思いきや、アメリカ由来の品種。だから米ナス。

そう知ったのは食に興味を抱いたけっこういい年になってからなのだが、
さらに何かで読んだか聞いたかしたことには
現在食卓に上がる野菜で日本古来の品種は数える程度だとか(諸説あるが)。

たとえばトマトは観賞用として江戸時代に伝わったもの。
お馴染みの大根やカブでさえ、ルーツをたどるとどうやら日本じゃないらしい。
まあ、あまりにもすっかり定着しているものだから今さら違和感なんぞ持ち合わせちゃいないが
逆に気になるのが地球の裏側から運んできた珍しい海外の野菜。

それを取り扱う店もちらほらとあり、「栄養価がスッゴイんですぅ~」とかPRしとるが
だからってひと月の栄養をそれで満たすわけじゃなし
ああいうのは珍種として、その日の食卓の数ある料理の中の一つの話題として存在していれば
それでいいんじゃないかと思うのだが。
そういうのがあると食卓はたしかに楽しい。
自分も時々そういうのを買うが、正直言うと話のネタだ(笑)

あえて注目するなら伝統野菜と呼ばれる日本古来の野菜はどうか。
たとえば賀茂なす、下仁田ネギ、沖縄の島人参など
美味しいとか栄養がどうとか以前に、日本を知ることになる。

みんなで島人参を食べよう!という話ではない。
せめて国産という考えに関心を高めることで自給率が高まるんじゃないだろうか。
ちなみに野菜の自給率は八割くらいだとか。

1個のナスから話が長くなった。
やはりナスには人の心をすっと冷静にさせる何かがあるな。